アクセント・パターンを応用した基礎トレーニング法!/MI Japan ドラム・クリニック

MI JAPANドラム・クリニック by 小林幸司 2011年6月14日

LAハリウッドに本校を構える世界最大級のミュージック・スクール、Musicians Institute(MI)と直結した独自のカリキュラムで充実した授業を行い、数多くのミュージシャンを排出しているMIJAPAN。経験と実力を兼ね備えた講師陣のレッスンが魅力の本校レギュラー講師が、その授業の一部を誌上クリニックとして公開するこのコーナー。今回はMI JAPAN札幌校のアシスタント・ティーチャー、小林幸司氏が、アクセント・パターンを応用したトレーニングをレクチャーする。日頃、MI JAPANでどのような授業が行われているかを体験しつつ、とりかかってみよう。

はじめに

みなさん、こんにちは。MI JAPAN 札幌校の小林幸司です。今回はアクセント・パターンを応用した基礎的なエクササイズをいくつか紹介します。

はじめに、”アクセントとは何か?”ということですが、簡単に言うと、その名前の通りアクセント記号”>”のついた音符を他の音符よりも強く強調して叩くということを意味します。

ではまず、次のLESSON1で、アクセントを演奏する上での最も重要なストロークの種類と役割について説明をしていきます。

【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/小林幸司

LESSON1

ストロークは大きく分けると、ダウン・ストローク(D)、フル・ストローク(F)、アップ・ストローク(U)、タップ・ストローク(T)の全部で4種類あります。

ダウン・ストロークは、高い位置から振り下ろし、低い位置で止めるモーションで、高い位置から振り下ろすため、アクセントの音符を叩くときに使います。フル・ストロークも、ダウン・ストロークと同じ高い位置から振り下ろし、高い位置で止めるのでダウン・ストロークと同様、アクセントのときに使います。アップ・ストロークは、低い位置から振り下ろして高い位置で止めるモーションで、ノー・アクセントの音符を叩くときに使うストロークとなります。タップ・ストロークもアップ・ストロークと同様、低い位置から振り下ろして低い位置で止めるので、ノー・アクセントのときに使います。

ストロークは次に出てくる音符を先読みし、前もって次の音符を叩くのに必要なポジションを構えておくために使い分けます。ですのでこのストロークの使い分けを身体に染み込ませておくことで、アクセントの絡んだパターンやフィルをより速く、スムーズに演奏できるようになります。

LESSON2以降のトレーニングのポイントは、アクセントはできるだけ大きな音、ノー・アクセントはできるだけ小さな音を出すよう、それぞれ音量差を明確につけてください。また、アクセントにつられて拍のアタマを見失いがちになるので、メトロノームに合わせてバス・ドラムを4分音符で踏み、1拍1拍のアタマをしっかりと感じて練習していきしょう。もし、バス・ドラムを入れるのが難しければ、まずは手だけでも構いません。

LESSON2

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LESSON2では、16分音符のシングル・ストロークでのアクセント・パターンをいくつか紹介していきます。Ex-1a〜Ex-1dは1拍(16分音符4つ)の中にアクセントを1つ入れていくパターンで、Ex-1b〜Ex-1dはEx-1aの1拍の中のアクセントを手順はそのままに、16分音符1つ分ずつ右にズラしていく形になります。このパターンは、特にEx-1bとEx-1dのパターンを叩く際、アクセントを拍のアタマに感じてしまいがちです。そのため、拍のアタマを見失ってしまいやすいので、(拍のアタマの)ノー・アクセントの音とメトロノームの音、バス・ドラムの音がそれぞれしっかり重なっているか注意をしながらの練習が必要です。

続いてEx-2a〜Ex-2fは、1拍の中にアクセントを2つ入れていくパターンです。Ex-2b〜Ex-2dはEx-1a〜Ex-1dと同様で、Ex-2aの1拍の中のアクセントを手順は変えず、16分音符1つ分ずつ右にズラしていった形です。Ex-2eとEx-2fは、アクセントとノー・アクセントが交互に入っている形ですが、Ex-2a〜Ex-2dのパターンは、左右共にアクセントとノー・アクセントを交互に叩く形となるので、アクセントに集中し過ぎてノー・アクセントの音が大きくなって音量のメリハリがつかなくなりがちです。ですのでストロークをしっかり意識してノー・アクセントの音が大きくならないよう注意が必要です。Ex-2e〜EX-2fのパターンは、終始片方の手がアクセント、もう片方の手がノー・アクセントに分かれているので、それをしっかり理解して叩けば他のパターンと比べると楽に叩けると思います。

LESSON3

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ここでは、LESSON2で紹介したアクセント・パターンをドラム・セットに応用してみましょう。Ex-3aは、アクセントがつく右手の音符をフロア・タムで、左手の音符をタムで、そしてノー・アクセントとなる音符がスネアとなっています。このパターンを練習することで、リズム・パターンやフィルインを叩くときに、タムやフロア・タムを絡めるフレーズがスムーズに叩けるようになるのでぜひ練習してみてください。また、ここで注意してほしいのは、タムやフロア・タムを叩いてスネアに戻る際、スネアを強く叩いてしまうことです。音のバラつきがなるべく出ないように気をつけてください。

次のEx-4aは、アクセントがつく音符をスネア、ノー・アクセントになる音符をハイハットに振り分けたパターンとなっています。このパターンは、16ビートなどのリズム・パターンのスネア移動の自由度を高めるための練習です。このパターンも、スネアからハイハットに戻るとき、ハイハットを強く叩くことで発生する音のバラつきを出さないように注意してください。

LESSON4

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LESSON4はアクセント・パターンをいろいろな手順で叩いてみましょう。Ex-5aは、アクセントのつく音符を右/左どちらかの手だけに固定して叩き、ノー・アクセントの音符をもう片方の手だけで叩く、というパターンになります。譜面に書いている通り、スネアだけで叩くと手順が違うだけでLESSON2と特に変わりないのですが、LESSON3で紹介したパターンのように少しアレンジして、アクセントの音符をタムやシンバルなどランダムに振り分けてドラム・セットに応用して叩くと、この手順でなければ叩けないタム移動ができるようになって、いろいろなパターンを作り出すことができます。いろいろ考えてぜひチャレンジしてみてください。このパターンで注意してほしいのは、同じ手で2つ、3つの音符を連続して叩く場面があるので、そこでリズムや音量などがブレないようすることです。3つ連続の音符がどうしても叩けない場合は、テンポを落として確実に演奏できる状態から始めてみてください。

Ex-6aは、ノー・アクセントの音符をダブル・ストロークで叩くというパターンになっています。このパターンもEx-5aと同じく、譜面通りに叩くだけではなく、今まで紹介したパターンなどに応用してみると、面白いフレーズがたくさんできるので挑戦してみてください。

最後に

みなさん、いかかでしたか。今回は、アクセント・パターンの応用のほんの一部分を紹介させていただきました。他にも紹介しきれなかったいろいろな応用のアイディアがあります。みなさんも独自にいろいろ考えて当てはめてみるのもいいかと思います。今回のレッスンをきっかけに、”今まで出てこなかったフレーズやフィルなどが浮かんだ!”など、ドラムを演奏する上で何かの参考になったり、技術の向上などに役立ってくれればうれしいです。

 

小林幸司 プロフィール

pit_KobayashiKoji中学生の頃音楽を聴くうちにドラムに興味を持ち始め、17歳の時にドラムを習い始める。2006年4月に、音楽学校 MI JAPAN札幌校のPIT科に入学し、3年間さまざまなジャンルの音楽やドラムの技術、知識を習得する。在学中、Paul Jackson等のプロミュージシャンとセミナーイベントにてセッションを多数重ね、ドラマーとしての経験を積む。卒業後2009年に、MI JAPAN札幌校でTA(アシスタント・ティーチャー)として、アンサンブル授業などで演奏をメインに、講師のサポートをする仕事に就き、働きはじめる。同年11月に、パシフィコ横浜で行われた一大イベント『2009楽器フェア』で、MI JAPAN全校のTA(アシスタント・ティーチャー)代表としてESPの特設ブースでライブプレイを披露。2009・2010年、2年にわたってサポートドラムとしてSAPPORO CITY JAZZに参加。現在は、MI JAPAN札幌校のミュージックスクールでドラム講師、また自身が所属するロックバンドで毎月ライブを行なったり、そのほかにも積極的に多数のバンドのサポートドラムをしながら、北海道札幌市内のライブハウスやイベント会場を拠点に日々活動中。

■本記事について

本記事は、『リズム&ドラム・マガジン2011年6月号』掲載のページを転載したものです。

→『リズム&ドラム・マガジン2011年6月号』の詳細を見る

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