第1回「ただ教えるだけでは生徒さんの心に響かない。会話が大事」(ゲスト:ぎんじねこ -ginjineko-)

ネット・ギタリストとの語らい by 編集部 2011年11月4日

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これまでの「ネット・ギタリストとの語らい」はニコニコ動画で人気のギタリストを紹介してきましたが、今回はYouTubeでカリスマ的人気を誇っている”ぎんじねこ -ginjineko-”さんに登場してもらいます。
第1回目は、ぎんじねこさんが行なっているギター・レッスンや、彼独自の教え方などのお話から始まり、ぎんじねこさんがギターを始めた中学時代あから、ベーシストとして活躍していた高校時代の話題です。興味深い話が満載ですよ!

今回のゲスト:ぎんじねこ-ginjineko-(中野康典)

YouTubeを始めとする動画サイトで圧倒的な視聴回数を誇るギタリスト。中学1年の冬にギターを始め,すでに高校1年生には関西圏を中心にツアーやCDをリリース。その後もメジャー・レーベルからスカウトされるなど精力的な活動を行なうが、28歳でバンド活動を休止する。しかし,31歳頃にたまたま見たYouTubeのギター演奏動画に感化され,ギター演奏動画をアップし始め,ネットギタリストのパイオニア的存在となる。ライブやCDリリース(アルバム情報はこちら)も行ない,ネットとリアルをつなぐ新感覚ギタリストとして圧倒的な人気を誇る。後進の指導にも熱心で,ギター・レッスン,プロデュースなどにも力を入れている。また,得意のパソコンの知識を生かしiPhone、iPadアプリ「テクニカルフレーズ100」(英語名「Technical Guitar Lick EX100」)をリリースした。 

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(編注:Ustreamは毎週土曜日22:00スタート)

 

加茂フミヨシ(以下●)それでは対談よろしくお願いします! 早速ですが、楽器フェアでイベントを行なうようですね!

ぎんじねこ-ginjineko-(以下○)2011年の楽器フェアで、11月5日にクリプトン・フューチャー・メディアさんの「EZ Drummer」というソフト使って「ひとりで出来る!ギターインストラック製作セミナー」をします。開場は13:10で、スタートは13:30です。

 

僕も楽器フェアでリットーミュージックさんとLine6((株)ティアック)さんのイベントを行なう予定なので、会場で会えることを楽しみにしています。ところで、「ぎんじねこ」というハンドル・ネームはどこからきたのですか?

ハンドル・ネームを考えていた時、テレビで『難波金融伝・ミナミの帝王』が流れていたんです。その主人公の萬田銀次郎から「ぎんじ」をいただこうと思って。でも、ヤクザっぽいなあと思い、自分の好きな猫をくっつけてみたんです。それが、「ぎんじねこ」になったわけです。

 

では、「ねこぎんじ」になった可能性もあったのですね。

そうかもしれません(笑)。幸運なことに、検索してみると「ぎんじねこ」を名乗っているのは自分だけのようなんです。本名の中野康典でギター・レッスンをしていたり、この名前でフェイスブックに登録しているぐらいなので、名前を隠すつもりはないんです。けれど、ゴロもいいし、この名前で親しまれているようなので「ぎんじねこ」でも活動しているんですよ。

 

ぎんじねこさんは関西の出身ですよね。

兵庫県生まれで、現在はYAMAHA音楽教室、姫路市方面で個人レッスン、東京に事務所がある登録制のところで関西方面のレッスン・コーチと、計3カ所でギター講師をしています。

 

レッスンは、ぎんじねこさん独自のカリキュラムですか?

はい。僕独自のカリキュラムで教えています。

面白い教え方があったら教えてください。

初心者には「ギターの構え方はマシンガン」と言っているんです。ギターをマシンガンに見立てマシンガンを打つように構え、その状態からギターを降ろしていく。すると、自然と理想的なフォームになるんです。

 

独特な方法ですね。どうしてその方法で教えようと思ったのですか?

弦楽器の両手の理想的なフォームは、バイオリンのフォームと証明されていて、ギターも行き着くところは同じなのですが、楽器が違うのでなかなかイメージが湧かず理解ができない。なので、ギターをマシンガンに見立てて説明してます。

 

ほかに、ぎんじねこさん独自の指導法を教えてください。

左手のフォームを教える時、リスト・バンドを二つ折にして左手に巻いてもらうんです(下写真参照)。そうすると、左手に必要なフォームの要素がこれ一本で補えます。しかも、いつも使ってるリストバンドは100円均一で売っているものなのでコスパも最高です(笑)。

これも独特ですね。

昔は100円ライターを手のひらに入れて弾いてもらっていたのですが、弾いているうちにライターがポロッと落ちてしまって(笑)。だったら、左手にリストバンドを巻いてしまえと。

 

凄く面白いアイディアだなあ。右手にリストバンドは使えないんですか?

右手のストロークが激しいと、ボディと右腕が擦れてヤケドをする人もいるんです。そういった人は、ボディと右腕擦れる箇所にリスト・バンドを移動させれば良いと思います。

 

ぎんじねこさんは独学でギターを学んだのですか?

弾くことに関しては独学ですが、講師資格を取るために大学の頃、YAMAHAに通っていました。でも、先生と合わなくて半年でやめてしまって(笑)。途中でやめてしまったのですが、実際にレッスンを受けることで、生徒さんの気持ちになって教えることに役だっていると思います。

 

それは大事ですよね。

それから、環境的にも、恵まれていたかもしれません。大学の時、軽音部の後輩たちに指導をしていたので、それも役立っているようです。また、関西人なものでよくしゃべります(笑)。ただ単にギターだけを教えても生徒さんはついてきません。それならビデオとかテープ・レッスンでいいですからね。目の前に人がいることがとても大切な事なので、会話を大切にしてます。生徒さんの年齢も小学生から60歳代の方までさまざまなので、相手に合わせて話すことも大切ですね。

 

ところで、いつ頃からギターを始めたんですか?

中学校1年の冬です。

 

キッカケは?

親戚の姉がホワイトスネイクのアルバム『サーペンス・アルバス~白蛇の紋章』を聴かせてくれたんです。当時、「ザ・ベストテン」などで歌謡曲を聴いて、洋楽という概念すらなくて。でも、ホワイトスネイクの曲を聴くと、いきなりヘヴィなリフから始まるわけです(笑)。凄い衝撃でしたね。

 

そうですよね。僕にストラト・プレイヤーのイメージを持っている人が多いと思うのですが、ジョン・サイクスは大好きです! 親戚の方も強力なCDを持ってこられましたね(笑)。

その親戚の姉から「洋楽という音楽というのがあんねん。ホワイトスネイクにはジョン・サイクスというギタリストがおるねん」ということから、ギター・マガジンからギターの情報を得ることまで教えてもらいました。その後、たくさんのギタリストを知ったのですが、洋楽でいちばん最初に出会ったジョン・サイクスの音が忘れられないんですよね。ヴァン・ヘイレンの1stアルバムの音も素晴らしいんですけど、僕にとっては『サーペンス・アルバス』が最高峰なんです。

ホワイトスネイクからルーツ・ミュージックを聴くことはなかったのですか? 例えば、デイヴィッド・カヴァデールがボーカル時代のディープ・パープルとか。

そういったことがなくて。『サーペンス・アルバス』から離れられないんですよ。

 

『サーペンス・アルバス』はコピーしたんですか?

ギターにはタブ譜がある、というのを知ったのがずいぶんあとで、しかも、1冊3,000円とかするので中学生の自分には高くて手が出せませんでした。ダビングしたカセットテープが伸びて半音ほど下がるぐらいまでくり返し聞きながら見よう見まねで……いわゆる「耳コピ」をしてました。今でも当時の練習の際に録音したテープがありますよ(笑)。

 

中学校の頃、バンドではどんな曲をやっていたのですか?

当時、バンド・ブームだったので僕のまわりに楽器を弾いている人はいたんですけど、BWO Ø Yが人気だったので彼らのコピーが多かったんです。で、僕が「ホワイトスネイクをやろう」と言うと、「何それ?」って反応でした(笑)。

 

ぎんじねこさんと同じ音楽性を持っていた人はいなかったのですか?

いたんですが、その人は楽器を弾かなかったんです。

 

あはは、リスナーだったんですね。ちょっと話はそれますが、実は楽器を弾かないリスナーのほうがたくさんの楽曲を知っているんですよね。

そうそう。楽器を弾く人は同じ曲を何回も聴いて練習しますが、リスナーはその間にいろんな曲を聴くわけなので。

 

高校生の時はどんな音楽活動をしていたんですか?

ハードコア・バンドでベースを弾いていました。中学生の頃から仲が良かったドラマーのお兄さんがそのハードコア・バンドにいたんです。そのバンドにベースが必要だったのですが、「ギターが弾けるんやったら、ベースも弾けるんちゃう?」というノリで誘われて(笑)。しかも、メンバーは僕よりも年上で、音楽的キャリアもインディーズ・シーンを積んでいる人たちだったんです。

 

凄い展開ですね!

でも自分的にはありがたい話で、いろんな経験ができました。その当時、週2回ぐらいスタジオで練習して、月に2〜3回のライブをやっていまし、ツアーで岡山県や広島県まで回っていたんです。ライブ・スタジオでの過ごし方、効果的なリハーサルの仕方など、いろんなことを教えてくれました。

 

高校生になると勉強も難しくなるし、音楽ばかりに時間を割けなくなるのでは?

学校から帰るとバイトか楽器の練習で、勉強はしていませんでした(笑)。成績も悪かったし。

(次回に続く)

 

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加茂フミヨシ

加茂フミヨシ

超絶技巧ギタリスト/クリエイターとして活躍する。傍ら、最先端エレキ・ギター奏法の求道者としても、多くのヒット作教則本を発表。2011年に、スティーヴ・ヴァイがバークリー音楽大学で記録した“世界最大規模のオンライン・ギター・レッスン”のギネス世界記録に挑戦。ヴァイの“ギター・レッスン受講者4,455人”の記録を“8,776人”に更新し、イギリスのギネス・ワールド・レコーズより日本人ギタリストとして正式承認される。世界に名を刻んだエレキ・ギター界の伝道師である。



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