ツイン・ペダル初心者のための足の強化トレーニング!/MI Japan ドラム・クリニック

MI JAPANドラム・クリニック by 丹下眞也 2011年5月13日

LAハリウッドに本校を構える世界最大級のミュージック・スクール、Musicians Institute(MI)と直結した独自のカリキュラムで充実した授業を行い、数多くのミュージシャンを排出しているMIJAPAN。経験と実力を兼ね備えた講師陣のレッスンが魅力の本校レギュラー講師が、その授業の一部を誌上クリニックとして公開するこのコーナー。今回はOUTRAGEのドラマーとしても活躍するMI JAPAN名古屋校講師の丹下眞也氏が、ツイン・ペダル初心者に向けたエクササイズをレクチャー。日頃、MI JAPANでどのような授業が行われているかを体験しつつ、とりかかってみよう。

はじめに

みなさん、こんにちは。OUTRAGEというヘヴィ・メタル・バンドのドラマーと並行してMI JAPAN名古屋校PITのインストラクターも勤めています丹下眞也です。この企画には2度目の登場となります。今回はツイン・ペダル初心者を対象に、足の強化エクササイズをいくつか紹介させていただきます。

ツイン・ペダル初心者の方はどうしても左足が思うように動かせなかったり、右足よりも左足の音量が小さかったりといろいろな悩みがあると思います。これらを解決するためのエクササイズは、ある意味とても地味なものでありますが、そういった丁寧な練習を積み重ねこそ実践のドラムに役立っていくものだと私は考えています。ツイン・ペダル経験の長い人にも、今回のエクササイズをぜひトライしていただきつつ、あらためて自分のドラミングを再考していただくきっかけになればと思っています。それではさっそくはじめましょう。

【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/丹下眞也

LESSON1

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Lesson1は、規則的に連続する音”パルス”の交換に挑戦してみましょう。

Ex-1a〜Ex-1cは左右の音符のトレードで、小節ごとに左右の足を入れ換えていきます。例えばEx-1aは右足で4分音符を踏みながら、左足は8分音符をキープし、決まったタイミングで左足と右足のプレイを逆にします。Ex-1cに関しては、3連符の真ん中の音符を抜いて演奏してみるのもいいと思います。

さて、ここでチェックしていただきたいのは、音の大きさ、アタックの強さ、ビーターの返し具合い、カカトの位置などです。自分で左右の足の違いをよく調べてみてください。私の場合だと、左のカカトを高く上げておかないと、ビーターが後ろに返らない傾向にあり、左足のふくらはぎにムダな力が入ってしまったり、キレイな音を出すことができなかったりしてしまいます。

そして、ここでのポイントは左右に身体がブレないようにすることと、パルス(音)をトレードする瞬間の身体のバランスです。4分音符で踏む足は、ビーターをあくまでも4分音符らしい大らかな動きにさせて、反対の足の動きにつられないように気をつけましょう。テンポはむやみに上げず、確実にものにしてから徐々にアップしていってください。

LESSON2

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次はシャッフルのリズム・パターンで、ツイン・ペダルを踏んでみましょう(Ex-2a〜Ex-2d)。拍のアタマが右、左足と変わってくるので、身体のバランスをとる練習として有効だと思います。左右のバス・ドラムの音量などをチェックし、左足と左手のスネアがちゃんと同じタイミングで音が出ているか確認してみましょう。Ex-2c〜Ex-2dは、3連符の音を抜いたフレーズとなっています。

続いて、左右の足のバランス感覚を高めるエクササイズです。Ex-2eは、バス・ドラムをオルタネートで踏みながら、手は譜面に書いてあるようにいろいろな手順で演奏していくというものです。どの手順でも手と足のタイミングがしっかり合っているかチェックしてください。慣れてきたら3連符でのパターン、Ex-2fにも挑戦してみましょう。

そしてEx-2gは、スネアでアクセントをつけていきます。ポイントはキレイなアクセントを心がけると共に、アクセントがあるところとないところの音量差をはっきりさせましょう。重要なのは下半身の安定で、どんなアクセントを入れても身体の重心が足に乗っているかを確認してください。手首のスナップを使ってスティックを素早く振り上げ、また振り下げれば重心が足の方にキープされると思います。

Ex-2hは、右手がフロア・タム、左手がタムにアクセントを移動させ、手首のスナップを使って、できるだけコンパクトにタム移動をしながら、テンポアップしていってください。右手は裏拳のようにフロア・タムを叩くと、ムダな動きが抑えられると思います。右手がスネアに戻るときは裏拳をそのまま元に戻すような感覚です。このようなパターンを身につければ、ドラム・ソロなどにも取り入れていけると思います。

そしてEx-2iですが、先ほど挙げたEx-2g、Ex-2hのアクセント部分だけピックアップして、スネアを演奏します。音が抜けてしまった分、足が空回りするような感覚になると思いますが、これをいかにコントロールしていくかがこのエクササイズのキーです。上半身の脱力を心がけると空回り感覚が少なくなっていきます。

LESSON3

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最後にツイン・ペダルのさまざまな練習法を紹介しましょう。

Ex-3aは足のウォームアップ的なエクササイズです。何小節かごとにバス・ドラムの踏み方を変化させていきます。おそらくロック・ドラマーのみなさんは普段ヒール・アップ奏法で演奏している方が多いと思いますが、ヒール・アップ、ヒール・ダウンでビーターをヘッドに押しつけるクローズ奏法、ヒール・ダウンでビーターをヘッドから離すオープン奏法の3種類を使い分けます。どれもペダルのスプリングによるビーターのリバウンドが変わってきますが、その違いを感じとっていくようにします。その違いがわかるとスプリングの力を使った演奏が身につき、より楽に早くツイン・ペダルを使いこなせるようになると思います。ビーターのリバウンドを邪魔せずに演奏できるのが理想です。

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次にツーバスのテンポアップを図るために実際に私が行っている練習方法を挙げましょう。Ex-3bは、私が所属しているバンド、OUTRAGEのDVD『SHINE ON』のDISC2のライヴ・シーンの2曲目の「YOU CARE?I DON’T CARE」のフレーズです。シンプルなビートをBPM=190以上のダブル・ベースで踏んでいますが、こういった高速でダブル・ベースを踏むための練習として、まず、定番の練習ではありますが、ペダルのスプリングを外してEx-3bのような簡単なビートを叩いてみましょう。力任せでペダルを踏んでいた人には難しい練習だと思います。

この他にも、いろいろなフレーズをヒール・ダウン奏法で踏んでみたり、左足からフレーズをスタートさせたりなどの練習もしました。スポーツジムでエクササイズに使うバランスボールに座りながら、身体の軸がぶれなくなるような練習もしてみました。身体の軸が安定すると逆に自ら身体の軸をずらして重心を移動させながら演奏できるようにもなるかと思います。みなさんもさまざまな練習にトライしてみてください。

 

最後に

今回のエクササイズはシンプルですが、集中力を持ってやることが大切です。自分の音がどうなっているか確かめながら練習してください。

春は進学や就職など、新しい環境におかれる方々も多いと思います。環境の変化に対応しながらドラムの練習をすることは大変でしょうが、みなさまにはこれからも音楽の楽しさを感じながら豊かな生活を送っていただけたらと思います。私もドラムや音楽と、もっともっと仲良くしていこうと思います。

最後になりましたが、東日本大震災の被害に遭われましたみなさまにお見舞いを申し上げます。全国民が力を合わせて、日本の復興のために頑張りましょう。今回もおつき合いいただきありがとうございました。

丹下眞也 プロフィール

pit-TangeShinya215歳でドラムを始めると同時にHEAVY ROCKバンド「OUTRAGE」を結成。1987年ミニアルバムをリリース後、メジャーレーベルから9枚のアルバムをリリース。日本人離れしたサウンドで一躍名をあげ、PANTERA、C.O.Cなど有名ロック・アーティスト来日公演の際、共演も務める。数え切れない程の国内外でのLIVEツアーや、レコーディング経験も豊富で、ROCKでMETALなドラミングが武器。自身のレーベルも立ち上げ、CERBERUSにも加入。現在では、両バンドとも精力的に活動中。

OUTRAGE 公式HP

■この動画について

このページの動画に対応した記事と譜面は、『リズム&ドラム・マガジン2011年5月号』でごらんいただけます。

→『リズム&ドラム・マガジン2011年5月号』の詳細を見る

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