ヒール・アップとヒール・ダウンを用いたエクササイズ!/MI Japan ドラム・クリニック

MI JAPANドラム・クリニック by 今野 拓実 2011年7月13日

LAハリウッドに本校を構える世界最大級のミュージック・スクール、Musicians Institute(MI)と直結した独自のカリキュラムで充実した授業を行い、数多くのミュージシャンを排出しているMI JAPAN。経験と実力を兼ね備えた講師陣のレッスンが魅力の本校レギュラー講師が、その授業の一部を誌上クリニックとして公開するこのコーナー。今月はMI JAPAN仙台校講師の今野拓実氏が、ヒール・アップとヒール・ダウンを用いたエクササイズをレクチャーする。日頃、MI JAPANでどのような授業が行われているかを体験しつつ、とりかかってみよう。

はじめに

みなさん、こんにちは! MI JAPAN 仙台校講師の今野です。今回はフット・ワークに焦点を当て、基本的なヒール・アップとヒール・ダウンを使ったバス・ドラムのエクササイズを取り上げていきたいと思います。

個人的にフット・ワークはスティック・ワークよりも練習に時間のかかるものだと思っています。今回は僕自身がフット・ワークの技術向上に一役買ったエクササイズを紹介します。LESSONが進むに連れ難しくなっていきますが、ぜひチャレンジしてみてください!

また、今回のエクササイズは1つのアイディアであり、一慨にこの練習方法が正しいとは言えませんが、読者のみなさんの参考、フット・ワークの技術向上につながってもらえれば幸いです。それではさっそく練習を始めましょう。

MI JAPAN 仙台校 PIT科講師 今野 拓実 Drum Magazine2011年8月号記事

LESSON1

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LESSON1はウォーム・アップと動きの確認で、シンプルな音符を踏むエクササイズです。Ex-1aは4分音符、Ex-1bは8分音符、Ex-1cは3連符、Ex-1dは16分音符になっており、ヒール・アップ、ヒール・ダウンと両方踏んでみましょう。始めは踏みやすく、ゆっくり無理のないテンポから踏んでみてください。

また、普段ヒール・アップに慣れている方はヒール・ダウン、ヒール・ダウンの方が慣れているという方はヒール・アップの動きが身につくよう、重点的に練習しましょう。慣れていないと、力んだり音にバラつきが出たりしますが、まずはリラックスしてスムーズに踏めるように練習しましょう。

LESSON2

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さて、ウォーム・アップはいかがでしたでしょうか。足は温まりましたか? 続いてLESSON2では、片手のダウン・アップ奏法による16ビートのパターンを叩きます。

このエクササイズは手のアクセント(強、弱)に連動させて、バス・ドラムを踏む動作と、音のニュアンスの考え方を交えたエクササイズになっており、Ex-2a、Ex-2bは手のダウン・ストローク、つまりアクセントのつく箇所にバス・ドラムが入っているので、大きな音の出しやすいヒール・アップで、また、Ex-2c、Ex-2dは手のアップ・ストローク、つまりアクセントのつかない箇所にバス・ドラムが入っているので、小さな音を出しやすいヒール・ダウンで踏み分けてみましょう。LESSON1同様、無理のないテンポから始めてください。

LESSON3

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LESSON3はLESSON2同様、片手でのダウン・アップ奏法による16ビートのパターンで、手のアクセント(強、弱)に連動させてバス・ドラムを踏むエクササイズです。ここでも、アクセントのつく箇所はヒール・アップ、ノー・アクセントの箇所はヒール・ダウンで踏み分けてみましょう。LESSON3はLESSON2よりも難しくなって、バス・ドラムのパターンは16分のダブルになっています。

Ex-3a、Ex-3bはアクセントのついた箇所→ノー・アクセントの順になっているので、ヒール・アップ→ヒール・ダウンの順に踏んでみましょう。Ex-3c、Ex-3dはノー・アクセント→アクセントの順になっているので、ヒール・ダウン→ヒール・アップ奏法の順に踏んでみましょう。LESSON1〜2同様、無理のないテンポから始めてください。また、速いテンポでもスムーズに踏めるように繰り返し練習してみましょう。

LESSON4

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片手でのダウン・アップによる16ビートのパターンはスムーズにできましたでしょうか? LESSON4はLESSON2〜3のまとめ的な内容です。ここでは、片手での16分をハイハットで刻みながら足を入れていくパターンを、8分でハイハットを刻みながら足を入れていくパターンで練習してみましょう。

また、バス・ドラムのパターンはLESSON3と同じく16分で2打ずつ踏むパターンです。バス・ドラムとハイハットのタイミング、フォームのバランスに気をつけながら叩いてみましょう。何度も言いますが、無理のないゆっくりなテンポから始めて、慣れてきたら徐々に速く叩けるようにチャレンジしてみてください。

LESSON5

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最後におまけのコーナーです。Ex-5はバス・ドラム(片足)の16分連打のパターンで、ヒール・アップ、ヒール・ダウンの動きをつなげることにより、ツイン・ペダルを使ったかのようなニュアンスのフレーズを踏めるようにもなります。

これは、”アップ・ダウン”と呼ばれる奏法で、ヒール・アップ、ヒール・ダウンの動きをスムーズに踏むことにより、手のダウン・アップのような動きをフット・ワークでも可能にできるというものです。興味のある方はチャレンジしてみてください。

最後に

今回はヒール・アップ奏法とヒール・ダウン奏法を使ったフット・ワークのエクササイズをテーマに進めてまいりました。みなさん、いかがだったでしょうか? ヒール・アップとヒール・ダウンの使い分け、手のアクセントの動きへの連動、音の強弱のニュアンスとユニークなエクササイズだったと思います。

自分自身、今回紹介した練習方法でフット・ワークの幅、表現力に対する考え方が変わったのも事実です。ちなみに、今回のエクササイズに参考にした資料はスティーヴ・ガッド、スティーヴ・スミス両氏の教則ビデオです。興味のある方はぜひ見てみてください。

また近年、スティック・ワーク、フット・ワーク共に新しい奏法やテクニックがさらに出てきて、教則ビデオや動画サイトを通して、さまざまなドラマーが披露しています。読者のみなさんも自分に合ったフット・ワーク、奏法、アイディアを見つけてみてください。また、今回のエクササイズがみなさんの今後のドラミング発展の参考にしていただければとてもうれしいです。

さて、最後になりますが、この場を借りて、東日本大震災の被害に遭われたみなさまにお見舞い申し上げます。僕自身も仙台在住、被災者の1人ですが、地震発生当初、たくさんの方々から援助など支援していただき、救われた身です。ですが、いまだ地震の影響で、以前のような生活のできない方、家をなくされた方、愛する人をなくされた方々がたくさんいます。地震のもたらした傷跡は深く、まだ困っている方々は大勢います。何かできることがあればぜひ、手を伸ばしていただけたら幸いです。力を合わせて頑張りましょう! ご一読ありがとうございました。

 

今野拓実(こんのたくみ) プロフィール

pit_KonnoTakumi幼少期より親の影響を受けて音楽に触れる。小学校6年生でギターと歌、中学のときにはバンドも始めるが、18歳のときに見たQUEEN+Paul Rodgers世界ツアーでのRoger Taylorのドラムに衝撃を受ける。20歳前後でドラムを始めると同時にMI JAPAN仙台校に入学、演奏基礎、アンサンブルなど学ぶ。現在、単身仙台にてライヴ・サポート、セッション、ローディー、インストラクターをしながら日々精進、武者修行中。

■本記事について

本記事は、『リズム&ドラム・マガジン2011年8月号』掲載のページを転載したものです。

→『リズム&ドラム・マガジン2011年8月号』の詳細を見る

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