DJが語る“ワンランク上のアナログライフ” 田中知之(FPM)×THORENS

特集 by Photo : Hiroshi Takaoka 2013年7月12日

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ターンテーブルはもとより、スタビライザーやクリーナー、さらにはフォノイコライザーやアンプなどをリリースし、レコード/オーディオ愛好家たちから圧倒的に信頼されるスイスの名門ブランド、トーレンス。今なお根強いファンをもつアナログレコードの再生環境をクオリティアップしたいという読者にぜひチェックしてもらいたいのが、同社のターンテーブルだ。DJ用とは一線を画す音質にこだわった本格的な仕様は、リスニング用途に加え、レコードのデータ化、サンプリングといった使用例においても高いポテンシャルを発揮する。そんな同社ターンテーブルの中から上位機種にあたるTD 2035を田中知之のシビアな耳で試聴してもらった。

設立から130年間ずっと音を鳴らすことを考え続けてきた
それだけでもすごさが分かるんじゃないかな

今回、トーレンスのアナログターンテーブルを試聴いただく田中知之は、自宅にモノラル盤に特化したビンテージのオーディオシステムをセットしていることで知る人ぞ知る存在だ。そのシステムについては弊誌別冊ムック『DJの部屋』で詳しく紹介しているが、イームズがデザインしたステファン・トゥルーソニックの3ウェイスピーカーを中心に、ウェスタン・エレクトリックやマッキントッシュといったアンプ類をセレクトした超本格的なもの。一方、現場でのDJプレイではCDターンテーブルを使用しているが、大のレコードマニアとしても知られている。

そんな彼に試聴を打診したところ、即決でOK。都内にある自身のプライベートスタジオにトーレンスのベルトドライブ型ターンテーブルの上位モデル、TD 2035を設置しての試聴となった。スタジオに設置されたDJミキサーに接続し、すぐに音出しとなったのだが、このために持ち込んでくれたレコードのラインナップも年代/ジャンルが幅広い。

「どのレコードについても一聴してDJ用アナログターンテーブルのテクニクス SL-1200MK5よりも情報量が多いですね。SLが前に出てくる音でパッと聴きは派手な感じもしますが、奥行きや説得力みたいなものが全然違う」

この発言に続いて出てきたのが、デザイン性について。

「デザインもすごく優れていると思います。シンプルでありながら強いインパクトがあるというか、近代的でありつつ、王道感もある。スタビライザーもすごくカッコイイですね。僕はオーディオは見た目だとも思っているんです(笑)。インテリアとしてTD 2035があるだけでも気分が上がるし、しかも音を犠牲にしたデザインではないところもポイント」

このような会話の間でも、次にかけるレコード選びを続けている。TD 2035は高級なモデルだが、トーレンスでは数万円から購入できるモデルもラインナップされており、トーレンスというブランドに対するイメージもたずねてみた。

「昔を考えれば、僕がトーレンスについてコメントできるなんて夢のような話(笑)。ダイレクトドライブの特許を持っているブランドでありながら、かたくなにベルトドライブを選択していたり……設立から130年の歴史があってノウハウの蓄積も膨大だと思うし、その間ずっと音を鳴らすことを考え続けてきたブランドだということだけでもすごさが分かるんじゃないかな」

続いて、既にDJ用アナログタンテを持っている人の追加の1台としてだけでなく、初めてのアナログターンテーブルとしても推奨できると説明してくれた。

「こういったオーディオ用ターンテーブルを導入することって素晴らしいことだと思うんです。“家電”以上の存在感/価格のオーディオ製品をそろえていき、それをセットアップして、より好みの音で鳴るよう少しずつ工夫していく。僕もビンテージのオーディオセットをモノラル再生用にそろえているから分かるのですが、すごく夢があって奥深く楽しい趣味なんです。しかも、見た目もいい。車や時計などと同列で、“たしなみ”だと思いますね。トーレンスのアナログターンテーブルは音も良いので、ぜひレコードの音のポテンシャルを実感してもらいたいですね」

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試聴を行ったのは本格的な施工がなされた田中知之のプライベートスタジオ。常設されているDJシステムにTD 2035を接続し、田中が所有するビンテージジャズのスレテオオリジナル盤やロック~ハウスの12インチなど幅広い年代/ジャンルの音楽をプレイ。モニタースピーカーはムジークエレクトロ・ガイザイン RL901Kで、試聴の際にはトーレンスのスタビライザー(22,050円)をセットし、カートリッジはオルトフォンの2M Red(MM型)を活用した

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TD 2035-TP 92

750,750円

TD 2035は幅広い製品ラインナップを誇るトーレンスの上位モデル。マルチレイヤーのアクリル製ボディを採用したデザイン性の高さも秀逸で、本体とは接触せずに設置できる単独モーターを採用したベルトドライブ型。ボディはスパイク型の3点インシュレーターで支えられ、アルミ製プラッターを本体左奥のモーター部と角型ベルトを介して回転させる。33/45回転のセレクトと電源のオン/オフは別筐体のコントロールボックス/パワーサプライで行い、選択可能なトーンアームについてはトーレンスのTP 92を活用。なお、ボディカラーは今回使用したホワイトに加え、レッド、ブラック、ブルー、イエローがラインナップ。トーンアーム無しでは661,5500円で、そのほかにSME M2-9搭載モデル(987,000円)、SME 309搭載モデル(1,144,500円)もある。

【SPECIFICATIONS】●型式:スタティックバランス型/ベルトドライブ ●回転数:33.1/3&45RPM ●外形寸法: 420(W)×160(H)×330(D)mm ●重量:15kg(本体+プラッター)

 

【問合せ】Info:バラッド tel:03-3324-4260 url:www.ballad.co.jp

【Le Tabou】THORENS製品を多数展示した音楽ショップ add:東京都千代田区神田須田町2-23-9 大和ビル1F url:www.letabou.jp

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