Fコードの押さえ方と攻略法/初心者集まれ!指板図くんのギター・コード講座 第19回

指板図くんのギター・コード講座 by 編集部 2010年9月14日

今回は、Fコードを押さえるときのコツを、できる限り詳しく説明します。

はじめに

まずFコードの押さえ方はこれです。いつもどおり、指板図と写真は上下左右が逆になっていますのでご注意ください。

Fは人差指のセーハを必要とするため、初心者にとっては押さえるのが難しく、これに挫折してギターをやめてしまう人が昔も今も残念ながら多いようです。しかし練習をすれば、誰もが必ず押さえられるようになりますので、がんばってください。

今日説明する内容は次のとおりです。

1:自分にも絶対できると信じる
2:親指をネックの「背」に置く
3:人差指では6・2・1弦の3本だけを押さえればよいことを意識する
4:人差指の「腹」ではなく「側面」で弦を押さえる
5:人差指は1フレットの近くに置く
6:中指・薬指・小指がとなりの弦に触れていないか確認する
7:6弦から順に押さえながら音を確認する
8:必要最小限の力で押さえる(脱力する)
9:ギターの弦の太さを調べる
10:ギターの弦高を調べる
付録:それでも挫折中の人へ~省略形のFで曲を楽しむ

1:自分にも絶対できると信じる

Fで挫折しないためにまず最初に大事なのは、「自分にも絶対できる」と楽観的に信じることだと思います。

初心者の中には、Fコードを押さえられない理由を「自分は手が小さいから」、「指の力がないから」、「ギターのセンスがないから」といったところに求める人もいるようですが、それはきっと間違いです。Fは、手の大きさや指の力やセンスにかかわらず、押さえられるようになります。

また、Fを最初から楽に押さえられる人はまずいませんので、「自分だけができないのではないか」と悩む必要もありません。誰もが練習の結果、Fを押さえられるようになったのです。

なお、Fが押さえられるようになった人の背景には、「この曲がどうしても弾きたい」とか「バンドをやりたい」とか「ギターが弾けるようになって同じクラスの○○ちゃんに一目置かれたい」などの強い動機があったとみて間違いありません。要するに動機と楽観性と少しの根気があれば、Fはたいした「壁」ではないわけです。

以上は精神論ではありますが、こうしたイメージを持つことが、Fを攻略するためにたぶん役立つと思うので、最初に書きました。

2:親指をネックの「背」に置く

具体的な説明に入ります。

まずFを押さえて(あるいは押さえようとしてみて)ください。そしてそのときの左手の親指の位置が、次の写真のどちらに近いかを確認してください。

○印の付いた左側の写真は、親指をネックの「背」にあたる部分に置いたものです。この方法で押さえている人は、それでOKです。

×印の付いた右側の写真は、ネックを握り込んだ結果、親指を6弦側に突き出す形になったものです。この方法ではFをしっかり押さえることが困難なので、このやり方をしている人は、ぜひ親指をネックの「背」に置く方法に変えて練習してみてください。

なお、ネックを握り込んでしまう理由のひとつは、前後のコードにもあります。例えば次は、C-Am-F-G7というよくあるコード進行です。

写真を見るとわかるとおり、CとAmとG7の3つは、ネックを握り込む形でも押さえられるんですね。特にCとAmは6弦を親指でミュートする必要もありますので、必然的に左手はネックを握り込む形になります。しかし親指の位置を変えないままFに行こうとすると、そこで無理が生じます。

よってAmからFに移る瞬間には、親指の位置をネックの「背」に移動させるようにしてみてください。練習を重ねるうちに、意識しないでも親指が動くようになってくるはずです。

※クラシック・ギター専門でやっている人は、これらすべてのコードを、親指をネックの背に置く形で押さえる人も多いかと思います。

3:人差指では6・2・1弦の3本だけを押さえればよいことを意識する

セーハというと、「1本の指で全部の弦を押さえる」というイメージを持っている方も多いと思いますが、ことFに関しては、人差指でしっかり押さえればよいのは、6弦と2弦と1弦の3本だけです。なぜならば、5弦、4弦、3弦は別の指で押さえるからです。

次の図をごらんください。

○印の付いた左側の指板図は、「人差指で6・2・1弦の3本を押さえてさえいれば、5・4・3弦はわりとどーでもいい」というイメージです。薄い三角形は、そこはしっかり押さえなくてもかまわない、という意味で付けました。また、その下のネックの断面図は、人差指を内側に少し曲げてしまってもいい、ということを示しています。

×印のついた右側の指板図は、「人差指で6本の弦を全部しっかり押さえなければいけないのだ!」という「誤った」イメージです。ネックの断面図は、そのためには人差指をまっすぐにしないといけない、ということを示しています。この意識で練習していると、Fを押さえるために必要以上の力が入りがちで、肝心なところに力が入らなくなります。よって人差指のセーハは、○印のイメージで行ってみてください。

4:人差指の「腹」ではなく「側面」で弦を押さえる

次の写真は、Fを押さえている指を上側から撮影したものです。

人差指を斜めに傾けている点にお気づきいただけると思います。つまり人差指の「腹」ではなく(親指側の)「側面」で弦を押さえているわけです。また、人差指を少し内側に湾曲させていることも、この写真からおわかりいただけるでしょう。

次の写真は、Fを20秒ほど押さえたあとの人差指を撮影したものです。弦の痕(赤い筋)が指の側面についています。特に6弦、2弦、1弦を押さえていた部分に強く痕が残っています。

初心者の場合、人差指のセーハを、指の「腹」でやろうとする人も多いと思うのですが、実際には「側面」を使った方が力を入れやすいはずです。また指を湾曲させることにより、人差指の先端で6弦を、根元で2弦と1弦をがっちり押さえられるようになります。

5:人差指は1フレットの近くに置く

ギターのコードを押さえるときは、なるべくフレットに近い位置で弦を押さえるのが鉄則です。なぜならば、フレットから遠い位置で押さえると、弦がビリついてしまうことが多いからです。

次の写真はどちらもFを押さえたものですが、左は人差指が1フレットに近く、右はナットに近い位置になっています。

当然ながら、○印の付いた左側が正解です。×印のついた右側のやり方では、他の指のコントロールも困難になります。

Fの指の形を作るのに必死になっていて、気がつくとナットに近いところで押さえている、なんてこともあるので、こうした点も最初は注意するようにしてください。

人差指のセーハに関するノウハウは、以上です。

6:中指・薬指・小指がとなりの弦に触れていないか確認する

人差指のセーハがちゃんとできていても、他の指がだめだと、Fはきれいに鳴らせません。

たとえば次の写真の右側は、4弦を押さえている小指が寝てしまい、となりの3弦をミュートしてしまった例です。

中指・薬指・小指は、最初のうちは意識しながら立てるようにしましょう。

7:6弦から順に押さえながら音を確認する

以上を試してもまだFがきれいに鳴らない人は、6弦から1本ずつ指を足していって、各段階で音が確実になっているかどうか、ミュートされてしまう弦がないかどうか、を確認してみてください。手順は次の図のとおりです。

もしどこかで音が詰まるようなことがあったら、押さえている弦が全部きれいに鳴るように、指の力や角度を変えてみてください。

8:必要最小限の力で押さえる(脱力する)

一般論ですが、どんな楽器でも、あるいはスポーツでも、うまい人は必要最小限の力しか使っていません。

そこでFがとりあえず鳴るようになったら、今度はどこかに無駄な力を入れていないかを自分で考え、全体としてなるべく少ない力でFを押さえるようにしてみてください。

どこに無駄な力が入ってしまうかについては、個人差がありますので、ここで具体的に指摘することはできませんが、とりあえずはしっかり鳴っている弦を押さえている指の力を少し緩めても、なおちゃんと鳴っていれば、そこは少し力を抜いて良い、ということです。とにかくいろいろ試してみてください。

9:ギターの弦の太さを調べる

最初のうちは誰でも、Fを押さえると指が痛くなると思います。しかし、その痛みのつらさがちょっと尋常ではないと感じたら、自分のギターに張られた弦の太さを調べてみてください。ひょっとしてそのギターには、初心者には無理なほど太い(固い)弦が張られているかもしれません。特に、友人や兄弟のギターを借りて練習している人は、持ち主に弦の太さを確認してみましょう。

また、自分のギターがアコースティック・ギターならば、誰かからエレクトリック・ギターを借りてFを押さえる練習をしてみてください。エレクトリック・ギターはたいていの場合、アコースティック・ギターよりも細い(柔らかい)弦が張られていますので、難なくFが鳴らせるようになる可能性が高いです。

そして自分が使っている弦が太すぎることがわかった場合は、それよりも細い弦を買ってきて弦交換を行いましょう。

※アコースティック・ギターにエレクトリック・ギター用の細い弦を張って練習するのも最初のうちは有効かもしれません。ただしアコースティック・ギターは、ある程度太い弦を張ってこそ、本来の(メーカーや製作者が意図した)良いサウンドが鳴らせる、ということも一応知っておいてください。

10:ギターの弦高を調べる

ついでに自分のギターの弦高が、他の人のギターよりも高すぎないかも調べてみましょう。

弦高とはフレットから弦までの距離のことで、この距離が長すぎると、弦を押さえるのに多くの力が必要になってしまいます。

なお、普通に売っているギターで、Fが押さえられないほどひどい作りのギターはないと思いますが、筆者は、友人がゴミ捨て場から拾ってきたギターを弾かせてもらったことがあり、それはもうナットが高すぎる上にネックが反っていて、とても弾けるものではありませんでした。

本当にいつまでたってもFが押さえられない場合、その原因はひょっとするとギターの方にあるかもしれませんので、一度自分のギターを詳しい人に見てもらいましょう。そして弦高調整をしたり、お店で多少のリペアを施してもらうだけで、自分のギターがすごく弾きやすくなることもあります。

付録:それでも挫折中の人へ~省略形のFで曲を楽しむ

Fが押さえられない人の主な悩みはたぶん、Fそれ自体が鳴らせないことではなく、好きな曲を弾けるようになりたいのにFが出てくるから曲全体を弾き通せない、というところにあるのではないかと思います。

その場合は、とりあえず好きな曲を弾き通すために、次の図のようなFの省略形を使ってみてください。

また、Fには、6弦1フレットを親指で押さえる方法もあります。これは初心者向きではないかもしれませんが、これでもOKなのだ、という意味で示しておきます。

以上のノウハウを全部実行しつつ練習したのにいつまでたってもFが押さえられない、という人は、身のまわりでギターを弾き続けている友達や家族に頼ってみてください。自分がFを押さえているところを相手に見てもらい、「この指でここを押さえよう」「この指はここで曲げよう」などと、細かい点を手取り足取りで指導してもらうと、どこがまずかったのかがすぐにわかるはずです。

…そのときついでにその相手に、Fが押さえられなかった頃のことを聞いてみるのも面白いでしょう。その人はたぶん、鉄棒で逆上がりができず、浮き輪なしでは泳げず、補助輪なしでは自転車に乗れなかった子供時代を回想するように、Fが押さえられなかった頃の自分について語ってくれると思います。あるいは、そんな昔の「ささいなこと」は、まるっきり覚えていないかもしれません。

そんなわけで、Fはギターを始めた人の誰もが最初にぶつかる「壁」ではあるのですが、それは本当に薄っぺらい壁です。逆上がりや水泳ができる方ならば、誰もが克服できます。また鉄棒や水泳や自転車と同じく、一度身につけてしまえば、それはもう一生ものになります。

次回は、いろいろなコードにおいて、不要な弦をミュートする方法を詳しく説明する予定です。

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