イベント:Protoolsと生演奏を同期させたライブ&レコーディング・テクニック

加茂フミヨシ式ギター・トレーニング by 編集部 2009年11月13日

【第102回】2009楽器フェアでのイベント報告

去る11月5〜8日の4日間にわたり、パシフィコ横浜で2009楽器フェアが開催されました。その際、日本工学院ミュージックカレッジ&アビット・テクノロジーのブースにて、僕とマン・リューベン氏(ドラム)が「Protoolsと生演奏を同期させたライブ&レコーディング・テクニック」というイベントを行ないました。そこに、このコーナーの担当者のひとりが遊びに来てくれたので、今回はいつもと趣向を変え、その担当者に書いてもらったイベント・レポートを紹介しましょう。

イベント「Protoolsと生演奏を同期させたライブ&レコーディング・テクニック」
(文:リットーミュージック/額賀正幸)

楽器フェア2日目の11月6日(金)、Fenderブランド”シャーベル”のギターを持って現れた加茂フミヨシがオープニングで演奏したのは、アラン・ホールズワースの「TOKYO DREAM」。この曲は強烈なストレッチ・コードにタッピングを加えたプレイを用いて(つまり、両手が総動員されている)、まるでキーボードのような美しいコード・ワークが聴けるナンバーだ。欧米人に比べ手の小さい日本人にはかなりの難曲のはずだが、驚くことにこれを難なくこなしていた。さらに、ソロになるとホールズワース張りのストレッチ&レガート奏法による速弾きをキメるというパフォーマンス。

「いったいどんな練習をしたら、あんなプレイができるのだろう?」、「コツはどこにあるのだろう?」と思った人もいるだろう。余談ではあるが、これらのプレイのポイントが教則本『ひたすら弾くだけ! 超絶ギター・トレーニング』(加茂フミヨシの新刊。2009年12月17日発売。)に掲載されている。加茂自らがその秘密を明かしているので、非常に参考になるはずだ。

「TOKYO DREAM」の演奏の次は、レコーディング・ソフトの定番商品であるProToolsを用いて、使用法についてのちょっとしたアイディアを紹介してくれた。その中で、ローランドのVドラムを用いてMIDIデータ化されたドラム演奏をパソコンに送り込み、さまざまな音源に変えるというパフォーマンスを披露。最近の音楽はロック・バンドであっても、ミクスチャー系のように「一部のドラム・パートが打ち込み」だったりする。よって、ミクスチャー系や、幅広い音楽製作を行なう人は、ProToolsのようなソフトの使用も検討してみてはいかがだろうか。なお、日本工学院ミュージックカレッジではProToolsの資格取得にも力を入れた教育を展開しているようだ。ProToolsに興味を持った読者は日本工学院ミュージックカレッジのオープン・キャンパスに参加してみると良いだろう。

参考までに、ここで、この日の加茂の機材を紹介しよう。シャーベルのギター以外は、なんとアビット・テクノロジーの新製品「Eleven Rack」というアンプ・シュミレーターのみで、ギター・アンプすら使用していない(つまり、ラインで鳴らしているということだ)。楽器の演奏を前提にしていない会場で演奏する場合、あらゆることを考慮して機材を選ばなければならない。今回のイベントで言えば、ブース内での演奏なので、素早くセットでき、最小のスペースですむものとなる。また、会場を仕切るスタッフから、突然、「もう少し音量を下げてください」などと言われる可能性もある。そうなると、アンプを歪ませて音を作る場合、対応が難しい。これらを考慮すると、やはりラインですむ機材を使うほうが何かと便利だろう。

問題は、サウンド面で満足できるかだ。しかし「Eleven Rack」は、ラインで鳴らしていることが不思議なくらいナチュラルなサウンドであった。また、レスポンスも良く、加茂の光速弾きにも対応できていた。実際、イベント内で、それを実証するデモンストレーションが行なわれた。「アンプ・シュミレーターって、ほんの少し、音の反応が遅れるんじゃないの?」と思う人は、「Eleven Rack」を試してみる価値はあるだろう。

さて、イベントは終盤に差し掛かった。ラストを締めくくるのは、ゲイリー・ムーアの「ザ・ローナー」。泣きのギターの代名詞的な曲だ。この曲で加茂は、得意の光速弾きとブルージィな泣きの要素を融合させたテクニカル・プレイを披露し会場を魅了していた。ただ速く弾くだけならアマチュアでもできる。しかし、加茂の演奏からは物悲しさが漂っていて、デジタル機器で弾いているということを忘れるほど聴き入ってしまった。

なお、イベントの最終日に演奏された「ザ・ローナー」の模様は、YOUTUBEで観ることができる。上記で言わんとしていることが理解していただけると思うので、ぜひご覧いただきたい。

●2009年楽器フェア
YouTube – Fumiyoshi Kamo&Reuben Mann – The Loner(Cover)

なお、過去の楽器フェア、楽器フェスティバルにおける加茂のイベントの模様は、以下を参照のこと。

●2008楽器フェスティバル
FENDER MAKE HISTORY〜加茂フミヨシがフェンダーとともに歩んだ歴史的名演を再現(取材記事)

●2007年楽器フェア
加茂フミヨシ&野村大輔セッション(動画)
※MySoundにて2009年12月22日(火)まで公開予定

著者のつぶやき

楽器フェアでは、たくさんのミュージシャンと出会うことができ、充実した4日間を過ごせました!

さて、「読者からの質問」のコーナーもたくさんお便りいただいております。随時公開していきますのでお楽しみに! 「軽音楽部&サークル活性化セミナー」や「著者たちの語らい」も年末に向けてどんどんやっていきたいと思います!

そういえば、『ひたすら弾くだけ! 超絶ギター・トレーニング』の情報公開解禁日なんですね、今日が(笑)。今、知りました(笑)。自信作に仕上がりましたので、楽しみにしていてください! 11月13日売りのギター・マガジン12月号も見てくださいね!!(※)

※編注:ギター・マガジン2009年12月号の213ページに、『ひたすら弾くだけ! 超絶ギター・トレーニング』の予告記事が掲載されています。また同号の付録のCDにも『ひたすら弾くだけ! 超絶ギター・トレーニング』の音源の一部が収録されています。

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【編集部より】
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加茂フミヨシ

加茂フミヨシ

超絶技巧ギタリスト/クリエイターとして活躍する。傍ら、最先端エレキ・ギター奏法の求道者としても、多くのヒット作教則本を発表。2011年に、スティーヴ・ヴァイがバークリー音楽大学で記録した“世界最大規模のオンライン・ギター・レッスン”のギネス世界記録に挑戦。ヴァイの“ギター・レッスン受講者4,455人”の記録を“8,776人”に更新し、イギリスのギネス・ワールド・レコーズより日本人ギタリストとして正式承認される。世界に名を刻んだエレキ・ギター界の伝道師である。



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