1つのリズム・モチーフからフレーズを発展させる/MI Japan ドラム・クリニック

MI JAPANドラム・クリニック by 粟野昌良 2010年7月21日

LAハリウッドに本校を構える世界最大級のミュージック・スクール、Musicians Institute(MI)と直結した独自のカリキュラムで充実した授業を行い、数多くのミュージシャンを輩出しているMI JAPAN。経験と実力を兼ね備えた講師陣のレッスンが魅力の本校レギュラー講師が、その授業の一部を誌上クリニックとして公開するこのコーナー。今月はMI JAPAN名古屋校で教鞭を執る、粟野昌良講師が、リズム・モチーフを使った練習方法をレクチャーする。日頃、MI JAPANでどのような授業が行われているかを体験しつつ、とりかかってみよう。

はじめに

みなさんこんにちは。MI JAPAN 名古屋校PIT講師、粟野昌良です。

今回のレッスンでは、” リズム・モチーフ” を発展させて、さまざまなルーディメンツ、リズム・パターンに当てはめて練習していきましょう。リズム・モチーフとは、2小節、4小節といった短い小節を表す、音符や休符の組み合わせのことを言います。今回のレッスンは手順から先にフレーズを考えずに、あるメロディ(リズム・モチーフ)からアプローチを考えるときに、非常に有効なトレーニングだと思います。

これから紹介していく譜面は、必ず最初に挙げるリズム・モチーフを思い浮かべながら演奏しましょう。まずは基本的なルーディメンツから取り上げていくので、手順が気にならなくなるまで練習してリズム・モチーフを感じていきましょう。慣れてきたら発展させていき、リズム・パターンやソロもとってみましょう。

▼対応動画【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/粟野昌良

※以下の譜面はすべてクリックで拡大できます。

LESSON 1

mi_dm_2010_07_score1

まずは歌いやすくシンプルなリズム・モチーフ、譜例1を元に、さまざまなフレーズに発展させて練習していきましょう(Ex1a〜i)。この譜例1が自然と頭の中でしっかりとイメージできるようにするのがポイントです。最初のEx1-aからEx1-eは練習パッドなどを使って実践してみてください。

Ex1-a:シングル・ストローク……アクセント、ノー・アクセントの差をはっきりとさせましょう。

Ex1-b:フラム……フラムのタイミングがしっかりと安定するように意識するのがポイントです。

Ex1-c:アクセント前のダブル・ストローク……小さい音でキレイに叩けるようにしましょう。

Ex1-d:5ストローク・ロール……左右の音ツブがしっかりと揃うようにしてください。

Ex1-e:アクセントつきのダブル・ストローク……強い音の後の弱い音に気をつけましょう。

Ex1-fからEx1-iは手足を混ぜてのパターンです。ここからはドラム・セットを使って練習していきます。

Ex1-f:ライト・ハンド……ハイハットと、バス・ドラムがピタッと合うように意識して演奏してみてください。

Ex1-g:レフト・ハンド……ライト・ハンドと同様に手と足がしっかりと合うよう意識して叩きましょう。

Ex1-h:ハイハット4 分刻み+バス・ドラム……4分音符をしっかりキープして叩きましょう。

Ex1-i:ハイハット8 分刻み&バス・ドラム……左手でハイハットを叩くとき、バス・ドラムがバシっと合うように注意しましょう。

ここまできたら、手足が多少自由に動くようになっていると思います。今挙げた以外にも思いついたフレーズがあれば試してみましょう。

LESSON 2

mi_dm_2010_07_score2

ここでは譜例2-1譜例2-2のリズム・モチーフを自分で発展させてさまざまなアプローチを考えてみましょう。Ex2-aEx2-bはその参考例です。

Ex2-aは、譜例2-1を発展させたもので、ルンバ・クラーベを元にしたリズムです。少し複雑ですが、ゆっくりなテンポから始めて、リズム・モチーフのアクセントに合わせられるよう繰り返し練習してみましょう。それができるようになってきたら自分なりに譜例2-1を発展させてみてください。

次のEx2-bは譜例2-2を発展させたもので、16ビートのノリのパターンです。タイトに叩くイメージで演奏しましょう。シンプルに2拍、4拍のスネア・ドラムのタイミングでバス・ドラムをリズム・モチーフに合わせて気持ち良いタイミングに入れられるようになったら、いろいろとフレーズを変化させてみてください。

まずはこのEx2-a、Ex2-bを演奏してみて、リズム・モチーフの発展させるイメージが固まってくるまで、フレーズをいろいろ試しながら繰り返し練習してみましょう。思いつくアイディアがあれば試してみて、それらがどのような曲に合うか、どんなテンションで演奏するかイメージしながら演奏してみると良いでしょう。自分なりにリズム・モチーフを発展させて、さまざまなアプローチを考えてみましょう。

LESSON 3

mi_dm_2010_07_score3

最後に譜例3を発展させたEx-3を題材に、自分でフレーズを組み立てていく練習をしましょう。

A、B、Cという各8小節のセクションがありますが、各セクションの7〜8小節目で変化をつけ、自分なりのフレーズを組み立てていきましょう。その際、次のセクションの8小節をどうプレイするかをイメージできていないとフィルインが入れられないので、次にどのようなビートになるかも考えてフィルインを入れてみてください。例えばA=静か、B=少し盛り上がる、C=盛り上がるといったように、大まかなイメージがあるとやりやすいと思います。

Aは静かなセクションをイメージして演奏し、Bでクローズド・リム・ショットを入れることでビートがはっきりとしていき、Cでスネア・ドラムが入って盛り上がるビートに……といったように徐々に変化させて演奏してみましょう。

自分でいろいろなパターンを探してプレイしてみてください。この練習は曲を演奏する際にスムーズに次のセクションに移れたり、曲が盛り上がっていくための良い練習になると思います。

最後に

今回はリズム・モチーフを元にフレーズを発展させる練習をしましたが、いかがでしたか? 曲をイメージした練習やダイナミクスをつける練習は大変有効だと思います。できるだけ曲の変化にスムーズに対応できるよう、いろいろなパターンの組み合わせやフィルインを試しながら何度も練習しましょう。

バンドでは、他のパートが言うことにもしっかりと耳を傾けて、どのようにすればわかりやすいかを自分で考え、より良い演奏ができるようになればと思います。じっくりと時間をかけて練習し、音楽を学んでいきましょう。

粟野昌良 プロフィール

pit_awano14歳の時、同級生の原田雅充の影響を受けドラムを始める、高校卒業後MIジャパン名古屋校へ入学。在学中から、多数のミュージシャンとのセッションを経験。自身のバンド「DayLight Ferver」では、’07年1月PS2ゲームソフト「ドラゴンシャドウ・スペル」のOP曲・ED曲を務め、メジャーデビューも果たす。

■この動画について

このページの動画に対応した記事と譜面は、『リズム&ドラム・マガジン2010年7月号』でごらんいただけます。

→『リズム&ドラム・マガジン2010年7月号』の詳細を見る

MI JAPAN OPEN HOUSE:3誌連動・動画クリニック

mijapan-footerlogo.jpg

MI Japanは、ハリウッドにある世界最大級の音楽学校MI(MUSICIANS INSTITUTE)の日本校として、全国6ヵ所に拠点を置くミュージシャン養成機関。

MI JAPAN各校の詳細はmusicschool-navi.jpで!

OPEN HOUSEロゴ

MI Japanのプログラムを1日に凝縮した体験レッスンのこと。レギュラー講師によるクリニックなどにも,レベルを問わず誰でも参加可能。参加には予約が必要。スケジュールなどは、http://www.mi-japan.com/event/open-house.htmlでチェック!

3誌連動動画クリニックに登場した講師陣のプロフィールはこちら

TUNECORE JAPAN