サイド・スネアを使ったリズム・アプローチ!/MI Japan ドラム・クリニック

MI JAPANドラム・クリニック by 佐々木和徳 2011年9月15日

LAハリウッドに本校を構える世界最大級のミュージック・スクール、Musicians Institute(MI)と直結した独自のカリキュラムで充実した授業を行い、数多くのミュージシャンを排出しているMIJAPAN。経験と実力を兼ね備えた講師陣のレッスンが魅力の本校レギュラー講師が、その授業の一部を誌上クリニックとして公開するこのコーナー。今月はMI JAPAN大阪校講師の佐々木和徳氏が、サイド・スネア・ドラムを使ったリズム・アプローチについてレクチャーする。日頃、MI JAPANでどのような授業が行われているかを体験しつつ、とりかかってみよう。

はじめに

全国のドラマーのみなさん、こんにちは。MIJAPAN札幌校PIT科講師の佐々木和徳です。今回は、昨今さまざまなジャンルのドラマーが取り入れているサイド・スネアを使ったリズム・アプローチについてレクチャーしたいと思います。

サイド・スネアをセットして叩くというと、複雑でメカニカルなプレイを想像する方が多いかと思いますが、メイン・スネアの他にサイド・スネアをセットに組み込むことによって、いつもとは違ったサウンドやユニークなリズム作り、そして、より音楽的なプレイとなる手助けになるはずです。みなさん、音色とちょっとしたリズム・アプローチだけで、普段のプレイの味つけに最適なサイド・スネアを!

ではまず、”サイド・スネアの世界へようこそ〜”ということでLesson1から始めてみましょう!

【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/佐々木 和徳

LESSON1

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今回のテーマである”サイド・スネア”ですが、まずはメイン・スネアとは別にもう1台スネアをセット・アップするところから始まります。

サイズはメイン・スネアと比較して、口径や深さが違うものを使用します。小口径スネア(口径が10″〜13″のモデルなど)をハイ・ピッチ・チューニングにしてセットすることが多いですが、基本的に決まりはないので、好きなスネア・ドラムをセットしてもらって構いません。

ただし、メイン・スネアと明らかにタイプの違うスネアである方がベターです。そうすることで、曲中で効果音的に使うことができたり、2つのスネア・サウンドを同時に出せたりと、アイディア次第では無限の可能性を秘めています。

一般的なセット位置は右の図のように、ハイハット・シンバルのサイドにセットするのが一般的です。ドラマーによってはサイド・スネアを2台使う人もいたりします。

LESSON2

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それでは、Ex-1〜Ex-3のサイド・スネアを用いた8ビートのパターンを見てみましょう。譜面はドラムンベース風のパターンをモチーフにしていて、丸で囲っている部分の音符がサイド・スネアになります。

Ex-1aとEx-1bは、通常の8ビートにあるような、2、4拍目のバック・ビートと言われる位置だけでなく、ランダムなポジションに叩くので、それぞれのスネア間の移動に注意して叩きましょう。

Ex-2は、Ex-1aとEx-1bのパターンをつなげて、2小節のリズム・パターンにしたものです。

Ex-3は考えられるバリエーションの参考パターンですが、最初はゆっくりのテンポから始めて、徐々にスピード・アップしてみてください。BPM=160くらいで叩けば、イギリスのバンド、4ヒーローのアルバムで聴くような、ドラムンベースの雰囲気を持ったパターンになるはずです。

LESSON3

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続いては、16ビートでサイド・スネアを混ぜて叩く練習をしてみましょう(Ex-4〜Ex-5)。

Ex-4aとEx-4bは、スネア間の移動が交錯しやすいので、ハイハットを含めそれぞれの楽器に接触しないよう気をつけましょう。まずはメイン・スネアのみで練習して慣れてから、サイド・スネアを混ぜてみてもいいと思います。

Ex-5はEx-4aとEx-4bのパターンをつなげて2小節のリズム・パターンにしたものです。それぞれシェイク・ビートのパターンになっているので、2、4拍目のバック・ビート以外をゴースト・ノートにしてみてもいいでしょう。

Ex-6はEx-4〜Ex-5の応用パターンで、バス・ドラムが複雑になりますが、それにつられて、各楽器間の移動とフット・ワークのバランスが崩れないように注意して叩いてください。このようにメイン・スネアとサイド・スネアの間を縫うようにバス・ドラムを入れるだけで、世界を牽引するトップDJが作り出すような前衛的なサウンド、そしてリズム・アプローチへの参考になると思います。

LESSON4

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LESSON4では、サイド・スネアを用いた3連符のリズム・パターンを叩いてみましょう(Ex-7〜Ex-9)。

Ex-7aとEx-7bはリニア・フレーズ(両手両足の音が重ならないビートやフレーズのこと)に近いリズムになっていて、スネア間の移動がLESSON2やLESSON3で紹介した8ビートや16ビートのパターンとはまた違うので、タイミングに注意してスムーズかつ正確にそれぞれのスネアを叩いてください。

Ex-8はEx-7aとEx-7bのパターンをつなげて2小節のリズム・パターンにしたものです。譜面を見ると、一見似たようなパターンになっていますが、実際にやってみると、まったく別なリズムに感じるはずです。

Ex-9はハーフ・タイム・シャッフルのようなリズム・パターンですが、音符が埋まっているので、せせこましく聴えないよう、大きなリズムを意識して叩けるよう心がけてください。また、2小節目の3、4拍目は記載している手順(RLL、RLL)に気をつけてください。

そして、音価(音の長さ)を倍の6連符で捉えて叩いてみると、リズム・パターンというよりも、フィルインに近い感じになります。3連符系のリズムは、苦手な人も多いと思いますので、まずはゆっくりなテンポで練習を始めることが大切です。

最後に

みなさん、いかがだったでしょうか? 今回ご紹介したものはリズム・パターンに特化したものでしたが、もちろんフィルインをサイド・スネアで叩くことなども考えられます。サイド・スネアについてはまだまだ発展途上で、実にさまざまな奏法やアプローチがたくさんあり、いつも自分がやっていることをサイド・スネアに置き換えるだけでも、クリエイティブに楽しく叩けると思うので、可能性があることは自分なりにいろいろ試してみることをお勧めします。

最後になりますが、この誌上クリニックを通じて、サイド・スネアに少しでも興味を持っていただき、みなさんにとって、サイド・スネアが素晴らしい音楽を創る上での参考になれば幸いです。

 

佐々木和徳 プロフィール

pit_SasakiKazunori幼少の頃よりクラッシクピアノを始め、中学時代にドラムに転向。高校時代よりバンド活動を始めJazzや Fusion等の音楽に傾倒。学生時代よりセッションやコンクール などの仕事をするようになる。在学中にNew YorkのDrummer’s Collectiveで Semester Programを受講し、Kim Plainfield、Zach Danziger、Frank Katzらに師事。また、Drummer’s CampにてDavid Garibaldi、Steve Jordan、Terrylin Calintonらに師事。卒業後、Los AngelesにあるMI Hollywoodに単身留学し、Gary Chaffee、Horacio Hernandez、Russ Miller、Chuck Floresらに師事。帰国後、RSR (ライジング・サン・ロックフェスティバル) への参加をはじめ、多数のライヴ、レコーディング (アーティスト・CM・映画音楽) を精力的にこなす。また専門学校や楽器店での講師を務め、後進の指導にもあたり数多くの生徒を輩出している。

■本記事について

本記事は、『リズム&ドラム・マガジン2011年9月号』掲載のページを転載したものです。

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