スリー・ストロークの刻みを使ったリズム・パターン!/MI Japan ドラム・クリニック

MI JAPANドラム・クリニック by 山部 三喜男 2011年12月28日

LAハリウッドに本校を構える世界最大級のミュージック・スクール、Musicians Institute(MI)と直結した独自のカリキュラムで充実した授業を行い、数多くのミュージシャンを排出しているMIJAPAN。経験と実力を兼ね備えた講師陣のレッスンが魅力の本校レギュラー講師が、その授業の一部を誌上クリニックとして公開するこのコーナー。今月はMI JAPAN福岡校講師の山部三喜男氏が、スリー・ストロークの刻みを使ったリズム・パターンについてレクチャーする。日頃、MIJAPANでどのような授業が行われているかを体験しつつ、とりかかってみよう。

はじめに

みなさんこんにちは、MIジャパン福岡校PIT講師の山部です。この企画では、4度目の登場となりますが、今回は汎用性の高いテクニックである”スリー・ストローク”を取り上げます。

スリー・ストロークというのは、主に指や手首を使った片手での速い3連打のことを指しますが、このテクニックはフィルインやソロ、リズム・パターンなど、実にさまざまな応用ができます。

その中でも今回は、スリー・ストロークの基礎練習と、ハイハットやライド・シンバルなどの刻みにスリー・ストロークを応用したリズム・パターンのバリエーションと、それを修得するための練習エクササイズを紹介します。

【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/山部 三喜男#1

【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/山部 三喜男#2

【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/山部 三喜男#3

LESSON1

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本格的なリズムの練習に入る前に、まずスリー・ストローク自体を見直す練習をしてみましょう。僕の生徒達が気にしている問題は、たいてい持続力やスピードなどですが、音のキレイさやコントロール力、タイミングの正確さなども、とても大事です。これらすべてに一番大切なことは、リラックスしきって演奏することです。グリップはスティックを握りしめて力んで叩くのではなく、最小限の力でフワッと自然にホールドするようにしましょう。イメージとしては、小さくよく弾むボールを打面に投げて、そのリバウンドを指でドリブルするようにスティックを使う感じです。

よく見られる悪い例が、人差し指の第一関節と親指の先で作った支点を、空間の位置的に固定してしまって、指のみで叩こうとしてしまうことです。実際の正しい動きは連動の動画を参考にしてほしいのですが、3連打を1回のストロークの流れのように、速いテンポほど感じて叩くのがコツです。これは最近、多くのドラマーがよく取り入れているモーラー奏法にも通じる点です。

Ex-1a〜Ex-1bは基礎練習(1)です。ゴム製のよく弾む練習パッドなどで叩くことをお勧めします。各4小節目は両手同時になっています。このように両手同時に同じフレーズを叩く練習は、”ダブル・ストップ”とも言って、ドラム・コーのエクササイズでもよく行われます。拍ごとの16分音符の4つ目の部分で、スティックを上に素早くテイク・バックする感覚が大事です。メトロノームに合わせて正確なタイミングで叩くことに神経を集中させましょう。

Ex-2は基礎練習(2)です。16連打から始めて、8連打、4連打と打数を減らしていき、最後に3連打を叩く練習です。4連打以上のストロークがしっかりできるように慣れておくと、スリー・ストロークは安定します。かと言って、力まかせに無理矢理叩いても意味はありません。軽く叩いてもキレのいい音が出るのが理想です。

LESSON2

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では”スリー・ストロークの刻みをキープし、残った手足で別のリズムを自由に入れられるようになる”ための4ウェイ・エクササイズに取り組んでいきましょう。譜面はEx-3がスリー・ストロークの刻みをキープするリズムで、これにEx-4、Ex-5の別のリズムを組み合わせて叩く形となります(ここでは、右手がハイハットと仮定して話を進めます)。Ex-3A〜Dのうち、一般的なリズムの中で使われることが多いA、Bを先に使って徹底的に練習してください。CやDは後回しでも構いません。また、詳しくは述べませんが、各3連打の最初か最後の音にアクセントをつけるバリエーションにもトライしてみてください。

Ex-4のA〜O、Ex-5のA〜Cは、左手(リードが左手なら右手)で演奏する、スネアのリズムのバリエーションです。スリー・ストロークでリードしながらこれらを入れていくのは最初は大変難しいので、いきなり行う前にまず、リードの刻みをシンプルに8分音符にして、1種類ずつ、徐々に始めるのも良いでしょう。できれば、フット・ハイハットかバス・ドラムで4分音符をキープしながら練習するようにします。ちなみに譜面のスペースを削るためにEx-5のA、Bは4分の3拍子、Cは4分の5拍子で表記してありますが、練習時は普通に4拍子上でやってみると、ポリリズムの練習にもなり、より実践的です。

次に、同じくスリー・ストロークの刻みをキープしながら、Ex-4、Ex-5のリズムをすべてバス・ドラムで演奏してみましょう。このとき最初は、この2つのパートだけにして神経を集中して練習しますが、慣れてきたら、残った手で2、4拍のスネア・ドラムをキープして叩いたり、左足のフット・ハイハットで、4分音符や8分音符をキープしつつ行いましょう。

LESSON3

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最後にスリー・ストロークを使った演奏の実際の例を1つ挙げておきます。機会があったらぜひ聴いてみてください。

超一流クラスのスタジオ・ミュージシャン達を起用して、数々の名盤と呼ばれるアルバムを世に送り出してきた、スティーリー・ダンの『エヴリシング・マスト・ゴー』 というアルバムに収録されている、「ゴッドワッカー」という曲です。ドラマーはキース・カーロックで、この曲のハイハットの刻みは、すべて右手のみで演奏されています(基本パターンはEx-6)。スネアの細かいゴースト・ノートも入っていますが、全体がとても正確でタイトかつ、スムーズなグルーヴ重視の演奏です。お手本のような演奏で、必聴です!

最後に

さて、いかがだったでしょうか? クールでスピード感のあるリズムがクリエイトできたでしょうか。この手のテクニックは、曲を盛り上げたり、ニュアンスをつけたり、変化させたりするのにとても重宝します。ぜひ、動画も観て、実際の動きを参考にしてください。このレッスンが、クリエイティヴな演奏のお役に立てればうれしいです。

山部三喜男(やまべ みきお)プロフィールmi_dm_2011_11_instructor

’71生まれ。15歳のときにドラムを始める。10代のうちにロックやポップス、フュージョン等の様々なジャンルのバンドを経験した後、20代に入ってからはホストクラブでのハコバンドで演奏。環境と音楽性に疑問を感じ、ハコを辞めた後は会社務めをしながら音楽活動を続ける。25歳の時に再び始めたハコバンドがきっかけで様々な有名ミュージシャンとセッションする機会を得る。

’98からはMIジャパン福岡校、PIT講師になり現在に至る。福岡内外でライブ活動、レコーディング等を頻繁に行っている。

これまでにライブ等で共演したアーティストは、鈴木茂、中西圭三、有山じゅんじ、木村光輝、田口悌二、浅野孝巳(ゴダイゴ)、森本太郎(ザ・タイガース)、ワガン・ンジャイローズetc・・・

また、セミナーのサポート、セッション等では、櫻井哲夫、キャロル・ロジャーズ、スコットヘンダーソンetc・・・

■本記事について

本記事は『リズム&ドラム・マガジン2011年11月号』掲載のページを転載したものです。

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