「〜TAKUMI〜匠との語らい2 最終回」自分の職業を通じて、音楽の世界に参加できることに魅力を感じています

加茂フミヨシ式ギター・トレーニング by 加茂フミヨシ 2013年3月22日

【第270回】「〜TAKUMI〜匠との語らい2 最終回」ゲスト:大島雅彰
現在、良い音の出るアンプが数多くあります。我々はそれが当たり前のように錯覚してしまいがちですが、そこに至るまで、職人気質の技術者の努力なしではあり得なかったことです。そして、良い音への追求は、現在に至るまで続いていることが、これまでのお話で理解していただけたと思います。最終回となる今回は、トランスの奥深さや、大島さんのこだわりに触れていきます。このような職業に興味を持っている人は参考にしてくださいね。

今回のゲスト:大島雅彰(おおしま・まさあき)

1949年生まれ。小学校2年からスティール・ギターに触れるなど、ギターが身近にある生活を送る。現在は、父親の設立したアテネ電機株式会社を引き継ぎ、国内の著名ギタリストなどのアンプのトランスを供給している。なお、トランス事業部のほかにも、フィルム事業部LED事業部がある。

 

●ホームページ http://www.atenecorp.com/
●トランスの製品案内 http://www.atenecorp.com/トランス事業部/

●所在地:〒370-2316 群馬県富岡市富岡910番地
●電話&FAX:0274-62-2561/FAX:0274-62-2562
●ネットでのお問い合わせ
http://www.atenecorp.com/お問い合わせ/

 

※「〜TAKUMI〜匠との語らい」との語らいのコンセプトは、「著者のつぶやき」をご覧ください。

 

加茂フミヨシ(以下●)大島さんは、なぜ、アテネ電機株式会社を引き継ごうと決心したのですか?

大島雅彰(以下○)父親が命をかけて築いたトランス会社をそのままにしておけなかったからです。そして、会社の社員と家族、自分の家族のためでもあります。

 

お父様から学ばれたトランスの技術はあるのですか?

父が設計した図面のノートが残っています。 父は戦時中、陸軍技術研究所に勤めていましたので、当時の日本の技術とすれば高いほうであったかと思います。

 

アテネ電機株式会社で、もし、ギター・トランス関係において新人を採用するなら、どのような人材を求めますか?

ギタリストの要求が理解できる人となります。

 

それは、抽象的な音への要求、例えば「もっと太い音にしてほしい」 と言われた時、「太い」という意味がわかるということですか?

ギタリストの感覚がわかるということです。例えば「太い」と言うと、通常、低音域の観念であることが多いでしょう。しかし、私たちのユーザーは「高音域の太さ」を希望されることが多いのです。具体的には「太さ」は音量ではありませんので、感覚でとらえるしかないのです。

 

なるほど。非常に重要かつコアなお話をありがとうございます! また、ギター・トランス関係の仕事に就くとした場合、どのようなスキルが必要とされますか?

巻線技術、ハンダや配線の生産技術、そして音響学を理解できる電子技術です。

 

現在、御社が最も「売り」としているギター・トランスと、その魅力を教えて下さい。

音に忠実な「出力トランス」が売りです。それとノイズが発生しない「電源トランス」です。製品としては次のようなものがあります。

 

【真空管ギターアンプ用出力トランス AGOT-06
50W真空管ギター・アンプ用出力トランス。1次=3.5KΩ、2次=0-4-8-16Ω。VOX・AC30&50、マーシャル50Wなどに適合してます。

 

【真空管ギターアンプ用電源トランス AGPT-12】

入力=AC100V,50/60Hz。出力=AC290VX2/DC0.12A、AC5-6.3V/2A、AC6.3VCT/3A。伏せ型合わせカバー、静電シールド・ショートリング付き。マーシャル18Wに最適。フェンダー・デラックスにも適合してます。

 

最後に、トランス作りの仕事の魅力を教えてください。

あきらめなければ、自分の職業を通じて、音楽の世界に参加できることですね。通常のトランス屋さんはデジタル的発想で、トランスの設計を数値で出します。だからギタリストの感性や要求を理解できないところもあるようです。しかし、私の会社はアナログ的な発想のため、音の艶や深みが理解できるのです。そして、その要求に的を絞って設計する。この妙味は、我社のトランス作りならではの味わいですね。

 

なるほど。どんなに合理化された数値社会になっても、最後は人の感覚が音楽を作り上げるのですね。

そうですね。そして我々は、ギターから発生した入力信号に何も混ぜたり加工したりせず、いかにに自然な出力信号として出すかに観点を絞るのが仕事となります。

 

今回はありがとうございました。

 

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加茂フミヨシ

加茂フミヨシ

超絶技巧ギタリスト/クリエイターとして活躍する。傍ら、最先端エレキ・ギター奏法の求道者としても、多くのヒット作教則本を発表。2011年に、スティーヴ・ヴァイがバークリー音楽大学で記録した“世界最大規模のオンライン・ギター・レッスン”のギネス世界記録に挑戦。ヴァイの“ギター・レッスン受講者4,455人”の記録を“8,776人”に更新し、イギリスのギネス・ワールド・レコーズより日本人ギタリストとして正式承認される。世界に名を刻んだエレキ・ギター界の伝道師である。



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