【インタビュー】Kuboty(TOTALFAT)

インタビュー by 編集部 2012年7月14日

好評発売中のギター・マガジン8月号にインタビューで登場しているTOTALFATのKuboty。パンクを軸とした同バンドのサウンドに、ハードロック/ヘヴィメタルのテイストを盛り込む注目のギタリストだ。本誌では最新作『Wicked and Naked』の話を中心に掲載したが、取材時にはギターを始めたきっかけやバックグラウンド、さらにはサウンド面,プレイ面でのこだわりを語ってくれていた。ここでは、本誌に掲載しきれなかったKubotyの言葉を紹介していこうと思う。

自分のギター・プレイが
TOTALFATの出音のすごく大事な部分を
担っていると自覚しています。

いまだに「Blue Blood」のリフは
リハの音出しする時に弾きます。

 

–最初にギターを弾き始めたきっかけを教えて下さい。

 僕はX JAPANが大好きで、「紅」を聴いて小学6年の終わりくらいにギターを手にしました。バンジョーを弾いていた親父にアコースティック・ギターをもらって、半年くらいは錆びた弦のままコード弾きをしていましたね。大リーグ矯正ギブスじゃないですけど、左手はエレキから始めるよりは早めに強くなったかなと思います。初めてエレキを持った時の感動ったらなかったですよ。”やわらか〜い”って(笑)。学校から帰ったら教則本とかを見て、なるべく簡単なコードを探しましたね。まずはEm7、それからG6、CM7とか。

エレキを手にしてからは、とにかくX JAPANをやろうと?

 そうですね。『Blue Blood』の楽譜を買って来たんだけど、まずタブ譜が読めなかった……。でも、練習しましたね、いまだに「Blue Blood」のリフはリハの音出しする時に弾きます。ギターは親父と一緒に御茶の水のイシバシ楽器に行き、中古のハートフィールドを買いました。あとから知ったことですけど、そのギターはラス・ペリッシュという、現スティール・パンサーのギタリストのモデルだったんですよ……アツいなと。フェスなんかで今後共演することがあれば、”俺が最初に弾いたギターは、アンタのモデルだぜ!”って絶対言ってやろうと思ってます(笑)。

–これだけのテクニッックを身につけるためには相当練習したのでは?

 そうですね。でも、具体的な練習をしたというよりは、先輩からハロウィン、MR.BIGなんかを教えてもらい、とにかくコピーしてました。中1で初めて組んだバンドでコピーしたのは、ディープ・パープルの「ハイウェイ・スター」でしたね。もうひとりのギターのやつと一生懸命に練習してて、プレイと同時にコード進行なども勉強できましたので、それが良かったと思います。あと、Xとかハロウィンをコピーするうえで、MTRを買ってきて、ツイン・ギターをひとりで両方重ねて楽しんだりしていたんですよ。地味なんですけど(笑)。おかげでコードに対してどういうハモリが付いているか? 3度、4度、5度……Xのハモリって本当にいろいろついているから。そういうのはすごく学べて、今のTOTALFATにもメチャクチャ生きてますね。 

–スウィープやエコノミー・ピッキング、タッピングなど、特殊奏法の攻略法は?

 イングヴェイ・マルムスティーンの教則ビデオとか買ったかもしれないですね。スウィープなどは、さすがに映像で目の当たりにしないとわからないと思っていましたから。タッピングを発見したのも、たぶんXのライブ映像で「Silent Jealousy」のソロの折り返しの部分を観て、あっ、こういう弾き方があるんだ!って感じでしたね。イングヴェイもすごいコピーしたんですけど、スウィープはそんなに自分のスタイルに合わなくて。ブロークン・コードはポール・ギルバートがやっているようなストレッチでコード分解するほうが好きで、そういうのもTOTALFATでのプレイで聴けるはずです。でも、『Wicked and Naked』の「Just Say Your Word」のソロで、9〜10小節目で、よくあるディミニッシュの3弦からのスウィープを入れています。

 

自分がバンドをやるとなった時に
メタルよりパンクだったんですね。

 

–すでに活動していたTOTALFATには04年に加入していますが、それまではメタル・バンドを?

 それがメタルでもなかったんですよ。先輩にメタルを教えてもらい、後輩にはパンクを教えてもらっていた感じでした(笑)。当時はNOFX、グリーン・デイ、Hi-Standardなどが流行ってましたけど、直接のきっかけになったのは、バンドとしても目標に掲げているオフスプリングなんです。ザクザクしたギターの音がすごく気持ちよくて、よく聴くようになりました。技術的な部分とか、歌の部分とかも含めて、自分がバンドをやるとなった時にメタルよりパンクだったんですね。それで、洋楽には多いんですけど、バックグラウンド的にはメタル色の強いパンク・バンドをやってました。インディーズでも正式にリリースとかはしてないんですけど、厳密には完全な自主制作で、加入前に僕がやっていたバンドとTOTALFATのスプリット盤も出してるんですよ。1,000枚限定とかで。そういうわけでTOTALFATとは昔からすごく仲が良かったんです。

–自身のハードロック・スタイルをどう生かそうと考えました?

 TOTALFATの良さを生かしつつ、自分がその中でどんなプレイをすればいいんだろうというのを見つけるのに、やっぱり2〜3年かかりましたね。でも、だんだん自分がやりたいこともメンバーも理解してくれるようになってきたし、それを支えるようにもなってきてくれてきたし。時間をかけてですけど、今は自分のギター・プレイがTOTALFATの出音のすごく大事な部分を担っていると自覚しています。

–加入直後に難しいと感じたことは?

 入った瞬間はメチャメチャ難しかったですね。今は自分でも曲を書くんですけど、その時は自分の曲じゃなかったし、みんなのイメージを壊さずにテクニカルな部分だとかハードロックの魂の入った部分というのを入れることも、すぐにはできないことで、ちょっとずつメンバーにもハードロック・バンドを教えて……アングラの『テンプル・オオブ・シャドウズ』とかは、みんなで聴いてましたね。

–リズム的な面で言うと、2拍のビートに対しては?

  “ジャジャージャ、ジャジャージャ”ってリズムがすごく多いんですけど、そのへんはメロコアを中心として、特に拒むわけではなく入れつつも、サビ以外の例えばBメロとかブリッジのようなフックになるようなところでは、けっこう16分の刻みをザクザク入れていったりするようにしました。

 

ライブの出音に関して
僕はラインで出しているんです。 

 

–TOTALFATでの作曲からバンド・アレンジ、Joseさん(vo、g)とのギター・パートの棲み分けについて聞かせて下さい。

 レコーディングでは重ねちゃうので一概には言えないんですけど、バッキングでは基本的にはJoseくんにパワー・コードないし、コードを弾いてもらいます。僕も一緒にコードを弾きますけど、単音ないしオクターブ奏法を加えることがパンクでは多いので、そこを弾いています。ギター・ソロも曲によってはJoseくんにも一緒に弾いてもらいますね。ツイン・リードというのを前回のアルバムくらいから意識するようになってきて。もともと彼もいいギタリストですし、どんどんうまくなっているから、今後はガンマ・レイみたいなスタイルになっていくんじゃないですかね(笑)。ふたりで機材の相談とかもよくしますよ。

–サウンド的な棲み分けは?

 それほど考えてなくて、お互いが好きな音を出しつつ、”もうちょっと歪みが深いほうがいいね”とか”中域がもっと出てるほうがいいね”とか、軽くは相談してるんですけど、意外とお互いが出したい音を出している。ただ、質感が近づくようにはしているんで、今使っているアンプは僕がディーゼルのVH4で、Joseくんはディーゼルのアインシュタインだったり。あとは、ライブの出音に関して僕はラインで出しているんです。Joseくんはマイキングで出してます。昔は僕のほうの出音を明らかに大きくしていたんですが、今は曲によって大体同じくらいに出してもらったりしています。自分たちのツアーだとPAも同行するので、出音についても常に研究しながらツアーを回っています。

ラインで出していることについて、少し詳しく聞かせて下さい。

 ヘッドとスピーカーの間にパルマーのDIをかませています。もちろん、ライブハウスでは、前のほうのお客さんにはキャビネットからの音も直接聴こえますけどね。パルマーはさすがにクオリティが高いんですよ。CDの音ってギターを弾いた音をマイキングして、最終的にはすごくマスタリングされた音がみんなの耳に届くじゃないですか。それって結局はコンプがかかっていたり、ハイをザラザラさせていたりとか、いろんな加工が施されていて。で、ライブでその音になるべく近づけるにはどうしたらいいかな?っていうのを考えたうえで、ラインで出す、すごく張り付いた音というのを最初から出しちゃえばいいんじゃないかっていう。例えばクラプトンみたいなギターの温かい音を出している人とは、まったく真逆にはなるんですけど、ライブでみんなの五感を刺激するような音を出すためにはどうしたらいいかって考え方で選んだ、今の方法です。ギターのピックアップもEMGだし、ワイアレスで、それをディーゼルからパルマー経由でラインで出すっていう、すごくハイファイな音作りなんですけど、 TOTALFATの攻撃的なサウンドにはすごく合ってるんじゃないかと思います。

エフェクターはセンド・リターン?

そうですね。だからメインは本当にアンプ直です。ソロではおもにGフォースでディレイだったり。フェイズ90だけはすごく好きで、足下に置いています。

新作以外にも、ラルク アン シエルのトリビュート・アルバムに参加し、「Driver’s High」をカバー。これがカッコイイと話題になってますね。

あれは、アルバム・レコーディングの最終タームくらいに録りました。Joseくんがおもにアレンジを担当してくれましたが、誰がやったとしてもTOTALFATでこの曲をやるなら、この形しかないでしょうって、まずはテンポを速くしました。ギター・フレーズは2本とも僕が弾いてますが、自分の中で明確にこうしたいというアイディアがあって、わりとそれどおりになっています。イメージがメロスピでした。この曲に関しては半音下げのうえ、ドロップ Dチューニングで弾きましたね。なので6弦はC#になっています。ギター・ソロとかは、ライブで再現できないくらい弾きまくりました。刻みまくったし、すごく合わせるのが大変でした。多いところだと4本で16分をやっているのでソロも手癖ですけど、メロディを描いて弾いた部分もあるので、けっこういいと思います。敬意を込めてぶっ壊すのが、俺らがやることなのかなと思ってます。メロスピ好きにはお薦めできますよ。

 

このインタビューの続きは、ギター・マガジン8月号にて!

 

GUITAR

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GRECO ZEMAITIS GZV 3700MF

▲Kubotyがインタビューに持参してくれたのは、グレコ/ゼマイティスのGZV3700MF。精悍なメタル・フロントのVシェイプ・タイプで、ボディは2ピース、ネックは1ピースのマホガニーというマテリアル。ピックアップはディマジオ製DP103を2基搭載している。

 
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『Wicked and Naked』キューン KSCL-2063〜4(初回生産限定盤)

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『Wicked and Naked』キューン KSCL-2065 (通常盤)

【TOTALFATオフィシャルサイト】http://www.totalfat.net/

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