第15回『人生一度きりなので楽しみながらいつのまにか消えていきたいです』Jazzy Sportインタビュー ~気仙多郎 a.k.a. Wassupski~

SEX山口のなんだチミは!? by SEX山口 2014年3月11日

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渋谷宇田川町から目黒区五本木へ移転してからおよそ3年。Jazzy Sport Music Shopが2013年で記念すべき設立10周年を迎えた。「音楽とスポーツで世界をひとつに」というテーマを基に独創的な活動を繰り広げるJazzy Sport。10周年という節目に届けられたJazzy Sportのレーベル・ショウケース的な役割を果たすコンピレーション『POUND FOR POUND』の第三弾がついに完成し、2013年11月27日にリリースとなった。

そして、ジャジスポと言えば、先日、5枚目となる待望のオリジナル・ニューアルバム『VG+』をリリース、“仙台から世界へPR”し続ける3MEN、GAGLEが所属するプロダクションでもある。デビュー前の彼らの持つ才能にいち早く気付き共に歩んできた、Jazzy Sportを支えるトップ、気仙多郎 a.k.a. Wassupskiにアレコレと聞いてみた。

Jazzy Sport × セク山、スタート!

 

01

 

セク山:気仙さん、本日はよろしくお願い致します! まずは簡単な自己紹介をお願いします。

気仙多郎:Jazzy Sport Productionsの万(よろず) 担当です。

セク山:よろずとはまた粋なワードですね! ではでは改めまして、本日のインタビュー、よろずくお願いします!

気仙多郎よろSickっす!

セク山:Jazzy Sport Music Shopが昨年、設立10周年を迎えました。継続してこられた秘訣とはなんでしょうか?

気仙多郎:秘訣はヒミツ(有料です)。

セク山:おっと、冒頭から先が思いやられるお答えですね。某インタビューではMasaya Fantasista氏が“継続してこられた秘訣は?”の問いに「多郎さんがハゲないことかな」と答えられていましたね(笑)。

気仙多郎:毎日欠かさずテレ東の『日経ビジネスサテライト』を観ることですかね。さらにベランダで半裸の乾布摩擦でしょうか。とは言え、ハゲないことに関して言えば自信はありますよ。20歳で「絶対ハゲない宣言」カマしてますから。これは加納典明へのオマージュです。

セク山:気仙さんはJazzy Sportにおいて「エグゼクティブ・プロデューサー」「取締役」という役職に就いておられますが、普段はどういったお仕事をされているのでしょうか? なんとなく分かるけど、なんとなく分からないって人が多いと思うのです。やんわりと教えてもらってもいいですか?

気仙多郎:取締役っていうより制作面に関わること全般と、マネージメントとかアナログプレスとか配信とかいろいろです。POP制作は職人レベルに達していると自負してます。

セク山:山へ行ったりとか。

気仙多郎:そうですね、山は滑り重視なので厳冬期にあんまり仕事しない人(達) みたいに言われてたりして揶揄されてますが、人生一度きりなので楽しみながらいつのまにか消えていきたいです。

セク山:Jazzy Sportには「音楽とスポーツで世界をひとつに」という素晴らしいテーマがあり、夏の『逗子海岸映画祭』ではボルダリングやビーチサッカートーナメントを行ったり、冬は毎年恒例の音楽&スポーツイベント『APPI JAZZY SPORT』を開催されていますね。こういった活動を10年以上続けてきて、今の気仙さんから見た感想とこれからの展望を教えてください。

気仙多郎:よく頑張ってるなと。少しずつですが実践できてるのではないかと評価します。キャプテンのMasaya Fantasistaがコンセプト通りに引っ張ってますし、彼は本気(シリアス)です。最近は某サッカー雑誌でもコーナー連載してるぐらいですし。そのための取材もしてるようですよ。

セク山:安比(APPI JAZZY SPORT)に参加することで、ゲレンデデビューを果たしたアーティストも多いと聞きます。

気仙多郎:そうだと本当に嬉しい限りですね。安比はインドアでも十分楽しめるウィンターリゾートですが、安比のアスピリンスノーを堪能したほうが絶対に楽しいと思いますよ。アーティストの皆さんは本能的に分かるんじゃないですかね。来年はセク山さんもDJでブッキングできたらいいな。激安で!

セク山:『女性に優しいハードコア Jazzy Sport』という、「わかるぅ~」なキャッチフレーズがありますが、最初に言い始めたのっていったい誰なのでしょうか?

気仙多郎:オリジナルメンバー全員在籍時全盛期のSLUM VILLAGEです。それをそのまま継承させていただきました。目下、次世代ジェネレーションで継承者募集中!! 我こそはという方はふるってご応募ください。

セク山:あああ! 全盛期のSLUM VILLAGE! なるほど、そこからの継承だったのですね。納得いたしました(笑)。

02

セク山:それでは『Pound For Pound』のお話を。2006年に第一弾がリリースされた『Pound For Pound』シリーズですが、そもそもどんなコンセプトからスタートした企画だったのでしょうか?

気仙多郎:GAGLEを中心としてJazzy Sportの周辺にいるアーティスト、関連のあるアーティストでのコンピレーションをリリースしたくて、って感じです。Jazzy Sportを通して音楽の多様性、Diversityを知って欲しかったんです。

セク山:当時、渋谷のHMVで購入しましたよ。リリース日に店員さんがあのジャケのTシャツで揃えてて、つられてTシャツまで買いました(笑)。収録されているGAGLEの「Eastern Voyage(※リンクはInst.)」はマイ・フェイバリットな一曲で、盛り上がりタイムの火付け曲としてプレイさせてもらってます。

気仙多郎:得意の抱き合わせ商法ですね(笑)。お買い求めありがとうございました。「Eastern Voyage」はインストですが、海外でもリリースされましたし、あの曲を流用したGAGLE初のTV CM出演もあったりして思い出深い1曲です。

セク山:携帯電話のCMでしたね。そして、2年後の2008年には第二弾がリリースされ、昨年末に約5年ぶりの第三弾がリリースされたわけですが、構想はいつ頃からあったのでしょうか?

気仙多郎:昨年が『Jazzy Sport Music Shop』10周年ということで2013年の夏前くらいからですね。

セク山:今作の収録曲に関してなのですが、cro-magnonとDJ JINさん(RHYMESTER)、Physical Sound Sportと仙人掌氏(MONJU / DOWN NORTH CAMP)など、組み合わせの妙が印象的だったのですが、気仙さん的に“ベスト組み合わせ賞”を贈呈するとしたら、どのタッグだと思われますか?

気仙多郎:個人的にはYoungshim Feat. marter , sequick『Stop Motion』。ちなみにプロデュースはTettoryBLK (grooveman Spot & Masaya Fantasista)です。

セク山:うお。自分も『Stop Motion』には溶かされました。TettoryBLK 、恐るべし!

気仙多郎:手っ取り早いのに黒いトラックに Youngshim の声とmarter の声とsequick のトークボックスのデュエット曲、他にこんな曲存在しないんじゃないかなと。是非、KARAOKEで挑戦してみてください。トークボックス部分は宇宙人の声帯模写(発声しながら喉を細かく水平チョップ)でやるとモテますよ(実話)。

03

セク山:そして、ジャジスポと言えばこの3人組、From仙台 & For世界のGAGLE。先日、5枚目となるオリジナル・ニューアルバム『VG+』がリリースされました。仙台という地で活動を続けるGAGLEが、震災後に発表するアルバムとしては初となるわけですが、まずは気仙さんの感想を聞かせてください。

気仙多郎:色々なことを乗り越え、様々な葛藤を繰り返して制作された作品なので感慨深いものがあります。このリリースまでに4年半も経過していたのには驚きました。あの震災で東日本がグチャグチャになって。加えて原発とか。当時は音楽を作り続けるのが可能なのか懐疑的になっていた時期もあったと思います。ともあれ、リリースを嬉しく思います。内容も素晴らしいので皆さんも是非チェックしてみてください。

GAGLE 聞えるよ feat. 七尾旅人 (Official PV)

セク山:あの日はHUNGERのツイートで仙台の被災も大きいということをいち早く知りました。実は自分のいとこが仙台に住んでるんです。電話をしても通じない、無事なのかも分からない、そもそも自分の住む場所ですら電気が戻らない。余震の連続。明日からどうなるのか分からない。数日後、福島原発の報道。母親の実家が福島県いわき市小名浜なんです。個人的にそういうこともあり「うぶこえ」「聞える」そして、今回のニューアルバム『VG+』は最前から最善の言葉を選び発するHUNGERに(おこがましいのは重々承知で)自分を投影させてしまうし、心の拠り所というか、指針になるというか。是非、Liveを観て欲しいです。

気仙多郎:それは心配だったでしょうね。ツイートでGAGLEメンバーの無事は確認してましたが、それ以降のライフラインに関するポストを見ても被害の甚大さが伝わってきました。メンバーもボランティアをしたり、チャリティーソング「うぶこえ」をリリースしたり、彼らなりにできることは色々とやっていましたし、現状を発信していたと思います。本当、彼らには頭が下がります。

セク山:ラジオやYouTubeで「うぶごえ」や「聞える」を耳にして、救われた人がたくさんいると思うんです。

気仙多郎:関東も関東で大変でしたが、福島、宮城、岩手の三陸はレベルが違いましたよね。

セク山:はい。

気仙多郎:僕らも“Jazzy Sport Expedition(山岳部)”として陸前高田にはボランティアとして入ってました。自分の人生でボランティアをするとは思ってもいませんでしたけど実際現地に行ってみて良かったと思ってます。本当に被災地は凄かった。TVでは絶対に伝わらないと思います。津波の破壊力はとてつもないです。復興の様子も知りたかったので暫くは毎月行ってました。そのあと、己の無知さに気付き社会構造について勉強し始めたりしました。今は社会哲学に最も興味があります。

セク山:得たもの/得たいものが見えてくることは素晴らしいことですね。ホント、生涯勉強ですな。あ!そうだそうだ、これも素晴らしいタイミングで発表されていましたね。今回のFeat.(『VG+』M-14「CA LA MODE feat. Shing02」)にも繋がったであろう、Shing02 x HUNGERの「革命はテレビには映らない」にも大きな敬意を。未見の人はこの機会に是非ですね。TVでは決して放送されない世の中の仕組みをラップする2人のMC。最高にかっこいいし、最高のリリックです。

気仙多郎:そうですね。Shing02さんはよく勉強されてますね。知識量が凄いです。昨年はフェスやイベントで何かとShing02さんと一緒のことが多かったのでfeaturingは自然な流れだと思います。

革命はテレビには映らない – SHING02 & HUNGER

 

セク山:ではでは、個人的に自分がずっと気になっていたことなのですが、気仙さんとGAGLEの出会いを聞いてもよろしいでしょうか?

気仙多郎:直接顔を会わせたのは秋田のライブでした。DEMOがヤバかったので「直近のライブを観たい」とメンバーに問い合わせたら「秋田であります」ということだったので、会社に出張申請をして秋田まで飛びましたよ。で、ライブは観て良かったし、ゆっくり話したいと思ってたら、程なく「もう仙台へ帰りますよ」って言うので「えーっ」みたいな感じになって。当時の私は東北の距離感が全く分かってなかったのでとても驚いたのを覚えてますね。「秋田泊まらないんだ…」とか言って、自分が宿泊していたホテルを即チェックアウトして、彼らの車に便乗して仙台に一緒に帰りました。

セク山:いきなりの珍道中! 良い展開です、続きお願いします!

気仙多郎:で、初対面なのにいきなりMitsu the BeatsとHUNGERの実家に深夜3時にチェックインするという感じ。深夜だというのに、寝間着のお父さんがとても優しく迎えいれてくれて感激しました。秋田から仙台の車中で音楽のことを色々と話せてとても有意義だったと記憶してます。

セク山:気仙さんの惚れっぷりもスゴいですけど、ミツくんとHUNGER、そして寝間着のお父さんの寛大な姿勢に大きな敬意を。自分が初めてGAGLEと会ったのは2001年のB-BOY PARK( ※リンクは2002年BBPでのGAGLE)でした。気仙さんがA&Rで、GAGLE初のOFFICIAL EP『BUST THE FACTS』が発売された年ですね。とにかく楽曲すべてに感動しちゃって。書くことじゃないかもしれませんが、聴き終わった瞬間に嬉し涙がブワっと出てきて(笑)。ミツくんのトラック、HUNGERのとんでもないラップスタイルにひたすら「すげえ!すげえ!」ってなり、現場でもプレイしまくりでした。DABOさんの1stアルバム『PLATINUM TONGUE』に収録されている「徒然草(featuring HUNGER and MACCHO)」も最高ですね。

気仙多郎:それじゃあ、俺たちの出会いの経緯でも語ります?

セク山:いや、それは次の機会にとっておきましょう。

気仙多郎:謎のジラシね。

セク山:それでは最後に“気仙多郎”と“Wassupski”の違いを教えてください。

気仙多郎:ego と super ego です。

 

と言った具合で、意味があるようでないような感じを醸し出しながら、なんだか謎の締めくくりとなった気仙多郎 a.k.a. Wassupskiインタビュー、いかがでしたでしょうか。

GAGLEの新アルバムリリース直後にアップされる記事なので、順当に彼ら3人にもインタビューしたかったのですが、Jazzy SportやGAGLEを語る上では絶対的に欠かせない存在である気仙多郎氏にずっと前からスポットを当てたかったというセク山的“super ego”を貫かせていただきました。

写真の氏の姿やインタビュー中にいちいち挟んでくる小ボケに「ぐむ~、さすが気仙さんだな」と思う反面、質問という“振り”に求められる“GOODなゆるふわパス”の安定度をさらに高める必要があるなぁ、と、ひたすら反省するばかりでございました(なんのこっちゃ)。

そして、Jazzy Sportをもっと知りたくなった!と申す読者の皆様、休日の午後にでもJazzy Sport Music Shopへ足を運んでみてはいかがであろうか。コーヒーをオーダーし、差し込む陽の光とスピーカーから流れる暖かい音に包まれながら、レコードとレコードの間にある空気やイキフンってやつを豆の香りと共に吸い込む。これ、完全にイケてますから。

GAGLE 5th ALBUM『VG+』
gagle_jake

HUNGER、DJ Mitsu the Beats、DJ Mu-R。<Jazzy Sport>をリードするミュージック・アスリート/ヒップホップ・アクトGAGLEの、オリジナル・アルバムとしては約4年半振りとなるニュー・アルバム『VG+』ここに完成。

DJ Mu-Rによるアルバム収録の全16曲をMIXし『VG+』のティザー音源はコチラ。

DJ Wassupski (Jazzy Sport/Gothic Futurism)

DJ Wassupski

女性に優しいハードコア」がモットーの素敵集団Jazzy Sport Productionsのエグゼクティブ・プロデューサー。理想とする音楽を啓蒙するクラブDJとしても珍重されていたりする。

Shop Data

  • JAZZY SPORT MUSIC SHOP(ジャジースポートミュージックショップ)
  • 〒153-0053 東京都目黒区五本木3-17-7
    TEL:03-6452-3916
  • 営業時間:14:00~21:00
  • URL:http://www.jazzysport.com/


SEX山口

SEX山口

1976年生まれ、神奈川県出身のメガネをかけた牡羊座。幼少時に観たM.J.のパフォーマンスに多大なる影響を受け、小2で“ムーンウォーク”を習得。と当時に、たけし軍団や志村けん、とんねるずといった“ハードかつタイトな東京のお笑い”への尊敬と憧れを現在までKeep Onし続ける。最近はやたらしゃべるディスクジョッキーとして日本各所でメイクサムノイズしつつ、音楽専門誌・web等で小粋な執筆もちょろちょろ。自身のトレンディーアパレルブランド「S.E.X.Y. by NAOKI YAMAGUCHI」のアイテムや危ないおMIX CDも随時デリバリーしております。あと、宇多田ヒカルが大好き。



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