これぞバンド・サウンドが放つカウンター・パンチ! Foo Fighters「The Pretender」

きょうのMV by 土屋綾子 2013/12/19

バンドのミュージック・ビデオって名刺代わりの側面もありますよね。なのでそのサウンドをありのまま映像で観せるというのがまず1つの手法かと思います。きょうはその「ありのまま」を基本にしながらも、楽曲のイメージやバンドの方向性を演出で見事に肉付けしているMVを紹介します。

まずは映像を最後までご覧くださいね。

Director: Sam Brown

だだっ広い空間でフー・ファイターズの面々が演奏を始めます。真っ白な床に後ろは赤い壁、きれいに配置されたドラムとアンプ。シンプルだけど印象に残るセットです。このまま演奏が続くのでも充分カッコいい映像です……が、そこに現れたのは日本で言う機動隊のような完全防備の男性。「なにをやっとるんだ貴様は」と言わんばかりに演奏する4人をにらみつけていて、もうなんか制圧する気まんまんです。演奏してるだけなのにひどい!

「The Pretender」と題されたこの曲、タイトルは「詐称者」とか「不当な要求者」という意味を持ちます。動詞のPretendは「~のふりをする」。なんだかいい印象ないですね。歌詞を紐解いてみると、秘密を暴露される覚悟をしろ、という趣旨のことを言っていますから、この言葉はThe Pretender、この映像で言うとメンバーと対峙する30人以上もの隊員たち(が象徴するもの)に向けられているのでしょう。ボーカル/ギターのデイブ・グロールもマイクに噛みつかんばかりに怒りをあらわにしています。

にらみ合いの末、ついに警棒を振るいながら突撃してきた隊員たちにフー・ファイターズが食らわせるのは、対抗する暴力ではなく、演奏が具現化したカウンター攻撃です。背景のガラスがバリーン! と同時に赤い嵐がブシャー! それに飲まれるようにバタバタと倒れる隊員たち。彼らの気概、音楽の勢いが形になってThe Pretenderに迫ってくるのです。かっこいい! けど音楽やる人としては思わずには居られないことが……。
やめてーー! 楽器が機材が濡れてしまう~!!

彼らは演奏をしているだけ……ですが、それが力になりカウンターになるという意志を赤い嵐の演出で示している、と読み取れます。この楽曲は2008年にグラミー賞の最優秀ハード・ロック・パフォーマンス賞に選ばれました。

ちなみにフー・ファイターズは12月11日と13日にメキシコで1年ぶりとなるライブを行いましたが、実はその数日前に、カリフォルニアのライブスペースがあるピザ屋「Rock & Roll Pizza」でシークレット・ライブを敢行し話題になりました。そのときの動画は以下などいくつかあがっています。来年早々にはレコーディングを始めるという話も聞こえてきているので、新譜もそろそろ期待できそうですよ。

http://www.youtube.com/watch?v=ZvJQAOm9yOE
http://www.youtube.com/watch?v=fldMK9QJJkg
http://www.youtube.com/watch?v=jOhPgY3_SVc

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