左足強化の決定版 レフト・ダブル・キック・エクササイズ!/MI Japan ドラム・クリニック

MI JAPANドラム・クリニック by 山部三喜男 2013年11月13日

みなさん、こんにちは。MI ジャパン福岡の山部三喜男です。“ 今回は一般向けではないのでは?!”と怒られそうな(?)テクニカル練習を紹介します。ズバリ、左足のダブル・キック・テクニックです。「それってあんま使わないし、右足のダブルでもまだ悩んでいるのに、まだ早いよ」と、思ってしまうドラマーにこそ挑戦してほしいテクニックです。

ある意味、普段よく演奏するようなことしか練習しないのは上達に限界がある面があり、逆にあまり一般的ではないものにこそ上達のヒントが隠されていると私は思います。右足のダブルの踏み方の見直しにもつながるので、ぜひ長期計画で挑戦してみてください!

基礎考察1〜ダブルの見直し〜

エクササイズを練習する前に、まず基本となるダブルの踏み方を検討してみましょう。ダブルのテクニックはだいたい次の3 種類に分類できます。

  • A:ヒール・ダウン(カカトが下に降りたまま)のダブル
  • B:ヒール・アップ(カカトが少し上がっている状態)のダブル(スライド・テクニック、スウィング・ステップ、スウィーベル・テクニック、etc……)
  • C:ダウン&アップのダブル<アップ・ダウン(トゥ・ヒール)テクニック、ダウン・アップ( ヒール・トゥ) テクニック>

これらを比較すると、A < C < B で速いスピードに合わせやすくなる傾向がある反面、身体のバランスの取り方が難しくなります。詳しい説明はここではできませんので、僕の動画か他の資料を当たってもらわないといけませんが、さまざまなシチュエーションに対応できるように、LESSON1以降の練習フレーズは、上記したテクニックのいずれか、もしくはどれでもできるように練習しておくことをお勧めします。すべて右足、左足問わず応用できます。

基礎考察2〜右足を軸足にする〜

さて、右利きの人は右足に比べて左足はなかなか器用に動かない、という方が大多数だと思います。これはなぜでしょうか? 長年身体の使い方などを研究してきた経験から言いますと、これは単に左足が良くないのではなく、右足をしっかり軸足にするのに慣れていないことから来ているのです。普段ズボンなどを履くときに、右足から脚を上げてはいませんか? サッカー・ボールを蹴るとき右足で蹴り

ませんか? これは普段(幼いときからの習慣で)、支えとなる軸自体を無意識に身体の左側に作り、身体を安定させてから手や足を使っているせいです。つまり身体の左側が固まっているということです。この事実を逆に利用して右側に軸を意識的に作る(右足一本でしばらく立つとかスクワット的な軽い上下動をする)と、左足で身体を支えるための固さから解放することが可能になります。ぜひ左足の練習の際、これらを前や間に挟みながら取り組んでみてください。徐々に左足が動くようになると思います(効果には個人差があります)。

LESSON1〜基本練習〜

それではいよいよ実践的なフレーズ練習に入りましょう。まずは左足のみのフレーズです。ツイン・ペダルを使用する、または左側にバス・ドラムを持ってくるなどして挑戦してみてください(フット・ハイハットに置き換えてもOK)。Ex-1a は16 分音符のダブルを拍のいろんな位置に入れる典型的な練習です。最初のうちは音量も出ないし、タイミングもヨレヨレかもしれませんが、根気良く練習すれば少しずつコントロールできるようになるのであきらめないでトライし続けてください。

Ex-1b はいわゆるシャッフルを左足で行うパターンで、ずっと持続するには余分な力みが抜けないといけません。

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LESSON2〜コンビネーション〜

右足のシングル、もしくはダブルとのコンビネーション・フレーズを練習してみましょう。Ex-2aは3 連符を右足のシングルと左足のダブルで踏むフレーズで、足順は3 種類ありますが、ダブルのタイミングが変わってもキチンと演奏できるようにするのがポイントです。Ex-2b は16 分音符を左右のダブルで踏む練習で、こちらの足順は4 種類。慣れるまではかなり難易度が高いと思います。

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LESSON3〜スピード・コントロール〜

次はスピードとタイミングのコントロール力をさらに高めるために、両足と両手のダブルのユニゾンでチェンジ・アップ&ダウンに挑戦してみましょう。Ex-3 は5 連符や7 連符などの奇数連符も加えた例で、どのタイミングにどちらの足の1打目、もしくは2 打目がくるのかをしっかり把握しないとでたらめになってしまうでしょう。

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LESSON4〜アドバンス・エクササイズ〜

最後に、慣れてくればこんなこともできるという例で、両足のコンビネーションをさらに高めるためのエクササイズをいくつか紹介しましょう。どれも相当難しいので、最初は足だけさまざまなテンポでじっくり練習して慣れてから両手を加えるようにした方が良いと思います。焦りは禁物です。Ex-4a はEx-2a で紹介した足順RLL を16分音符3 個ずつのグルーピングに当てはめた例で、なかなか高度な4 ウェイ感覚が要求される練習です。LRR の足順も併せて練習しておくと良いでしょう。Ex-4b は両足によるパラディドルで、シングルとダブルの切り替えを練習できます。Ex-4c は32 分音符のダブルを16 分音符の中に混ぜていく練習で、左足の速いダブルは超絶難しい?! Ex-4d、e は特に難しい練習で、スイス・アーミー・トリプレッツというフラム・ルーディメンツを足で行っています。これは左右のダブルを重ねた足順になっているので、ダブルのタイミングを安定させるのに持ってこいの練習だと思います。

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今回取り上げたテーマは、これまで紹介したテクニック、練習法の中でも特に難しい部類に入ると思いますが、ドラミング・テクニックは常に進化しており、昔に比べてドラミングの常識も変わりました。僕はまったくテクニック至上主義者ではありませんが、こうした変化があるからこそ音楽は面白いのだと思います。もちろん、歌心やグルーヴはより大事なのは言うまでもありませんね! また会いましょう。

本記事について

本記事は『リズム&ドラム・マガジン2013年11月号』掲載のページを転載したものです。

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