【インタビュー】マルテン・ハグストロム(メシュガー)

インタビュー by 編集部 2009年2月18日

ラウド・パーク出演アーティストのインタビュー第4弾は、メシュガーのマルテン・ハグストロム。

8弦ギター&5弦ベースに変拍子を多用したリズムが絡む、独創的なヘヴィ・ミュージックを聴かせるスウェーデン出身のメシュガー。これまで日本でライブを行なっていなかった彼らだが、ついにラウド・パーク08にて初の日本公演を敢行した。ローFの重低音ギターがくり出す不穏なプログレッシブ・メタルには、多くのファンが衝撃を受けたことだろう。

メイン・コンポーザーのひとりでリズム・ギターを担当するマルテンに話を聞き、メシュガーの本質を探ってみよう。

※注:以下は『ギター・マガジン 2009年1月号』に掲載したインタビューのアウトテイクです。

--今回がギター・マガジン初登場となりますので、まずはキャリアから聞かせて下さい。

ギターを始めたのは、けっこう早い時期だったと思う。俺もフレドリック(トーデンダル/g)も12~13歳の頃に始めてたし、メシュガーを組んだのも早い段階からだったな。ギターを手にとって曲を書こうとしていたんだけど、別にギター・ヒーローになろうとか考えていたわけではないんだ。俺が夢中になったのは作曲についてだったし、それはフレドリックも同じ気持ちだったはずさ。自然とそうなったんだ。

バンドの歴史は長くなっているけど、ギターは作曲の道具という意識が強いから、ギタリストとしての自分のイメージは二の次というところだね。

--小さい頃からの知り合いなんですね。

俺とトーマス(ハーケ/d)はフレドリックとは別の街に住んでいたんだけど、91~92年頃には知り合っていて、以来ずっと一緒にこうやって進化を続けている。とにかく長い時間が経過したけど、今回の日本公演が初めてのことと同じように、いまだ新しい経験を積み重ねているよ。

プレイならば、いつだって自分の中にあるものを演奏してきているはずさ。何も考えず湧き出たものをプレイしているし、それはガキの頃から変わっちゃいない。

--現在は8弦ギターを使うなど、かなり特徴的なスタイルだと言えます。影響を受けたプレイヤーやバンドは?

本当にたくさんの音楽から影響を受けていて……俺個人で言うと、15歳の頃はラッシュに夢中だった。アレックス・ライフソン(ラッシュのギタリスト)には作曲について、深く考えさせられたもんだ。小手先のテクニックよりも、そのアイディアにいたる経緯を大切にするべきだってね。それからメタリカにも衝撃を受けたかな。

--基本的にはリズム・プレイに徹していますよね。

ギタリストはみんな何かをプレイしていて、目的に応じて違う役割を果たしていればそれでいいんじゃないかと思うよ。もしも自分が思っているものと違ったとしても、曲を的確に作ることができるならそれでいいんだ。俺は”ミュージシャン”というよりも”コンポーザー”だからさ。

--リズム面もかなり独特です。変拍子を多用した展開は、当初から計算しつつ組み立てていくんですか?

すべては自然にできあがっていく。腰を据えてじっくりプレイしたことなんて一度もないし、”こんな曲を書いてみよう”なんて作曲を始めたこともないぜ。すべてはハートから生まれてくるんだ。頭の中から聴こえてくるものや、たまたま聴こえてきたものをプレイした時に、”おい、スゲェぞ、なんてクールなんだ!”って瞬間が自然とやってくる。インスピレーションにかかっていて、計算することなんて不可能だ。

--曲作りにおいて、フレドリックとはどのような話し合いが行なわれるんですか?

場合によって大きく異なるよ。俺たちは作曲時やレコーディングで本当に多くのことを話すんだ。”ここではどんなことをしてみようか?”という音楽的なことだけど、”ここではこの音を入れるべきでは?”とか”このリックは……”など、特定のテクニックについて話すことはほとんどない。その曲をどういった雰囲気や感情に仕上げていくかを話すんだ。

俺たちが思い描く作品にするため、今いる場所からどうやって高い場所に行くかを一緒に考えている。時には意見を交換しあったりもしているけど、多くの場合はどちらかがスタジオでプレイしているのを聴き”今のイイな!”ってことが起こるだけだよ。

トーマスと俺が作曲している時も同じようなもんで、男ふたりが顔をつき合わせ、自然なやりとりをしているだけさ。俺たちの強みはバンド内での議論を活発に行なえることにある。

--最新作である『オブゼン』には、方向性やテーマはありましたか?

音楽的なテーマは立てていない。ただ、その前に『キャッチ33』というやたら長い1曲を収めた作品をリリースしたこともあって、基本的な構成の、いわゆる”アルバムに入っている曲”というものを作りたいとは考えていた。メシュガーのサウンドを持ちながら、昔やっていたアグレッシブなスラッシュ的アプローチをほんの少しねじってみたいと思ったんだな。まぁそれ以外に関して意図したことはほとんどなかったよ。

--使っているギターは8弦ですが、ベースは5弦ですよね。ベースも弦を2本増やして6弦にするということにはならないのですか?

5弦をプレイしているが、それはギターのオクターブ下をカバーしてもらいたいからだ。俺らが8弦を弾いていても、ギターと同じレンジでプレイする時は4弦を弾いているよ。

確かに6弦にすることもできただろうけど、ベースがそれだけ下がってしまうと、周波数的に望ましくないことが起きてしまう。低音があまりにも暴れてしまうことになるんだ。だからピッチは上がったままにしておいて、ベースがギターに近づいてくるようにしたほうがいい。普通よりも低い音のギターに、周波数の上がり気味なベースが混ざった時のサウンドが好きなのさ。

中には”ギターをそこまで下げるんだったら、ベースをプレイすればいいじゃないか”と言うヤツもいる。そういう人々は、俺たちのスタジオに来てベースをミュートさせたトラックを聴いてみるといい。ベースと同じ太さでプレイしているフレーズでも、トーンには大きな違いがあるのだから。

--普段6弦のギターをプレイすることはありますか?

ウクレレやバンジョーを弾いているような気になるよ(笑)。俺は12本くらいギターを持っているけど、6弦のモデルを手にするといつも変な感じがするな。もちろん最初は6弦から始めたから、切り替えることも大した問題じゃないけどね。8弦のギターを使っている時も、8本すべて使っていることもあれば、曲によって6本しか使わない時もあるんだ。持ち替えなくても、各時代の曲がプレイできる。8弦ギターの素晴らしいところはそこなんだよ。

--初期のスラッシーな感じから現在のスタイルまで、どんな影響や要因があって変化が生じたと思いますか?

10代の頃はベイエリア・スラッシュのリフやプレイに深い影響を受けたし、それは今でも変わらない。またラッシュが好きだったし、みんなもプログレッシブ・ロックを聴いて育ってもいる。ほかのバンドもそうだと思うけど、変化の理由はメンバーが実験的なことを貪欲にトライしたがる人間だったからじゃないかな。

ただし、大切なことは、実験をしたいからというだけでやってはダメなんだ。必ずハートから生まれてくるものでなくてはイケない。バランスも大事で、新しくておもしろいものを作りつつも、音楽を届けるという感覚を失ってはならない。誰だって奇妙なものだけなら簡単に作れてしまう。けれどもそれだけじゃ不十分だよね。俺たちにとってプログレもメタルもともに聴いて育ってきた音楽だし、それをふまえてハートに届く音楽を作り続けていきたいんだよ。

■インタビュー:ギター・マガジン編集部
■通訳:Tomohiro Moriya
■写真:Hiroyuki Yoshihama

[メシュガー 公式サイト] (英語)

[AVALON online - メシュガー紹介ページ]

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