ツー・ファイヴとは?/初心者集まれ!指板図くんのギター・コード講座 第32回

指板図くんのギター・コード講座 by 編集部 2011年3月8日

今日のテーマは「ツー・ファイヴ」です。

コード進行についての解説が載っている教則本には、必ずといって良いほど「ツー・ファイヴ」という言葉が出てきます。このツー・ファイヴを覚えることで、コード進行のバリエーションがかなり増やせます。

本講座ではこれをなるべく簡単に説明してみますので、どうか最後までおつきあいください。

ツー・ファイヴ(II-V)とは?

ツー・ファイヴとは、簡単に言えばダイアトニック・コードの2番目のコードから5番目のコードに進むコード進行のことです。

キーがCメジャーの場合、四和音のダイアトニック・コードは次の表のとおりです。上の段のローマ数字が、何番目のコードであるかを示しています。

I△7 IIm7 IIIm7 IV△7 V7 VIm7 VIIm7(♭5)
Key=Cメジャー C△7 Dm7 Em7 F△7 G7 Am7 Bm7(♭5)

2番目のコードはDm7で、5番目のコードはG7ですので、ツー・ファイヴ(II-V)はDm7-G7となります。

次にCメジャーの平行調であるAマイナーのダイアトニック・コードも見てみましょう。

Im7 IIm7(♭5) ♭III△7 IVm7 V7 ♭VI△7 ♭VII7
Key=Aマイナー Am7 Bm7(♭5) C△7 Dm7 E7 F△7 G7

※ここで示したマイナーのダイアトニック・コードは、前回紹介した「お手軽版」です。

2番目のコードはBm7(♭5)で、5番目のコードはE7なので、ツー・ファイヴはBm7(♭5)-E7となります。

キーがメジャーだとツーはIIm7であり、キーがマイナーだとIIm7(♭5)になることも覚えてください。

※コードをローマ数字を使って表す方法について、この講座ではまだちゃんと説明していませんでした。今日の最後に説明します。

ツー・ファイヴを表す記号

ツー・ファイヴは、数あるコードの組み合わせの中でも特に重要というか、応用が利くというか、はたまた音楽理論を説明する側からすれば何かと強調したくなるもの(?)であることから、これを表す特別な記号があります。それは次の図の中にある”└───┘“です。

なお、湾曲した矢印がドミナント・モーションを表すことは、「第29回:ドミナント・モーションとは?」で説明しました。

ツー・ファイヴ・ワン(II-V-I)進行を弾けるようになろう

さて、ツー・ファイヴについて深いところが知りたい方は、音楽理論書をひもといてみてください。以下ではツー・ファイヴの実用的な使い方に焦点を絞って説明します。

まず、ツー・ファイヴ(II-V)の次にはトニックであるワン(I)が来ることが多いです。このII-V-I進行をギターですぐ弾けるように、ポジションを覚えてしまいましょう。Dm7-G7-C△7の複数のポジションを音の鳴る指板図で示しますので、自分で押さえられるものや、響きが気に入ったものから覚えていってください。

※音の鳴る指板図はFlashで作られているため、お使いの環境によっては表示されません。ご了承ください。

Aマイナー・キーのII-V-IであるBm7(♭5)-E7-Am7のポジションも挙げておきます。

テンション・ノート入りのツー・ファイヴ・ワン

次にDm7-G7-C△7にテンション・ノートを付加した例も挙げておきます。筆者は主にツー・ファイヴ・ワン進行を通じて、テンション・コードを少しずつ覚えていきました。

※ここで挙げた例は、トップ・ノート(コードのボイシングの中で一番高い音)が動かなかったり、半音移動するものです。この点にも少し注目してみてください。

セカンダリー・ドミナントをツー・ファイヴに分解する

Cメジャー・キーのダイアトニック・コードの中にセカンダリー・ドミナントを挿入する方法については、「第30回:セカンダリー・ドミナントとは?」で説明しました。そのセカンダリー・ドミナントをツー・ファイヴに分解することで、コード進行のバリエーションはさらに増やせます。

セカンダリー・ドミナントをツー・ファイヴに分解する、とは一体どういうことなのか、説明しましょう。まず出発点として、次の5つのコード進行があるとします。キーはいずれもCメジャーです。

C△7 – Dm7
C△7 – Em7
C△7 – F△7
C△7 – G7
C△7 – Am7

それぞれのコード進行の2つ目にセカンダリー・ドミナントを入れると、次のようになります。これは「第30回:セカンダリー・ドミナントとは?」で紹介したものと同じです。「異物入り」のコード進行という言い方をしました。

C△7 – A7 – Dm7
C△7 – B7 – Em7
C△7 – C7 – F△7
C△7 – D7 – G7
C△7 – E7 – Am7

さらにセカンダリー・ドミナントの部分をツー・ファイヴに分解したものが、次のコード進行です。

C△7 – Em7(♭5) – A7 – Dm7
C△7 – F♯m7(♭5) – B7 – Em7
C△7 – Gm7 – C7 – F△7
C△7 – Am7 – D7 – G7
C△7 – Bm7(♭5) – E7 – Am7

どう分解したのかというと・・・

  • A7を、Em7(♭5) とA7の2つに分解した。
  • B7を、F♯m7(♭5)とB7の2つに分解した。
  • C7を、Gm7とC7の2つに分解した。
  • D7を、Am7とD7の2つに分解した。
  • E7を、Bm7(♭5) とE7の2つに分解した。

・・・わけです。

※音楽理論用語には「分解」とか「解決」とか「継承」とか、ちょっと独特な言い回しのものもあります。最初は違和感を感じるかもしれませんが、あまり気にせず「そういうものなのだ」と思ってください。

また上の5つの例は、1つのコードをただやみくもに分解したのではなく、共通点があります。それは、最後のコードを仮のトニック(I)と捉えた場合、2つ目のコードと3つ目のコードがツー・ファイヴ(II-V)を形成している、という点です。

意味不明かもしれませんので補足します。先のそれぞれのコード進行の、後ろの3つのコードだけに注目し、この部分をローマ数字に置き換えます。ただし一番最後のコードを仮のIとみなして、その他のコードが何にあたるかを調べます。答えは次のとおりです。

Em7(♭5) – A7 – Dm7 IIm7(♭5) – V7 – Im7
F♯m7(♭5) – B7 – Em7 IIm7(♭5) – V7 – Im7
Gm7 – C7 – F△7 IIm7 – V7 – I△7
Am7 – D7 – G7 IIm7 – V7 – I7
Bm7(♭5) – E7 – Am7 IIm7(♭5) – V7 – Im7

どのコード進行も、ツー・ファイヴ・ワンになっていることがおわかりいただけたかと思います。

もしこのあたりの理屈っぽいところがよく理解できなくても、使えるコード進行例として覚えておくと、曲作りや曲のコピーに役立つはずです。ということで、音の鳴る指板図でこれらのコード進行を弾いてみてください。

補足:コードのルートをローマ数字で表す方法について

コードのルートをローマ数字で表記する方法について説明します。

メジャー・スケールを構成するそれぞれの音は、頭から順にローマ数字の「I、II、III、IV、V、VI、VII」で表されます。Cメジャー・スケールでいえば、次の譜面のとおりです。

※クラシック畑の人は、単音を表すローマ数字はi、ii、iii〜と小文字で書くかもしれません。

ナチュラル・マイナー・スケールは、メジャースケールに対してIII、VI、VIIの音が半音低いので「I、II、♭III、IV、V、♭VI、♭VII」と表されます。

コードにおいては、ルートを表すローマ数字にコードのタイプを表す数字または記号(△7とかm7とか)が付きます。

このようにコードをローマ数字で表すことのメリットはどこにあるかというと、どんなキーでも同じ書き方で済んでしまう、ということでしょう。例えばキーがCメジャーのときのDm7-G7と、キーがFメジャーのときのGm7-C7、キーがAメジャーのときのBm7-E7は、いずれもローマ数字で書けば「IIm7-V7」で済んでしまいます。

参考までに各キーのダイアトニック・コードのコード名とローマ数字の対応表を示します。

●メジャー・キーのダイアトニック・コード

I△7 IIm7 IIIm7 IV△7 V7 VIm7 VIIm7(♭5)
Key=Cメジャー C△7 Dm7 Em7 F△7 G7 Am7 Bm7(♭5)
Key=Dメジャー D△7 Em7 F♯m7 G△7 A7 Bm7 C♯m7(♭5)
Key=Eメジャー E△7 F♯m7 G♯m7 A△7 B7 C♯m7 D♯m7(♭5)
Key=Fメジャー F△7 Gm7 Am7 B♭△7 C7 Dm7 Em7(♭5)
Key=Gメジャー G△7 Am7 Bm7 C△7 D7 Em7 F♯m7(♭5)
Key=Aメジャー A△7 Bm7 C♯m7 D△7 E7 F♯m7 G♯m7(♭5)
Key=Bメジャー B△7 C♯m7 D♯m7 E△7 F♯7 G♯m7 A♯m7(♭5)

●マイナー・キーのダイアトニック・コード

Im7 IIm7(♭5) ♭III△7 IVm7 V7 ♭VI△7 ♭VII7
Key=Cマイナー Cm7 Dm7(♭5) E♭△7 Fm7 G7 A♭△7 B♭7
Key=Dマイナー Dm7 Em7(♭5) F△7 Gm7 A7 B♭△7 C7
Key=Eマイナー Em7 F♯m7(♭5) G△7 Am7 B7 C△7 D7
Key=Fマイナー Fm7 Gm7(♭5) A♭△7 B♭m7 C7 D♭△7 E♭7
Key=Gマイナー Gm7 Am7(♭5) B♭△7 Cm7 D7 E♭△7 F7
Key=Aマイナー Am7 Bm7(♭5) C△7 Dm7 E7 F△7 G7
Key=Bマイナー Bm7 C♯m7(♭5) D△7 Em7 F♯7 G△7 A7

※これらの表では、♭や♯の付くキーは省略しています。

今日はここまで。次回はいよいよ最終回です。

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初心者だって大丈夫! コードが自分で作れちゃう! 指板図くんのギター・コード講座

著者 指板図くん
定価 1,620 円(本体1,500円+税)
仕様 B5変型判/144ページ
発売日
ISBN 9784845628322
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