LOUD PARK 11特集 カイ・ハンセン(ユニソニック)

インタビュー by 編集部 2011年12月13日

 2012年1月号(11年12月発売号)のギター・マガジンに続き、ここギター・チャンネルでもラウドパーク11でのインタビュー特集を掲載! まずはマイケル・キスク擁するユニソニックに電撃合体した、カイ・ハンセンのインタビューからだ!

カイとマイケルと言えば、言わずと知れたハロウィンでの黄金コンビ。今でも多くのファンを持ち、現代のパワー・メタル・バンドに多大なる影響を与えたあのサウンドがよみがえるのか!? ライブ終了後、当日のステージについてや、今後のプランなどについて話を聞いた。

 

僕がリフを弾いてマイケルが歌えば、あの時のサウンドがよみがえることもあるだろう。
まったく別物であっても、僕らであることは変わらないからさ。

 

 

今後はもっとハロウィンの曲をプレイしていきたいとおもう。
僕らの歴史の一部だし、なによりファンと一緒に作りあげたモノだから。

 

●大変に盛り上がったステージでしたね! 多くのファンがあなたやマイケル(キスク/vo)の名前を呼んでいました。

○たくさんの人が、僕らをお目当てのバンドのひとつにしてくれていたんだろうね(笑)。もちろん気持ちが良かったよ!

●ふたりが同じバンドとしてステージでプレイすること自体、以前は考えられませんでしたから。そもそもユニソニックに加入することになったきっかけは?

○アヴァンタジア(エドガイのトビアス・サメットが主催するメタル・オペラ企画)のツアーで僕とマイケルは再び同じステージに立ったんだけど、まるで昔に戻ったような気分だった。とても素晴らしいことだったし、マイケルが再びこのロックンロール・サーカスを楽しんでいるのがわかった。みんなが心配するようなことは微塵も感じず、全員で楽しい時間を過ごすことができたのさ。多くのファンに向けて僕らの音楽をオープンにすることができたし、個人的なレベルでの絆も強まったと思う。話をたくさんするようになったし、何かをもっと一緒にやってみたくなったんだ。そこでプロジェクトを始めるという答えが出たんだよ。

●なるほど。

○ただし、お互いすでにいくつものプロジェクトを抱えていたから、実際には難しいとも思った。そこで次に、マイケルがガンマ・レイに加入するか、僕がユニソニックに加入するというアイディアが出たんだ。

●マイケルがガンマ・レイ……それもスゴイ話ですね(笑)。

○そうだろう(笑)。でもそれは、ふたつの理由から現実的ではなかった。ひとつは僕の声がトレードマークになっていたこと。そして楽曲自体がハードで、ヘヴィメタル然とし過ぎている。ならばということで、僕がユニソニックに入ったのさ。

●アヴァンタジアの11年品川公演では、ハロウィン・ナンバーのイントロがちょこっとだけプレイされましたが、本日はフルで3曲も演奏しました!

○暗黙の期待にこたえたという感じではないんだよ。ユニソニックのアルバムは完成していないし、オーディエンスも僕らの曲をハッキリと知っているわけではないからさ。じっくり聴いてもらうより、一緒にパーティをしたいと思っていたから。「アイ・ウォント・アウト」やガンマ・レイの曲は長らくプレイしてきたけど、マイケルが歌うとなったら特別だしね。今後はもっとハロウィンの曲も歌っていきたいと思っている。僕らの歴史の一部だし、なによりファンと一緒に作りあげてきたモノだからさ!

 

 

 

 

 

オープンなスタンスで、みんなとサウンドを組み上げていきたい。

 

●あなたがバンドに加入した時点で、アルバムを作るに足りる量の楽曲はあったんですか?

○ノーだ。4〜5曲のデモはあったけれど、まだラフなアイディアという段階だった。すべての曲を聴いて僕も作曲に参加して、現在は14曲のレコーディングを終えている。バラエティ豊かなナンバーをそろえることができたと思っているよ。最初にデモを聴かせてもらった時、クールな曲がある一方で、ソフト過ぎたりAORっぽいサウンドだったりもして、このまま録音するのは厳しいとも感じた。僕がこのバンドに参加することでサウンドもハッキリと定まってきて、いいスタートが切れそうなんだよ。

●現在の、バンド内における役割とは?

○自分の持つ力を最大限に発揮して、このバンドに貢献したいと思っている。すでにある曲に対してはいろいろなアイディアを提供することができたし、僕が曲を書くのを待ってくれているとも感じるよ。役割が何かなんて考えることはなく、オープンなスタンスでみんなとサウンドを組み上げていきたいんだ。それでどんなものが生まれるか見てみたい。

●曲作りのスタンスについて教えてください。ガンマ・レイやハロウィンのようなサウンドにならないようにと意識することは?

○そう考えること自体を避けたかったんだけど、そうはいかないってのが実際のところさ。昔やった曲に似たものは作れるかもしれないけど、意図的に歴史をくり返すのは好きじゃない。もし昔のような曲ができあがっても、頭の中で考えていたことは違うし、メッセージも別物さ。僕がリフを弾いてマイケルが歌えば、あの時のサウンドがよみがえることもあるだろう。まったく別物であっても、僕らであることは変わらないからさ。

 

 

 

 

ユニソニックでは、3曲目から違うサウンドに切り替えたほうがうまくいくんだ。

 

●ラウドパークに持ってきたギターについて教えてください。

○ギターは僕の代名詞である、ESPのランディ・ローズVタイプ。何本もある中から、ブリッジ側にEMG81、サスティナー付きモデルをネック側につけた1本を持ってきた。ソフトな曲や、U2のような浮遊感のあるサウンドをプレイするのに使うから、今日はあまり出番がなかったけどね。もう1本は82年製のギブソン・コリーナVで、これはアメリカ・ツアー中に買ったんだ。ピンクのVを持っていったんだけど壊れてしまって、修理中はこれがずっとメインだった。ブリッジ・ピックアップをSH-6(ダンカン・ディストーション)に交換している以外はオリジナルのままで、パッシブ・タイプとなるとこれが僕のお気に入りさ。

●エフェクター類は?

○LINE 6のPOD X3 liveで、ライブで使うには最高のサウンドだと思っている。シミュレーション機能はレベルが高くて、いいアンプの代役をしてくれるよ。フィードバックだって本物さながらなんだ。だから僕はギター・アンプのパワー・セクションに直接つないでいて、アンプ・ヘッドはマーシャルのJCM800か900を使うようにしているんだけど、今日用意されていたJCM800は初期のモノだったから、リターン端子がなくていつもどおりつなぐことができなかった。急遽JCM2000を使うことになったんだけど、これのパワー・アンプ・サウンドは荒々しくて、あまり好きじゃないんだ。

●十分いいサウンドでしたよ。

○もちろん基準は超えているんだけど、僕は可能な限りウォームでファットなサウンドが好きだから。ローディに頼んで、トレブル回路をカットしているアンプもあるくらいだから。

●ギターの持ち替えタイミングは?

○チューニングの時だね。ライブではいつも新しい弦でプレイしているから、1〜2曲演奏するとチューニングがずれてしまうことがある。それにユニソニックでは、3曲目から違うサウンドに切り替えたほうがうまくいくんだ。

●ステージ上でのモニタリングに、こだわりはありますか?

○自分のうしろから生の音を聴いていたいと思っていて、目の前のモニターやステージ・サイドからは、ほんの少し返すだけでいいかな。ステージ上を走り回っても自分の音が聴こえてさえいれば、そのほかはそれほどこだわったりはしないよ。キャビネットは2台用意していて、PODを直接アンプにつないで鳴らしているのと、TCエレクトロニクスのコーラスを経由してから鳴らしているのがある。後者はかなり弱い設定で、ほんの少し広がりをつけるためなんだ。

●ギタリスト同士のバランスはどうですか?

○どのプレイヤーもそうだと思うけど、自分のサウンドが大きくて、相手のは若干抑えめってのが理想だよね。やはり自分が最大でないとやりづらいから。リズム・セクションは誰にとっても大事だから、ドラムとベースはステージ・サイドから大きく返してもらっている。ボーカルも大事だから、耳が潰れない程度に大きく返しているな。目の前のフロア・モニターは、基本的に自分のギターとボーカルだけだよ。

●それはどのバンドでプレイする時もそうですか?

○ほとんど変わってないけど、ガンマ・レイだと自分が真ん中に立っているから状況は少し異なっていて、自分のギターをサイドから返すことはできない。それをやってしまったら、他のプレイヤーにとってラウド過ぎる状況になってしまうから。

 

 

 

 

雷のような速さでプレイするのが重要なのではなく、その場にいるみんなで楽しみを共有することがゴールだよ。

 

●演奏中は、どんなことを考えているんですか?

○基本的に楽しもうってことだけだね(笑)。無心になっているか楽しんでいるかのどっちかだけど、トラブルの発生やオーディエンスがやたらクレイジーになっている時は、自然とそういうことにも意識が向いてしまう。”デニス(ワード/b)が笑ってる!”なんてことに注目することもあるけどね(笑)。

●指板に意識を向けることは?

○基本的にはないかな。生まれてくるフィーリングに従っているんだ。でも自分でも難しいと思っているフレーズや、特定のキメをプレイする時は集中するし、弱点を克服するつもりで構えて挑んでいることもあるんだよ。必ずしもうまくプレイできるわけではないけど(苦笑)、それでイイ感じにいっているはずさ。

●アマチュア・ギタリストに、ステージ演奏におけるアドバイスを送るとしたら?

○難しい質問だね……そうだな、みんなで作り出す音に、自分を重ねるようにプレイすることが大切だ。普段音楽を聴いている間隔を忘れてしまうと、自分を見失ってしまうよ。あとは身を任せてプレイしていけばいいんだ。そうすれば音楽をコントロールしながらも、ギターを介して自身が音楽とつながれるはずさ。ギターと自分はひとつの存在だと感じることが重要だ。観ている人を楽しませることもお忘れなく。雷のような速さでプレイするのが重要なのではなく、その場にいるみんなで楽しみを共有することがゴールだよ。速弾き、正確なプレイ、奇妙なサウンドのスケールなんてのはもうやり尽くされていて、それを超えたところに挑むべきなんだ。いいプレイは、そのあとについてくればいい。楽しむことに夢中になっている時は、その分プレイが粗くなってもかなわないよ。だってロックンロールはそういうものさ! 自分の中でバランスをとればいい。

●では最後に、今後の活動を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

○1月にアルバムを出せて、そのあと何かが起こるといいんだけど……今のところまだ未定なんだ(笑)。だから僕らにチャンスを与えるつもりで、ぜひアルバムを手にとってほしいな。みんなには楽しんでもらいたいし、その楽しみを生で味わうために、次回のショーにも来てほしいな!

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