ルートとは?度とは?/初心者集まれ!指板図くんのギター・コード講座 第5回

指板図くんのギター・コード講座 by 編集部 2010年6月8日

今回は、コードというものを理解するために必須の知識といえる「ルート」と「度」について解説します。すでに慣れ親しんだC、C6、C7、C△7といったコードを題材にしながら、これらの概念を理解していきましょう。

ルートとは?

ルート(Root)は、日本語では根音と呼ばれます。どんなコードも、ルートの上に別の音が積み重なったものと見なされます。

たとえばCコードのルートはドです。それにミとソが積み重ねられています。

C6、C7、C△7のルートも、同じくドです。それにミとソが重ねられ、さらにそれぞれラ、シのフラット、シが積み重ねられています。

これら以外にも、たとえばCm、C7(9)、Cadd9、Csus4など、「コード名の先頭にCが付き、その直後に♭や♯が付かないコード」は、すべてドの音をルートとしたコードです。

前回見たように、ドの英語読みは「C」でしたね。だからドをルートとしたコードはすべて「Cなんとか」という名前になります。同じように、たとえばラ(A)をルートとしたコードはすべて「Aなんとか」、ミ(E)をルートとしたコードはすべて「Eなんとか」という名前になります。

また、たとえばシのフラット(B♭)をルートとしたコードの名前は「B♭なんとか」になりますし、ファのシャープ(F♯)をルートとしたコードの名前は「F♯なんとか」になります。

つまり、コード名の最初に付いた大文字のアルファベットまたはそれに♭や♯が付いたものが、ルートが何であるかを表しているわけです。

そしてコードの指板図においては、ルートは二重丸(◎)で示されることが多いです。

度とは?

(degree)とは、2つの音の高さの隔たりを表す単位です。まず次の譜面にある4つの例を見てください。

左端のドとドはまったく同じ高さの音で、これは「完全1度」と呼ばれます(0度ではないことに注意)。次のドとミは「長3度」、ドとソは「完全5度」です。右端のドとその1オクターブ上のドは「完全8度」になります。

ドに対して、他の音が何度の関係にあるのかは、Cメジャー・スケールで理解するのが早いです。次の図は前回示したものとほとんど同じですが、12345678という数字の下に、度数の正確な呼び方を添えました。ドを基準とした場合、レは長2度、ミは長3度、ファは完全4度、ソは完全5度、ラは長6度、シは長7度、1オクターブ上のドは完全8度となります。

Cメジャー・スケールの構成音以外の音、つまり♭や♯の付いた音はドに対して何度になるかは、次の図を見てください。上段がフラット系、下段がシャープ系です。

完全、減、増、短、長、といろいろ出てきてやっかいですね。またレのフラットとドのシャープのような異名同音でも、片や短2度、片や増1度と呼ぶので、とてもややこしいです。

でも、すべてを暗記する必要はありません。特に「ギターのコードを覚える」という限定的な目的においては、知っておくべき度はごくわずかです。ドレミファソラシドが12345678であることを覚えたら、次に♭3(短3度)、♭5(減5度)、♯5(増5度)、♭7(短7度)の4つを覚え、さらにコード名に出てくる9、11、13(これらは2、4、6の1オクターブ上の音です)と、♭9、♯9、♯11、♭13を覚えれば、それで事足りるでしょう。なぜそれで事足りるのかは、この講座を読み進むうちにわかってきます。

次の図は、ギターのコードを覚えるのに必要な度だけを、なるべく簡単に把握する方法を示したものです。完全、減、増、短、長という言葉も、ここではあえて使っていません。

C、C6、C7、C△7をルートと度で表すと・・

では、慣れ親しんだC、C6、C7、C△7というコードの構成音を、ルートと度で表わしてみましょう。Cは、ルートの上に、長3度のミと、完全5度のソが積み重ねられたものです。C6、C7、C△7は、Cの構成音の上にそれぞれ長6度(ラ)、短7度(シのフラット)、長7度(シ)を重ねたものとなります。

表にもしておきましょう。こういう整理の仕方も、コードの理解の助けになります。

コード名 構成音
C ルート(ド) 長3度(ミ) 完全5度(ソ)  
C6 ルート(ド) 長3度(ミ) 完全5度(ソ) 長6度(ラ)
C7 ルート(ド) 長3度(ミ) 完全5度(ソ) 短7度(シのフラット)
C△7 ルート(ド) 長3度(ミ) 完全5度(ソ) 長7度(シ)

なぜコードの構成音をルートと度で理解すべきなのか?

さて、前回までは「Cの構成音はド・ミ・ソ」と言ってきました。本講座をお読みの方の中には、「ルート・長3度・完全5度、という理解の仕方よりも、ド・ミ・ソの方がずっと簡単」と思う人もいるかもしれません。たしかに、コードが「Cなんとか」だけであるうちは、このままドレミファソラシで覚えていった方が効率的かもしれません。

しかしご存知のように、コードには、C以外のアルファベットで始まるものの方が多いわけです。それら無数のコードの構成音を、ドレミファソラシで覚えていくのは非常に困難です。

試しに、「アルファベット1文字、またはそれに♭か♯が付いただけのコード」の構成音を、すべてドレミファソラシで書いてみましょう。次の表のようになります。

コード名 構成音
C
C♯ ドのシャープ ミのシャープ(=ファ) ソのシャープ
D♭ レのフラット ファ ラのフラット
D ファのシャープ
D♯ レのシャープ ファのダブルシャープ(=ソ) ラのシャープ
E♭ ミのフラット シのフラット
E ソのシャープ
F ファ
F♯ ファのシャープ ラのシャープ ドのシャープ
G♭ ソのフラット シのフラット レのフラット
G
G♯ ソのシャープ シのシャープ(=ド) レのシャープ
A♭ ラのフラット ミのフラット
A ドのシャープ
A♯ ラのシャープ ドのダブルシャープ(=レ) ミのシャープ(=ファ)
B♭ シのフラット ファ
B レのシャープ ファのシャープ

ちょっとウンザリしますよね? しかし、ルートと度を使った書き方にすると、以上のすべてのコードが、次の表ひとつで済んでしまいます。要するに今挙げたコードたちは、ルートは違うものの、すべて「ルート・長3度・完全5度」で出来ているのです。

コード名 構成音
ルート 長3度 完全5度

そしてこの先、いろいろなコードの構成音を覚えていくにあたっては、ドレミファソラシよりも、ルートと度で理解していく方がずっと効率的です。

それぞれの度のハーモニーを楽しもう

今日はちょっと堅苦しい話が続いたかもしれません。最後に、音の鳴る指板図で、それぞれの度が持つハーモニーを楽しんでください。3弦5フレットのドは固定したまま、左上から右下に向かって、もうひとつの音が半音ずつ上がっていくようになっています。

それぞれのハーモニーを聞きながら、「短2度は濁っている感じ」とか「完全5度は安定した響きがする」など、自分なりの印象を書きとめておくと、この先役立つかもしれません。

次回からは数回かけて、単純なコードからかなり複雑なコードまで、その構成音について詳しく解説していく予定です。

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