第1回 『珍遊記とガバは同じ!』~やけのはら〈音楽との出会い〉編~

SEX山口のなんだチミは!? by SEX山口 2013年5月10日

おはようございます&こんにちは&こんばんは&初めましての人は初めまして&そうじゃない人も初めまして! SEX山口と申します。この度、リットーミュージックGROOVEさんのサイト内にて、私(以下わたくし)の連載コーナー『SEX山口のなんだチミは!?』をやらせていただくことになりました。

この連載では基本的に私がお話ししたいDJさんやラッパーさん、トラックメイカーさんへのインタビューを軸とし、余った時間で私が個人的に気になったモノや最近ゲトったモノ、面白素人の紹介や私の母親が描いた絵などを紹介するコーナーとなっております。

前のめり気味だったりビンビンになっちゃったりしながらの連載ではございますが、皆さんの大きな心、そして大きなキャンタマ袋で暖かく優しく、そして吸えないタバコでも吸いながら読んでいただければ幸いでございます。

皆様お付き合いよろセクお願いいたします。

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『誰も止めないからもう一曲やっちゃいまーす』

毎月第2月曜の20時からインターネットラジオ局 block.fm にてお送りしている私の番組『SEX山口のGWIG GWIG RADIO』のスタジオにその声は気持ちよく響いた。声の主は3月の放送にゲスト出演してもらった”やけくん”こと才能あふれる音楽家の”やけのはら”くん。彼は放送時間を気にしながらも、まるで自室からお届けするかのごとく、新アルバムからの曲をスルスルと至極マイペースに披露していく。この人はホント変わらないなぁ、私の知っているいつものやけくんである。

僕がやけくんを初めて知ったのは確かALPHABETSというラップデュオのMCとしてだった。その頃の彼らは好事家からの評価は高かったけど、まだ一般的な認知度は低かったと思う。そんな彼が、DJ活動を行う傍ら2009年に七尾旅人と創ったアーバンクラシック『Rollin’ Rollin’』は彼の名を一躍全国区へと押し上げた。この曲は発売からもうすぐ4年経つが、いまだにフロアでは根強い人気を持つ 恐ろしくも(DJ的に)心強い曲である。2010年には各方面から傑作との呼び声も高い初のソロアルバム『THIS NIGHT IS STILL YOUNG』を発表。その後サンプラー&ボーカル担当のバンド“younGSounds”のアルバムリリースや各種リミックスや客演などをはさみつつ、つい先日2013年3月20日に約3年ぶりの待望の2ndソロアルバム『SUNNY NEW LIFE』を発売したばかりだ。今回のアルバムも前作に負けず劣らずとてもとてもとても素晴らしい内容であり、ぜひアナタにも一度耳を傾けて欲しいのであります。(収録曲PV:「D.A.I.S.Y.」&「CITY LIGHTS」)

今回、僕はやけくんに聞きたいことがたくさんあった。DJ/ラッパー/トラックメイカーとしての彼についてはもちろんだけど、彼が”やけのはら”となる前の”THE人間 やけのはら”としてのことを。だからインタビューって建前で、普段なかなか聞けない話をしてみたのです。

インタビューには、やけのはらと仲の良いライターのShakkeやGWIG GWIG RADIO仲間のWarDaaやSyphtらも同席しつつ、終止和やかな雰囲気で行わせていただきました。おかげで肩の力の抜けた他では聞けない良い話が聞けたと思います。

レッツトークアバウト”やけのはら”、いってみましょう。

『珍遊記とガバは同じ!』~やけのはら〈音楽との出会い〉編~

SEX山口:まずですね〈音楽との出会い〉というか、子供の頃に聴いた音楽で強烈に憶えているものってありますか?

やけのはら:強烈にとまではいかないですけど、パッと今浮かんだのは幼稚園の時にカセットで買ってもらっていた『キン肉マン』の各超人シリーズ(コロちゃんパック)ですね。

SEX山口:あ、それ自分とまったく一緒です。好き過ぎて小学校に持って行って休み時間に友達と聴いてました。

やけのはら:あとは親が聴いていたザ・ビートルズとかサイモン&ガーファンクルとかを憶えていますね。CDラジカセを買ってもらって、初めて自分で買ったCDは山下達郎の「クリスマス・イブ」です。JR東日本ムードにヤラれて。10歳ぐらいの時ですね。

一同:おお~! 深っちゃん!

SEX山口:10歳にしては結構な背伸び感ですよね。

やけのはら:いや、でもそれはお茶の間でJRのCMがガンガンかかってて耳に刷り込まれてたから「この曲知ってる~」的な感じですよ。

SEX山口:自分は光GENJIとかだったから、それに比べたらイメージ的にかっこいいなぁ。

やけのはら:たまたまですけどね。2枚目に買ったCDはとんねるずの「ガラガラヘビがやってくる」。今思えば買った順番が逆じゃなくて良かったというか。そのあと買ったので憶えてるのは永井真理子の「ミラクルガール」

SEX山口:アニメ『YAWARA』オープニングソングですね。自分は今でもたまにプレイしますよ。

やけのはら:マジですか。ちょっとMOTOWNっぽいですもんね。なんかオールド グッドポップスみたいな。

shakke:ご両親はザ・ビートルズとかサイモン&ガーファンクルとか以外にどんなのを聴いていたのか気になりますね。

やけのはら:母親がマニアックっていうか、文化っぽいものが好きだった人だから浅川マキとか聴いてましたね。ビートニクな書籍が家にあったり。聴かされることはなかったから最初に買ったのは「クリスマス・イブ」とかとんねるずなんだけど。でも大人になってきてだんだんジャブが効いてきた感じで、なんかそっちに引き寄せられた感じはあるかも。

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shakke:知らず知らずのうちに摂取していたと。

やけのはら:たぶん。で、中学の時の友達のお姉ちゃんで宝島系とかが好きな人がいて、そこからそういったカルチャーが流れてきて。中1とかで電気グルーヴスチャダラパーを筆頭にテクノやヒップホップとか日本・海外もの問わずガーッと入ってきたんです。小学校の時に『珍遊記』の連載が始まったりしてて。

SEX山口:漫☆画太郎先生!

やけのはら:あれが好きか嫌いかで分かれる大きな何かだと今思っていますね。僕はああいうの“最高!”って思ったタイプで。幼少の頃に赤塚不二夫の漫画を読んだことがあって、なんか解らないけどそういう匂いが面白いみたいな。子供同士でキャッキャ言いながら“キンタマ! キンタマ!”みたいなノリで入ってくるじゃないですか、珍遊記とかって。

SEX山口:最高でしたね。すぐ死んだり。

やけのはら:そういう影響の延長でバンドブームから微妙に被ってできている1990年代前半の日本のテクノやヒップホップを見てて、音楽って演奏しなくても作っていいんだ、みたいな珍遊記イズム的なものがものすごく面白く感じちゃって。音楽だけど音楽じゃないみたいな。それまでの音楽は楽器を使ってうまく演奏したり、歌ったりするものだと。それしか知らないからそう思ってた。それをヘンテコなものっていうか今でいうオルタナティブなものとして、テクノやヒップホップをそういう流れで興味を持ったんですよ。

shakke:そういう話題が話せる中学の時の友達ってどれくらいいたんですか?

やけのはら:う~ん、中学生だからそんなにハッキリはしないんだけど、その友達の影響でテクノとかの情報が降りてくる状況にいたから電気グルーヴのラジオを聴いてる友達は10人ぐらいいたかな。俺は聴いてなかっただんけど。

shakke:世の中的にそんな感じだったのかな。

やけのはら:たまたまそういう友達がいたからってのもあると思う。カルチャーとも解かってないから変顔するのと同じぐらいの雰囲気でラジオ聴いたり、このCDなんか変だからみんな聴こうよ的なノリだよ。

SEX山口:面白いものがあるよ~。みたいな。

やけのはら:そうそう、電気グルーヴとかだったら ブスとかをバカにしたような歌詞だったり。珍遊記とかと同じノリですよね。そういうのを好きになるかならないかの素養は人によって違うと思うけど、たまたま友達のお姉さんから流れてきたものがそういうものと一致しちゃったりして。いきなりガバのCDが流れてきたり。ガバとかって珍遊記っぽくないですか?

一同:ぽいぽい。たぶん同じ!

やけのはら:子供でもくだらない匂いとかは解るじゃないですか。“Big Dick!”っていうリリックが入っててドダダダダ! みたいなガバの曲を“なんだこのムチャクチャなCDは!”みたいな。そういうのを楽しみました。

SEX山口:そういう流れで今に至る、と。

やけのはら:大きな流れはそんな感じですね。

SEX山口:自分だと三宅裕司伊集院光のラジオだったりするんだろうなぁ。

やけのはら:僕も伊集院光のラジオは聴いてましたね。

shakke:セク山さんとやけさんってどれぐらい離れてるんすか?

SEX山口:自分は76年生れ。

やけのはら:僕は79年なんで3年ですね。セク山さんテクノとかって通ってなさそうだけどどうなんですか?

SEX山口:通ってないですね。横で鳴ってたみたいな感じです。中2でたけし軍団ニュージャックスウィング一直線みたいな。角刈りでした。

やけのはら:ここで3年の差がありますね。僕はニュージャック後追い。でも被ってる部分は相当ありますよねー。

[次へつづく]

いかがでしたでしょうか? やけのはら〈音楽との出会い〉編。珍遊記恐るべし! ですね~。

次回は、やけくんが音楽を奏でる側になるきっかけとなった話等の~やけのはら〈音楽活動〉編~にズームインいたします。お楽しみに!

やけのはら

yakeinohara

DJ、ラッパー、トラックメイカー。「FUJI ROCK FESTIVAL」「METAMORPHOSE」「KAIKOO」「RAW LIFE」「Sense of Wonder」「ボロフェスタ」などの数々のイベントや、日本中の多数のパーティに出演。数多くのミックスCDを発表している。またラッパーとしては、アルファベッツのメンバーとして2003年にアルバム「なれのはてな」を発表したのをはじめ、曽我部恵一主宰レーベルROSE RECORDSのコンピレーションにも個人名義のラップ曲を提供。マンガ「ピューと吹く!ジャガー」ドラマCDの音楽制作、テレビ番組の楽曲制作、中村一義、メレンゲ、イルリメ、サイプレス上野とロベルト吉野などのリミックス、多数のダンスミュージックコンピへの曲提供など、トラックメイカーとしての活動も活発に行なっている。2009年に七尾旅人×やけのはら名義でリリースした「Rollin’ Rollin’」が話題になり、2010 年には初のラップアルバム「THIS NIGHT IS STILL YOUNG」を発表。その後Stones Throw15周年記念のオフィシャルミックス「Stones Throw 15 mixed by やけのはら」を手がけ、2012年にはサンプラー&ボーカルを担当している、ハードコアパンクとディスコを合体させたバンドyounGSoundsでアルバム「more than TV」を完成させた。2013年3月、新しいラップアルバム「SUNNY NEW LIFE」をリリース。http://yakenohara.blog73.fc2.com/

SEX山口

SEX山口

1976年生まれ、神奈川県出身のメガネをかけた牡羊座。幼少時に観たM.J.のパフォーマンスに多大なる影響を受け、小2で“ムーンウォーク”を習得。と当時に、たけし軍団や志村けん、とんねるずといった“ハードかつタイトな東京のお笑い”への尊敬と憧れを現在までKeep Onし続ける。最近はやたらしゃべるディスクジョッキーとして日本各所でメイクサムノイズしつつ、音楽専門誌・web等で小粋な執筆もちょろちょろ。自身のトレンディーアパレルブランド「S.E.X.Y. by NAOKI YAMAGUCHI」のアイテムや危ないおMIX CDも随時デリバリーしております。あと、宇多田ヒカルが大好き。



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