シングル・パラディドルを用いたリズム・トレーニング/MI Japan ドラム・クリニック

MI JAPANドラム・クリニック by 加藤真生 2010年9月30日

LAハリウッドに本校を構える世界最大級のミュージック・スクール、Musicians Institute(MI)と直結した独自のカリキュラムで充実した授業を行い、数多くのミュージシャンを排出しているMIJAPAN。経験と実力を兼ね備えた講師陣のレッスンが魅力の本校レギュラー講師が、その授業の一部を誌上クリニックとして公開するこのコーナー。今月はMI JAPAN札幌校で教鞭を執る加藤真生講師が、”シングル・パラディドル”を用いたリズム・トレニーニングをレクチャーする。日頃、MIJAPANでどのような授業が行われているかを体験しつつ、とりかかってみよう。

はじめに

みなさん、こんにちは。MI JAPAN 札幌校PIT 科講師の加藤真生です。リズム&ドラム・マガジンとMI JAPAN のコラボレーション企画ということで今回は、僕自身がドラムをプレイする上で非常に役立ったさまざまなエクササイズや練習方法、アイディアの一部をご紹介 したいと思います。

僕は普段、札幌を拠点に活動中のファンク・バンドでプレイしています。どのジャンルでも言えることですが、バンドの中 でドラマーはしっかりとしたリズム感やタイムの感覚を求められますよね。僕自身、シンプルなものから小難しい(笑)パターンまでグルーヴィーに叩けるよう にいろいろと頑張っていますが、みなさんも効果的なリズム・トレーニングのアイディアを探し求めていらっしゃることかと思います。

そこで今回は、ルーディメンツの1 つ、” シングル・パラディドル” を用いて、リズム・トレーニングに発展させていきたいと思います。

【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/加藤真生

1:スティック・コントロール

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[動画] Ex-1a:2: 30〜 | Ex-1b: 2:41〜 | Ex-1c:2:55〜 | Ex-1d:3:08〜

まずはEx-1a〜Ex-1dをご覧ください。Ex-1aはシングル・パラディドルの基本形です。そもそもパラディドルの” パラ” は、RL、LRの左右交互のシングル・ストローク、” ディドル” は、RR、LLのダブル・ストロークを指しますが、これらで構成される4つの音符の先頭にアクセントを入れます。RL〜の手順の下の表記は、そのストロークの種類の頭文字、つまりDはダウン・ストローク、Uはアップ・ストローク、Tはタップ・ストロークとなります。事前にそれぞれのストロークのモーションを確認しておきましょう。そして、Ex-1aのアクセントと手順を8分音符1つ分右にずらしていくと、Ex-1b〜Ex-1dの形になります。Ex-1bはディレイド・パラディドル、Ex-1cはリヴァース・パラディドル、Ex-1dはインワード・パラディドルという名称で呼ばれています。

練習のポイントは、アクセントとノー・アクセントのメリハリをきっちりつけることです。そのためには、まずそれぞれの手順およびストロークのモーションをしっかり把握した上で演奏することが大切です。特にアップ・ストロークのタイミングとタッチには注意を払ってください。後のパターン練習に生かすため、ノー・アクセントの音はなるべくソフトなタッチになるよう心がけてください。

2:8ビート

さて、次は先ほどのスティック・コントロールで練習したことを、ドラム・セットに応用してみましょう。

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[動画] Ex-2a:4:02〜 | Ex-2b:4:20〜 | Ex-2c:4:36〜 | Ex-2d:4:52〜

Ex-2a は、ごくシンプルな8ビートを用いた、ベーシック・パターンを4小節、5〜8小節にパラディドル・パターンを取り入れた8小節のループ・エクササイズです。右手のポジションはハイハット、左手はスネア・ドラムとなります。パラディドルのパターンのみをひたすら練習するのもありですが、このようにベーシック・パターンと交互に繰り返すことで、グルーヴ・エクササイズとしての効果が増すと思います。

そして、ここでも重要なのは、アクセントのメリハリです。1つ例を挙げると、ハイハットのアクセントはエッジの部分をスティックのショルダーでつけ、ノー・アクセントの場合は、ハイハットのボウの部分をスティックのチップで、さらにスネア・ドラムに関しては、アクセントをオープン・リム・ショットで、ノー・アクセントの場合はソフトにタップするのがオススメです。特にスネア・ドラムのタップに関しては、ファンク系パターンによく見られる、ゴースト・ノートに幅広く活用できると思います。

Ex-2aのパターンに慣れてきたら、今度はこの5〜8小節をEx-2b〜Ex-2dにそれぞれチェンジしてみてください。Ex-2bとEx-2cは左手スタートになりますので、スティッキングが安定するまでは頑張って練習してみましょう。

3:16ビート

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[動画] Ex-3a:6:43〜 | Ex-3b:7:00〜 | Ex-3c:7:17〜 | Ex-3d:7:34〜

次は、Ex-3aのように、パラディドルのパターンを16分音符にチェンジアップしてみましょう。バス・ドラムは4分音符で固定なので手と足がもつれるようでしたら、スロー・テンポで練習してみてください。大事なことは、スムーズな手の動きを得ることです。慣れてきたところで、ベーシック・パターンも16ビート系のものに変えてみる、あるいはベーシック・パターンとパラディドルの小節のサイズを変更するなどいろいろなアイディアが浮かんでくると思いますので、ぜひ実践してみてください。

4:3連符

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[動画]
Ex-4a:8:34〜 | Ex-4b:8:48〜 | Ex-4c:9:03〜 | Ex-4d:9:18〜
Ex-4e:9:54〜 | Ex-4f:10:01〜 | Ex-4g:10:08〜 | Ex-4h:10:15〜

さて、続いてEx-4a〜Ex-4dは、3連に応用させたエクササイズです。3連のリズムは文字通り、3つの音符で成り立っているのに対して、パラディドルは4つの音符でサイクルしますので、右記のように2小節で完結します。しかしながら、バス・ドラムが4分音符のリズムをキープしているため、いざ実際に演奏してみるとポリリズミックな感覚に戸惑うかもしれません。苦手な方は、一度スティックを置いてこれらのパターンを声に出して歌ってみてください。手拍子で4分音符を叩きながら、「チタツツタツタタチタツツ〜♪」といった具合いです。上手に歌えるリズムというのは、スティックでもたいがいうまくいくものです。

もう1つ前準備として、Ex-4e〜Ex-4hで慣れておくのもいいと思います。一度手順をオルタネイトに戻し、アクセントが決まるフィーリングに慣れた上で、パラディドルの手順にそれぞれ当てはめて練習してみましょう。

5:応用

ここまで8分、16分、3連といった形でエクササイズを紹介してきましたが、次はアレンジのアイディアを1つ挙げてみましょう。

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[動画] Ex-5a:11:08〜 | Ex-5b:11:22〜 | Ex-5c:11:37〜 | Ex-5d:11:52〜

Ex-5a〜Ex-5dはパラディドル・パターンの右手のアクセントをフロア・タムに、左手のアクセントをタムに、ノー・アクセントの音はスネア・ドラムといった具合いに叩き分けるアイディアです。ここでのポイントはアクセントのタムをしっかり鳴らすことですが、タムからスネア・ドラムに移動した際の最初のタップの音が大きくなってしまわないよう注意してください。

最後に

今回はほんの一部分ながら、シングル・パラディドルを用いた、リズム・トレーニングのエクササイズを紹介させていただきました。みなさん、いかがでしたか? やっているうちに、みなさん独自のさまざまなアイディアが浮かんでくるのではないでしょうか?

今回のエクササイズがみなさんにとって、グルーヴを発展させていく上での何らかの参考になればうれしいです。

加藤真生(かとうまさお)プロフィール

pit-kato18歳よりドラムを始める。札幌を拠点にライヴやレコーディング、レッスン等で活動中。自身がリーダーをつとめるJAZZ/FUSIONバンド「Masao Jump!」にて定期的にライブを行うほか、札幌が誇るFunkバンド「Cosmic Stew」にも在籍、ジャズファンク界の大御所ヴィブラフォン奏者Roy Ayers(ロイ・エアーズ)ジャパンツアーのオープニングアクトが好評をよび、RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in EZOにも出演をはたす。2001年よりMIジャパン札幌校PIT講師。

■本記事について

本記事は、『リズム&ドラム・マガジン2010年9月号』掲載のページを転載したものです。

→『リズム&ドラム・マガジン2010年9月号』の詳細を見る

MI JAPAN OPEN HOUSE:3誌連動・動画クリニック

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