インワード・パラディドルを使ったエクササイズ/MI Japan ドラム・クリニック

MI JAPANドラム・クリニック by Y YOSUKE 2010年2月16日

LAハリウッドに本校を構える世界最大級のミュージック・スクール、Musicians Institute(MI)と直結した独自のカリキュラムで充実した授業を行い、数多くのミュージシャンを輩出しているMI JAPAN。経験と実力を兼ね備えた講師陣によるレッスンが魅力の本校レギュラー講師が、その授業の一部を誌上クリニックとして公開するこのコーナー。今月はMI JAPAN名古屋校、Y YOSUKE講師が、インワード・パラディドルを使ったエクササイズをレクチャーする。日頃MI JAPANでどのような授業が行われているか体験しつつ、とりかかってみよう。

はじめに

こんにちは。MI JAPAN名古屋校講師、Y YOSUKEです。

さて、スティッキングを使ったエクササイズにはさまざまなものがありますが、今回はMI名古屋校のエレクティブというクラスで実際に行っている授業の中から、4種類あるパラディドル(ストレート/RLRR LRLL、ディレイド/RLRL LRLR、リバース/RRLR LLRL、インワード/RLLR LRRL)のうち “インワードのスティッキングをどうロック・ビートのアプローチに生かすことができるか?” というテーマを元に、数種類のエクササイズをYouTubeの動画と共に説明したいと思います。

インワードを使ったエクササイズを行うことにより、アップ/ダウン/タップ・ストローク、そしてダブル・ストロークなどもレベル・アップしますので、ぜひチャレンジしてください。

▼対応動画【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/Y YOSUKE「インワード・パラディドルを使ったエクササイズ」

※エクササイズを始める前に:
どのエクササイズも、なるべくスロー・テンポからスタートし、徐々にテンポ・アップをしていくことで、ビートへのアプローチにつなげていくと良いと思います。
また練習時にクリックを使用する場合はヘッドフォン、もしくはイヤフォンを用いることをおすすめします。というのも、近年MTRや同期を使ったライヴ演奏が増えています。エクササイズを行うときから、実践時を考えて慣らしておくのも良いのではないかと思います。
とにかく大切なのはテンポ・キープをすること。これを第一にエクササイズを行ってください。

Lesson 1:4分音符で叩く

ではさっそくエクササイズに取りかかってみましょう。4種類のストロークのうち、ダウン・ストローク(高い位置からショットして、低い位置でスティックを止める)、アップ・ストローク(低い位置からショットして、高い位置にスティックを上げる)、タップ・ストローク(低い位置からショットして、低い位置でスティックを止める)をうまく使い分けながら、進めていってください。

■Ex-1(対応動画 0:51から):まずEx-1を見てください。手足を同時に動かしやすい任意のテンポを選び、タップ・ストローク(T)からスタートしてみましょう。大きな音量で叩くエクササイズも大切ですが、タップ・ストロークから始めることにより、ボリューム・コントロールの練習に役立ち、ゴースト・ノートを叩くときなどにも生きてきます。

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■Ex-2(対応動画 1:08から):上記のEx-1と譜面は一見同じですが、1拍目にアクセントが入っています。このアクセントを叩くとき、ここではダウン・ストローク(D)を使っています。このときのポイントは、ダウン・ストロークで腕を振り下ろしながら指を閉じることを意識し、アップ・ストローク(U)では指を緩めながら腕をしなやかに上げることです。詳しくはYouTubeの動画にアップしているので、参考にしてください。

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■Ex-3(対応動画 1:23から):上記のエクササイズができてきたら、ドラム・セットで叩いてみましょう。Ex-3は1拍目のハイハットと同時にバス・ドラムも入っています。Ex-2で解説していることを意識しながらトライしてみてください。譜面の2小節目は、スネアが1拍目にきていますが、ここではダウン・ストロークをしてください。アクセントを入れると難しい!と感じる人は、最初はノー・アクセントでトライしてみましょう。

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Lesson 2:8分音符で叩く

■Ex-4(対応動画 1:45から):ここからは8分音符でエクササイズをしていきましょう。Ex-4では、最初にEx-1で行ったエクササイズと同じように、タップ・ストロークからスタートします。Ex-1と比べると音が倍になるので、タップ・ストロークで叩く音が他と混ざらないように、スティックや手、腕を意識しながら、一定の高さでストロークし、この後出てくるアクセントとノー・アクセントの使い分けがキープできるように心がけてください。

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■Ex-5(対応動画 2:05から):上記のエクササイズに慣れてきたら、アクセントが入ったEx-5に移りましょう。4分音符を用いたEx-2の譜面では、小節のアタマにアクセントが入っていましたが、ここでは1小節の中に2つ、1拍目と3拍目にアクセントが入っています。このときも、アップ/ダウン・ストロークを意識しながら、スロー・テンポでスタートしてください。また、タップ・ストロークと書いているところでダウン・ストロークになりがちなので、きちんとタップ・ストロークで叩けるように注意してください。このエクササイズに慣れてきたら、アクセントの部分をタム、フロア、シンバルなどに置き換えて叩くのも良いでしょう。ともかく、ポイントとしては、アップ/ダウン・ストロークを意識しながらしなやかに手を動かすことです。

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■Ex-6(対応動画 2:24から):ではEx-5をドラム・セットに生かして叩いてみましょう。アクセントは1、3拍目にあるので、8ビートのハーフ・タイムになりますね。このエクササイズでは、スティッキングはもちろん、ストロークとハーフ・タイム・ビートのフィーリングを身につけてもらえたらと思います。また、最初からハイハットでプレイするのが難しいという人は、代わりにライド・シンバルを叩いても良いでしょう。ライド・シンバルを叩く場合、両手がクロスしない分、3拍目のスネアが叩きやすいと思います。

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■Ex-7(対応動画 2:45から):Ex-6だけではどうもピンとこないという方のために、ハーフ・タイムの中でどのようなアプローチができるか、その例を紹介します。Ex-7は2小節のハーフ・タイムで、3〜4小節目はEx-6と同じです。ハーフ・タイムでこの3〜4小節目を叩くポイントは、一定のテンポ・キープを意識することです。また、2小節目から3小節目に移る前にハシったり、モタったりしないように気をつけましょう。なるべくEx-6をクリアしてから進んでいくのがいいかと思います。

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Lesson 3:16分音符で叩く

■Ex-8(対応動画 3:06から):Ex-8の譜面は16分音符でのインワードになっています。こちらも前述のEx-1、4と同様にタップ・ストロークからスタートしましょう。音数が増える分、叩きにくいと感じる人もいるかと思いますが、ストロークを一定の高さでキープし、4分のリズムを意識しながらスムーズな16分音符を叩くように心がけてください。また、音数が増えるとスティックを握り込んでしまうという人は、なるべくリラックスしてプレイすることを心がけてください。

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■Ex-9(対応動画 3:19から):次の譜例は1拍ずつアクセントがあります。ここではアップ/ダウン・ストロークはもちろん、腕と肘をしなやかに動かすように意識してください。そしてダウン・ストロークの後にタップ・ストロークを叩くときは、スティックの位置が低めになるようなコントロールを心がけましょう。また、手と腕全体をリラックスさせ、スムーズな16分音符が出せるようにプレイしましょう。慣れてきたら、アクセントをタム、フロア、シンバル類に変えるのも良いでしょう。音数も増え、アップ/ダウン・ストロークも速くなるので、しなやかな手の動きに注意してください。

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■Ex-10(対応動画 3:33から):Ex-9に慣れてきたら、バス・ドラムやハイハットを加えて叩いてみましょう。この譜例を叩くときのポイントは、アクセントが出てくる1、2、3、4拍目のアタマと、その他のタップ/アップ・ストロークを叩き分けつつ1つのビートとしてアプローチできるようになることです。アクセントを意識しすぎてタップやアップ・ストロークが混ざってしまうのも良くないですし、意識しないのもぎこちなく聴こえます。なるべくならEx-1〜9をきちんとプレイできるようになってからこの譜例を叩いてみてもらいたいです。

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■Ex-11(対応動画 3:52から):この譜例はEx-9、10を合わせて叩いたものです。叩くときのポイントは、一定のテンポで前半の2小節と、スネアのみになった2小節をキープすること。また、叩くときにアップ/ダウン/タップ・ストロークがキレイでスムーズになっているかどうかも重要です。

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他にも同じスティッキングでアクセントを変えたもの、タム移動でのアプローチ、32分音符のエクササイズなどもYouTubeによる動画で紹介しておりますので、ぜひ参照してください。

最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。今回はインワードを使ったエクササイズの一部を紹介しましたが、他のシングル・パラディドルを上記に当てはめて練習するのも良いでしょう。またロック・ドラムのみならず、さまざまなジャンルでも生かしてもらいたいです。どの譜例もまずはスロー・テンポからスタートして、徐々にテンポを上げていくと良いかと思いますが、そのとき、フィーリングも大切ですよ。まずは何よりも楽しんでドラムを叩くことを一番にしてください。

YYOSUKE プロフィール

pit-yokoyama高校卒業同時に渡米。アメリカ各地旅をしながらセッションに明け暮れる。2001年Mark Schulmanの弟子となり。2003年L.A.Music.Academy卒業。後ラテンロックバンド、ECOBANDの正式メンバーとしてAlbum(Reportando)をリリース。メデイアにも出演。後に全米ツアーに出る。

活動中もTal Wilkenfeld,James Strohmeir,Philip Bynoeなどと共演。帰国後ライブ活動も始め、地元ホテルでの演歌歌手や大手企業などのパーティー演奏も始める。2006年よりPITインストラクターに。2008年redballoonの2ndアルバムに参加。Shinning Forceのサントラにも参加すると共に国内では宮崎隆睦、野々田万照、松田一志、林周平、石垣篤友、安井義博(OUTRAGE)、redballoon、Scott Henderson、Paul Jackson、Zaindre Yarbourogh,など数多くと共演。現在モーラー奏法の教育に熱を入れると共にVIC FIRTH社のアーティストとしても活躍中。

■本記事について

本記事は、『リズム&ドラム・マガジン2010年3月号』掲載のページを転載したものです。

→『リズム&ドラム・マガジン2010年3月号』の詳細を見る

MI JAPAN OPEN HOUSE:3誌連動・動画クリニック

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MI Japanは、ハリウッドにある世界最大級の音楽学校MI(MUSICIANS INSTITUTE)の日本校として、全国6ヵ所に拠点を置くミュージシャン養成機関。

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MI Japanのプログラムを1日に凝縮した体験レッスンのこと。レギュラー講師によるクリニックなどにも,レベルを問わず誰でも参加可能。参加には予約が必要。スケジュールなどは、http://www.mi-japan.com/event/open-house.htmlでチェック!

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