アクセント・コントロールを使ってハイハットでオシャレな雰囲気を作る!/MI Japan ドラム・クリニック

MI JAPANドラム・クリニック by 野口広明 2010年2月10日

LAハリウッドに本校を構える世界最大級のミュージック・スクール、Musicians Institute(MI)と直結した独自のカリキュラムで充実した授業を行い、数多くのミュージシャンを輩出しているMI JAPAN。経験と実力を兼ね備えた講師陣によるレッスンが魅力の本校レギュラー講師が、その授業の一部を誌上クリニックとして公開するこのコーナー。今月はMI JAPAN東京校、野口広明講師が、”ハイハットでオシャレな雰囲気を作る!”をテーマに、ダイナミクス・コントロールを身につけるためのエクササイズをレクチャーする。日頃MIJAPANでどのような授業が行われているか体験しつつ、とりかかってみよう。

はじめに

新年あけましておめでとうございます。MIJAPAN 東京校、PIT(Percussion Instituteof Technology)講師、野口広明です。

今回はさまざまな曲に対応しつつ、”ハイハットでオシャレな雰囲気を作る! ” をテーマに基本的なエクササイズを紹介していきたいと思います。ここで言う” オシャレな雰囲気” とは、ハイハットに表情をつけるということを指します。

” オシャレ” な雰囲気を作るためには一本調子で叩くのではなく、ダイナミクス(強弱)をコントロールすることが大切。それにより、より良いハイハット・ワークが生まれるんです。

今回このページで紹介するエクササイズを実際に練習してもらうことで、1人でも多くのドラマーにダイナミクスのコントはじめにロール方法を身につけてもらいたいと思います。

初心者の方はもちろんですが、中級以上の方も、フォームに崩れがないかをチェックしつつ、ここで紹介するダイナミクスをつけるためのストローク・エクサササイズを楽しみながら取り組んでください!

それではレッスンを始めましょう。

ハイハットのみで叩く

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ここではスムーズにダイナミクスをつけるようになるための基本となるストロークの説明をしたいと思います。

まずP68 〜69 のEx-1、Ex-2、Ex-4 を見てください。それぞれの譜面には、ハイハットの上にアクセントの位置が違う4 種類のパターンと、音符の下に”D”、”U”、”T”、”F” などの記号がありますね! これは、ストロークの種類を指しています。D =ダウン・ストローク、U =アップ・ストローク、T =タップ・ストローク、そしてF =フル・ストロークと合計4 つの種類があり、これを使い分けることによってダイナミクスのコントロールが可能となります。まずはこれらのストロークから解説していきましょう。

■ダウン・ストローク:
ハイ・ポジション(高い位置)からショットしてロー・ポジション(低い位置)でスティックを止めます。アクセントを叩いた直後にタップ・ストロークやアップ・ストロークを叩くためのストロークです。

■タップ・ストローク:
ロー・ポジションからショットしてロー・ポジションで止めます。ノー・アクセント音を叩くためのストロークです。

■アップ・ストローク:
ロー・ポジションからショットしてハイ・ポジションに上げます。アクセント音を叩くためのストロークです。

■フル・ストローク:
ハイ・ポジションからショットしてリバウンドを利用し、ハイ・ポジションまでスティックを戻します。連続したアクセントを叩くためのストロークです。

Ex-1a 〜Ex-1d の実際の動きは、動画を見て確認してください。

Ex-1a を(オルタネイトで)やってみて” 難しい〜” と感じてしまう方は、次のように練習してみると理解しやすくなると思います。例えば1拍における16 分音符のカウントの数え方を”1、2、3、4、” としてみます。カウントを声に出しながら右手のみの動きでダウン・ストロークを(カウント1)、アップ・ストローク(カウント3)のところで繰り返してみてください。そして慣れたところで(カウント2)と(カウント4)のところに左手のタップ・ストロークを加えてみると、Ex-1a の1 拍の動きが完成しますね。

また、このとき、ダウン・ストロークで低い位置(打面から2 〜3cm あたりの高さ)にスティックを止めることがポイントです! ショットの後にスティックが低い位置で止まらず、打面から10cm くらい上に上がってしまった場合、結果的にアップ・ストロークを叩こうとしてしまう動きになって、音を抑えられなくなり、ダイナミクスの幅を狭くしてしまう原因の1 つとなります! ちなみにここではハイハットのみでの表現となっていますが、タムやシンバルに置き換えるハイハットのみで叩くなど、ドラム・セット全体を叩くときにも同じことが言えるので、ぜひいろいろやって身につけてください!

そしてもう1 つ注意してもらいたいことがあります! 演奏する曲によってテンポはさまざまで、遅いものから速いものまでありますね。遅いテンポの場合はアップ・ストロークなど腕の上がり方にも気をつけるようになるので” 間” がとりやすくなりますが、逆に、テンポが速ければ速いほど、スティックの振り幅が小さくなるため、アクセントはつけにくくなります。音を出そうとして無理に振り幅を大きくしたり、押さえつけたりするとリズムが崩れる原因にもなります。小さな音(タップ・ストロークやアップ・ストローク)をコントロールすることでアクセントが際立ち、より良いダイナミクスが可能になるという発想で考えてみてください。その方が” 自分の表現” をしやすくなると思います。

▼対応動画 【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/野口広明#1「ハイハット基本のストローク」

スネアを加えて叩く

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ハイハットだけでのアクセントに慣れてきたところで、2拍目と4拍目にスネアを加えてストロークの変化を確かめてみましょう!

まずEx-2aを見てください。1拍の動きの中でストロークは”DTUT”を繰り返していきます。一見Ex-1aと変わらないように見えますが、2拍目と4拍目にスネアを叩いているため、ハイハットのアクセントが一部抜けましたね。まだストロークに変化は感じられないかもしれませんが、実はここに落とし穴があるのです。Ex-2a、Ex-2b、Ex-2dのパターンは、右手のスネアへのダウン・ストローク時にスネア上にスティックが待機しないことが重要なのです! すでに気づいた方もいるかと思いますが、スネアへのダウン・ストロークの後、ハイハットへの戻りが遅れれば遅れるほど、2拍目と4拍目のスネアの後の右手のタップ・ストロークが大きくなってしまうので注意して取り組んでください。

続くEx-2bのストロークは2拍の中で”TDUU、DDTU”という動きを繰り返します。ハイハットのアクセントは16分音符2つ目に出てきますね。Ex-2aと同様、ここでもスネアからハイハットへの右手の移動に注意してください。右手のスネアに気をとられて左手のダウン・ストロークとアップ・ストロークに区別がなくなると、気づかないうちにフル・ストロークのような動きになってしまいがちです。ゆっくりのテンポから挑戦してみてください。

Ex-2cは2拍の動きの中で”UTFT、FTDT”の2拍の動きを繰り返します。ハイハットの16分音符3つ目にアクセントが出てきますが、ここでフル・ストロークという動きが加わりましたね。2拍目と4拍目のハイハットにアクセントがつけられるようにスネアを叩いた後はしっかり振り上げてください。

Ex-2dは、2拍の動きの中で、ストロークが”TUUD、DUTD”の2拍の動きを繰り返します。ハイハットのアクセントは16分音符4つ目となりますね。ここでもスネアからハイハットへの動きを意識しつつ、左手のハイハットでのアップ・ストロークとダウン・ストロークにも注意してください。

▼対応動画 【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/野口広明#2「スネアを加えて叩く」

両足を加えて叩く

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Ex-2までの各パターンを安定して叩けるようになったら、Ex-1〜2の譜面に両足を含めたトレーニングもしていきましょう。

まずEx-3aを見てください。この譜面は、拍のアタマに4分音符でバス・ドラム、そして同時にハイハットを閉じたままカカトで踏むパターンです。譜面上では両足共4分音符の動きをするので難しく感じないかもしれませんが、両足が加わったときに両手のストロークが崩れないことが大事。左足はつま先(指のつけ根あたり)に重心を置き、ハイハットを開かないようにカカトで踏んでください。

続いてEx-3bではバス・ドラムを4分音符を踏みつつ、ハイハットを閉じたままカカトでも8分音符を踏むというパターンに挑戦してもらいたいと思います。ここでもつま先に重心を置きハイハットを開かないようにリズムを取りますが、後に左手のアクセントの位置で左足をコントロールできるようになったら、ハイハットのオープン・クローズもリズムが崩れないよう自然にできるようになるので、ぜひやってみてください! そのためにもカカトからの動きをしっかり身につけ、さらなるステップにつなげてみましょう。

▼対応動画 【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/野口広明#3「両足を加えて叩く」

4小節つなげてアクセント移動

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Ex-2〜3の各パターンに慣れたところで、4小節つなげて叩いてみたいと思います(Ex-4)。譜面を見てもらうとわかるように、小節から小節へ移るとき、ストロークに変化が表れてます。

まず1小節目のパターンは”DTUT”から始まり4拍目で”DTTU”と変化することで2小節目の16分音符2つ目のアクセントをスムーズに打てるようになります。2小節目は”TDUU、DDTU、TDUU”から3小節目の16分音符3つ目を打つために4拍目のストロークは”DDTT”と変化します。3小節目は”UTFT、FTDT”の2拍を繰り返して4小節目は”TUUD、DUTD、TUUD”から1小節目のアクセントを打つために4拍目が”DUUD”と変化します。上記の部分を頭に置いて、練習してみてください。

▼対応動画 【MI×ドラマガ】OPEN HOUSE/野口広明#4「4小節つなげてアクセント移動」

最後に

みなさんいかがでしたか? 今回はアクセントをハイハットに生かしたエクササイズを行いましたが、アクセントをつける重要性は伝わったでしょうか。ストロークの種類などたくさんあって大変かもしれませんが、習得することにより、曲に対するアプローチの仕方も格段に変わると思いますので、ぜひ頑張ってみてください! 今回のエクササイズがリズム&ドラムマガジン読者のみなさんに興味を持ってもらえたら幸いです。

野口広明 プロフィール

pit-noguti1976年生まれ福岡出身。

MI JAPAN東京校PIT終了後、ドラムマガジンのドラムコンテストにて池畑潤二賞獲得。声優さんのライブやレコーディングなどサポートメンバーとして活動。現在、藤岡幹大とともに「Trick Box」のドラマーとして大活動中。そのグルーブ感とテクニックは、世界レベル!・・・と業界関係者も絶賛。

 

■本記事について

本記事は、『リズム&ドラム・マガジン2010年2月号』掲載のページを転載したものです。

→『リズム&ドラム・マガジン2010年2月号』の詳細を見る

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