【インタビュー】ジェイムズ・ルート(スリップノット)

インタビュー by 編集部 2009年1月14日

ラウド・パーク特集GMオンライン・スペシャル・インタビューは、スリップノットの”No.4″ジェイムズ・ルートからスタート。

ステージでも素顔でもクールという言葉が似合う彼からは、超ヘヴィロック・バンドの中でテレキャスターを使うことについて、面白い考えを聞くことができた。

『ギター・マガジン』2009年1月号には、14ページにわたるLOUD PARK 08特集で、インタビューおよび機材レポートも掲載されているので、そちらも要チェック!

--前作『Vol.3:(ザ・サブリミナル・ヴァーシズ)』リリース以降のツアーも大変長いものになりましたが、長期間ヘヴィなプレイを続けていくと、時にテクニカルな部分でルーズなスタイルを欲したりはしませんか?

もちろんあるよ(笑)!

--ハハハ。頭を使わなければならなそうなパートも多そうですからね。

ギターを弾き始めてかなりの年月が経つけど、自分がテクニカルなプレイを学んだのは、理論よりもとにかくネックを握り続けたおかげだ。もちろん結果として理論的な部分も独学で多く身についたよ。

今でも学ぶことはたくさんあるけど、頭で考えるのではなく、常にハートとソウルでプレイすることを一番大事にしてきている。それはこれからも心がけていきたいと常日頃から思っているな。

--では新作『オール・ホープ・イズ・ゴーン』について聞かせてください。ジョーイ(ジョーディソン/d)と曲を練っていく場合、彼のドラム・パターンにインスパイアされギター・フレーズが思いつくことは?

いや、そういうことではない。あらかじめ自分のProToolsで作ったネタを用意しておく。

それはスリップノットで使うのかストーン・サワー(ジェイムズの別バンド。ボーカルはスリップノットのコリィ・テイラーが務めている)で使うのかは決めていないんだけど……ジョーイが俺の家に来てそのネタの中から一緒にジャムったから、それはスリップノットの曲になったって感じなんだ。

ドラム・パターンも打ってあって、リフもできあがっている。それをジョーイに聴かせ、デモのまま生かした部分とアレンジした部分があったな。

--チューニングはボトムがAとBとの2パターンありますが、別のセッティングでプレイしたりは?

基本的にふたつのキーしか使わないようにしているんだ。そうすることでリック・ニールセンみたいにロードに30本もギターを持って行かなくてすむからさ(笑)。

俺たちはツアーに6本しか持っていかないようにしている。2パターンだから、”この曲のチューニングは何だっけ”なんてトラブルもないしね。

--「サルファー」の冒頭はオルタネイト、「サイコソシアル」では同じくらいのスピードのパートでもダウン・オンリーで弾いているようですが、ピッキングの使い分けも早いうちからイメージがあるんですか?

そう、「サルファー」はオルタネイトで弾いている。やはりよりパンチのあるサウンドを出す時はダウン・ピッキングのほうがいいね、そのほうが5度音を均等に鳴らすことができるから。

ドラムの速度が関わってくることも大きい。ジョージがブラスト・ビートでプレイする時は、こっちも単音で32連のオルタネイトで合わせる必要も出てくる。ドラムとピッキングは非常に大事な結びつきがあってね、それを考えて選ばないといけない。

--本作はリード・パートが多く導入されているのも大きな特徴です。誰が弾くのかはどのように決めるんですか? あなたが弾いている場合が多いように感じたんですが。

基本的には半分に割って、どちらかが前半、どちらかが後半をやるように決める。それ以上の打ち合わせをすることはないな。

ただ今回のレコーディングでは途中から曲の尺をカットするという事態が起こってしまい、結果的に俺のほうが多くなってしまったんだよね。自分が書いたのも何曲かあって、ソロも自分で作ったのを弾きたかったら、それは全部弾いちゃったんだけどさ(苦笑)。

--あなたはポール・リード・スミスやジャクソン、フェンダーとアルバムごとに使用ギターを変えてきましたが、今回は前作同様フェンダーでプレイしていますね。

俺はフェンダーやジャクソンで育ってきた。初めてツアーを回るようになった頃、それまでアイオワ育ちの貧乏な少年だった俺に、いろいろなメーカーがギターを持ってきてくれるようになったんだ。これまで触ったことのないギターを試す絶好の機会だと、いろいろ使ってみた。

シャーベルで俺のシグネイチャーを出そうって話になった時、さんざん悩んだ結果、自分が立ち返るのはやっぱりいつもフェンダーだってことに気がついたんだよ。そのフェンダーも快く俺を受け入れてくれたからさ。こんなに歴史の古いブランドの好意にこたえないわけにはいかないだろ?

ギターってのはあまりにたくさんの要素があるから、理想の音を作り出すのはすごく難しいんだけど、今のところ”ギブソンのサウンドがするフェンダー・シェイプのギター”って理想は達成しているね(笑)。

--今回の日本公演はすべてテレキャスター・シェイプですが、スリップノットのような奇抜なバンドにおいて、ギターのルックスとバンドのルックスのバランスについてはどういう考えを持っていますか? ギターも奇抜である必要はない?

それも大事かもしれないけど、バンドのコントラストとして、ものすごいメタル・バンドの中で、ひとりだけカントリー・チキンピッキング・スタイルのギターを持っているヤツがいてもクールなんじゃないかと思ったんだよね(笑)。俺はメタル・ファンというよりも音楽ファンだし、スリップノットのファンもそういう人が多いんじゃないかと思う。

テレキャスターを使う素晴らしいギタリストはたくさんいる。だから俺なりのアンチテーゼっていうか、パンク・スピリットというか……尖ったギターを持ってメタルぶることは誰にだって簡単にできるけど、テレキャスターを使って破壊力のあるサウンドを作ることは、そんな簡単じゃない。そのほうがクールだって思うな。

--レコーディング現場にはエクスプローラーやトラヴィス・ビーンも並んでいたようですね。

たまたまあったものを試したって感じだ。たぶん60本くらい弾いたんじゃないかな。フライングVにエクスプローラー、フェンダーも8本くらい、ジャズマスターやSGも使ったかな。アコギも俺のマーティンD-42を弾いてみたし、音をかぶせるためにレス・ポール・ジュニアもチョイスした。

--単独公演はソールド・アウトになった会場もありました。多くのファンがもっとあなたたちのパフォーマンスを観たがっていますよ。

できれば近いうちにここへ帰ってきたいし、もっと日本でゆっくりツアーがしたいっていつも思っているよ。どうも日本ではいつも十分な時間が取れなくって。物価はどんどん高くなっているから、また訪日できるように俺たちも成功し続けなくてはいけないけどさ。とにかく、次に来た時はもっとゆっくり日本を楽しみたいと思っているよ。

■インタビュー:ギター・マガジン編集部
■通訳:Ginger Kunita
■翻訳:Stanley George Bodman
■写真:Masayuki Noda

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