【インタビュー】杉本恭一

インタビュー by 編集部 2009年6月25日

レピッシュのギタリスト、杉本恭一が約2年半ぶりにソロ5作目となるアルバム『Electric Graffiti』をリリース。その新作についてのメール・インタビューをお届けしよう!

新作はスカ/ファンクで攻める第一部、ニューウェーブの影響を色濃く見せる第二部、そしてアコースティック・ギターでの弾き語りスタイルで聴かせる第三部に分かれており、いずれにも彼でしか出せない独自の歌とギター・サウンドが響きわたる会心作。

代名詞であるテレキャスターを使ってのバリエーション豊かなプレイはギタリスト必聴である。

 

バンドという中でのテレキャスターというサウンド、”1音”の説得力などを感じてもらいたいですね。

--新作『Electric Graffiti』でのサウンド的なコンセプトがありましたら、教えて下さい。

すごく基本的で当たり前なことなのですが、ひとつひとつの楽器を良い音(そのミュージシャンの音で、そのエンジニアの音で)で録り、その音を変に加工していくのではなく馴染ませてバランスを作るというサウンド・コンセプトです。信頼していて音をよく知り合っているエンジニア、ミュージシャンとの作業だったのでその基本に徹することができたし、実際とてもうまくいったと思っています。

--前半のパンキッシュなスタイルと、中盤のサイケな感じ、そして後半の弾き語りを含めた部分と分かれているように感じます。

そうですね、あまりほかにない感じなのかもしれませんが3部構成になっています。

--曲作りのおもなスタイルを教えて下さい。収録曲で特におもしろいパターンがあれば、それも聞かせてください。

メロディ、ギター・リフ、リズムなどのモチーフを溜め込んでいるので、その中からアルバムの内容によって”合ってるもの、欲しているもの”を引っぱり出して曲にしていくというパターンが一番多いです。9曲目の「成長」は作ったその日(おそらく詞、曲を作ったのに1時間くらい?)に簡単な譜面を書いてカホンと”せ~の”で3回くらいのテイクで録りました。練り込んで作るのも良いのですが、こういう突発的な曲作りもやはりおもしろいなと。

--レコーディングで使用したおもな機材を教えてください。

ギターはライブでもメインに使っているフェンダー・カスタムショップのテレキャスターと、おそらく65年製だと思われるフェンダーのテレキャスターの2本をおもに使用しました。曲によってはギブソンのレス・ポール・スペシャルも使っています。アンプはハイワット、フェンダー・ツイン・リバーブ、ヴォックスAC30、マーシャル・ブルースブレイカーを曲と気分によって。だいたい直でアンプとギターだけで音を作るのですが、曲によってはペダルにRATやOperation3を使いました。自宅でのダビングなどではEleven、AmpliTube、ローランドVG-8なども使いました。

--恭一さんと言えばテレキャスターですけど、ご自身のテレキャスターには何か特別な改造などがなされているのですか?

改造などはまったくしないです。定期的なメンテに出す時にアイディアをもらってパーツを換えることがたま~にあるくらいです。

--全然ハイは耳に痛くないし、ロー・ミッドが心地よいのですが、ギター・サウンドメイクでのこだわりを教えていただけますか?

まずはアンプもギターもフラットな状態、セッティングで鳴らしてみます。それでイメージに近いアンプとギターを選択して、セッティングを変えたりペダルを選択したりします。一番の要因はメインで使っているテレキャスターがロー・ミッドにとても個性があるやつだからだと思います。あとは右手の使い方、鳴らし方でけっこう音が変わるのでそこを注意したくらいです。

--1曲目の「Marking Point」はいかにもオープニングってナンバーですし、ギターをメインにしたスカ・ロックはこうやるんだぜ!って感じで最高です。

ありがとうございます。この1曲で今回のアルバムの全容を見せるという発想で作りました。

--最近は4つ打ち、裏打ちを取り入れた若手バンドも多いですが、その際のギターで最も大事なスキルって何でしょうか?

ドラムやベースに溶け込んだり、はみ出したりのさじ加減。あとはいかに休符で遊ぶか、という感じです。

--「Welcome to Wonderland」はレピッシュ初期ばりの”若い”スカ・ソングですよね。こういったサウンドの中で、左チャンネルから聴こえるギターの暴れ具合、その大人っぷりを楽しみに聴いてました(笑)。

ありがとうございます、まさに前の質問の答えのようなプレイかと思います。

--「終わる事無いイメージ」では、ワウが活躍してますね。これはどのメーカーのモデルですか? また、ワウを使う際の(音作り、フレーズ両面で)自分なりのクセとかありますか?

これはデジテックのEX-7を使いました。ヴォックスのワウも持っているのですが、本物よりこの曲に関してはEX-7のほうがおもしろい感じが出せたのでそうしました。実はワウはあまり使うことがなく、これだけフィーチャーしたプレイをやるのは初めてだったので語れるほどのことは何もないのですが、カッティングでリズムを守るのと対極にリードでどんだけラフに踏めるか?みたいな部分で遊んでみました。

--レピッシュのナンバー「Blackbird」のセルフ・カバーが収められてますが、新たな解釈をどのような形で与えようとしたのですか?

ソロのライブでやっているうちに定番になっていった曲だったんで、ライブと同じエネルギーを出そうとしました。あとはオリジナルの持っているサイケな部分をダビングのギター(リバースやアナログ・ディレイやフェイザーなど)で出すと。

--この曲のイントロはアームが使われているようですね。ということはストラト?

これはフェルナンデスに作っていただいた恭一モデルにアームを付けたやつです。なのでこれもテレキャスターです。

--「成長」、「32日」などで使用したアコギは?

「成長」は友人から借りっ放しになっているタカミネ。「32日」はオベーションの12弦です。

--アコースティック・ライブなどもやってらっしゃるようですが、エレキとは違うアコギの魅力は?

音の繊細な強弱はアコギのほうが楽しめます、クレッシェンド、デクレシェンドがハマるし重要ですね。あと、歌との距離感がバンド・サウンドの時より近いしリアルになるところが魅力です。

--「空と踊る男」でのギター・ソロはアコギですか? 何か不思議な質感を持ったサウンドですが、エフェクトなどをかけているのですか?

2番後の間奏のリードはアコギです。これも借り物のタカミネで弾きました。エフェクトはミックス時のエコーまわりだけです。

--この曲は盟友・上田現さん(注:レピッシュのキーボーディスト、08年逝去)を表わした曲だそうですね。同じバンドで名曲を作り上げてきたキーボーディストとギタリストとして、彼が最も”ギタリスト・恭一さん”に影響を与えた部分とは?

楽典的な理論も含めて音楽の常識の壊し方と守り方。ギターという楽器の自由さとカッコよさ。ヘンテコ?なリズム感覚。

--7月の東名阪ツアーでの見どころと、意気込みをお願いします。

すでにアルバムの曲たちがライブの中でパワーアップしまくっているんで、この3本もかなりエネルギッシュなライブになると思います。ギター的にはロック・バンドという中でのテレキャスターというサウンド、”1音”の説得力などを感じてもらいたいですね。ぜひアルバム聴いて遊びに来てください。

 

『Electric Graffiti』
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[Kyoichi-WEB 杉本恭一オフィシャルサイト]

【ライブ情報】
7月11日(土):名古屋ell. SIZE
7月12日(日):大阪シャングリラ
7月18日(土):原宿アストロホール

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