モーラー奏法を使ってパワフルなバック・ビートを叩こう!!/MI Japan ドラム・クリニック

MI JAPANドラム・クリニック by 小笠原友子 2012年8月9日

LAハリウッドに本校を構える世界最大級のミュージック・スクール、Musicians Institute(MI)と直結した独自のカリキュラムで充実した授業を行い、数多くのミュージシャンを排出しているMI JAPAN。経験と実力を兼ね備えた講師陣のレッスンが魅力の本校レギュラー講師が、その授業の一部を誌上クリニックとして公開するこのコーナー。今月はMI JAPAN大阪校講師の小笠原友子氏が、モーラー奏法を用いたエクササイズをレクチャーする。日頃、MI JAPANでどのような授業が行われているかを体験しつつ、とりかかってみよう。

はじめに

みなさん、こんにちは。MI JAPAN 大阪校PIT講師の小笠原友子です。

さて、今回紹介する” モーラー奏法” とは、南北戦争時代に戦場でも音が聴こえ、かつ長時間叩けるように考案されたテクニックで、サンフォード・モーラー氏が体系化させた奏法です。”速い連打になると腕が疲れて固まってきてコントロールできなくなる”、”強く叩いているのに音が抜けない”、”叩いていると腕が痛くなることがある” などで悩んでいる方は脱力するだけで、かなり改善されると思います。

今回はこのモーラー奏法を使ってパワフルなバック・ビートを叩いてみましょう!!

【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/小笠原友子

LESSON1

力強いドラミングにはリラックスが大事!! ということで、まずは脱力してタップ・ストロークをしてみましょう。腕をだらーんと下げて脱力します。まだスティックは持たず、机の上に肘から手首までべたっとつけてみましょう。その状態でパソコンのマウスをクリックするような感じでトントンっと動かしてください(下の写真1)。次に幽霊のようなポーズになって指先で机をこするようにブラブラさせます(写真2)。これは次のLESSON2で出てくるので覚えておいてください。感覚をつかんだらスティックを持ってスネアで叩いてみましょう。

脱力してタップ・ストローク!

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手首が浮いてこないように気をつけて、かるーく小刻みに。(1)は手で貧乏ゆすりしているような感じです。(2)は上腕を上げるために肩の筋肉だけを使っている状態です。腕や手首は完全に脱力。ブラブラさせるときも脱力して手首から下を振り子のように揺らします。

LESSON2

さて、続いては、実際にモーラー奏法へと入っていきたいと思います。まずはスネアの上に両手を構え基本ポジションから始めます(下の写真3)。

ここからチップの位置は低いまま、脇を開けて肘を上げます。ここで脇を開けていくときに” 手首を脱力しすぎてチップがヘッドに当たってしまった!!” というのがプレップ・モーションの一打です(写真4)。Lesson1で紹介したブラブラさせた手で、スティックのチップを手前に引っかくように落とすイメージで叩きましょう。

次のモーションは上がっている腕を脱力して肘を一気に下げます(写真5)。肘を吊っていた糸が急に切れたという感じです。そうすると写真のように自然と手首が上がり、手首が上がりきったところで手首がしなり、重力と腕の重さと遠心力がスティックに伝わりパワフルな一打になります。このムチを振るようなモーションをウィップ・モーションと言います。次のEx-1〜4のエクササイズで片手ずつ練習してみましょう!!

基本ポジション

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“だらーん”と腕を下ろして脱力したところからパッと構えて力が入らないように。タップするときはチップに意識を持っていく前にまず人差し指に意識を集中させましょう。見えない机をトントン叩く感じ。

プレップ・モーション

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プレップ・モーションは、肩の筋肉を使って肘と手首が糸で吊られているイメージです。手首が脱力していれば、チップは自然に下を向き、肘を上げたタイミングで打面に当たります。

ウィップ・モーション

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脇が閉まって肘が下りきってからスティックがヘッドに当たるのがポイントです。パワーを貯めてから打つというのは、ゴルフやテニスなどのスポーツと共通するところがありますね。

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LESSON3

それでは最後に、モーラー奏法を使って8ビートを叩いてみましょう(Ex-5〜7)。

▼クリックで拡大

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左手にLESSON1〜2で紹介したタップ、プレップ/ウィップ/タップ・モーションの動きを使います。まずはハイハットとスネアだけで練習してみましょう。すべてに流れがあるように、バック・ビートの前(ウィップの前)はかならずプレップで上がることを忘れずに! プレップを叩いた後、ウィップにいく前は肘が下がりきる直前までチップが下を向いているように。肘が落ちた瞬間に左手のスティックが右手のスティックを通り抜けます。その反動でチップが耳の後ろまで来るように、まずはゆっくり大きく叩いてみましょう。テンポを上げていっても肩や手首の動き方はこのままでコンパクトになる感じです。

これができたら次はハイハット+バック・ビートで練習しましょう。バック・ビートの前は叩かないですが、動きはプレップですよ。それでは足を入れて好きな8ビートで思いっきりバック・ビートを叩いてみましょう。

いかがでしょうか? ”モーラー、なんかわかったぞ!!”と思った人はゴーストを使って16ビートのパターンやシカゴ・シャッフルにもチャレンジしてみましょう!! くどいようですが、アクセント(ウィップ)の前は必ずプレップ!!! シカゴ・シャッフルはプレップからウィップの間が速くて難しいですが、手首をしならせて、茹で上がった麺をザルで湯切りするようなイメージでアクセントを叩きましょう。

最後に

さて、みなさんいかがでしたでしょうか? 今回はバック・ビートのみのレッスンだったので、モーラーの”モ”くらいしか触れていませんが、脱力して叩けるようになれば、演奏の幅がかなり広がると思います。素早く脱力して肘が落ちれば、か弱い女の子でもバック・ビートがしっかりと鳴らせますよ!! リラックスしてケガのないよう頑張りましょう!!

小笠原友子 プロフィール

mi_dm_2012_07_instructor20歳で渡米しLA.Music Academyにてモーラーテクニックを主としたプレイングテクニックを学び、ジャズ、アフロキューバン、ブラジリアンにも視野を広げる。帰国後は関西でジャムバンド、サザンロック、ソウルを中心に活動中。

  • Peace Mountain and The Voodoo Drums
  • Ghetto Soul Unity Session Band
  • The Black Fellows
  • Koonan Groove
  • 吉村瞳 with 小笠原友子(per.) etc…

■本記事について

本記事は『リズム&ドラム・マガジン2012年7月号』掲載のページを転載したものです。

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