ヴーと鳴り 皆が取り出す スマートフォン。キュウソネコカミ「ファントムヴァイブレーション」

きょうのMV by 土屋綾子 2013/12/18

丸めた新聞紙で現代社会の闇をたたっ斬るキュウソネコカミ「ファントムヴァイブレーション」のミュージック・ビデオは、サイケや映像美とはまた違った中毒性を持っています。スマホ・ユーザーならば誰もが元ネタを察して笑えてしまう映像の応酬。 ああ、また観てしまった……。

Director/Camera/Producer:加藤マニ

phantom vibration(ファントム振動)

ファントム振動とは、携帯電話のバイブレーション機能が実際には振動していない時に、振動しているかのように錯覚する体験のことである。
IT用語辞典 BINARY「ファントム振動」より引用)

あ、LINE来た……と思ったら隣の人の着信だったなんてことは、あるあるなんて甘っちょろいレベルの現象ではありませんでした。別名、幻想振動症候群。シンドロームですよ。現代人が抱えるカルマであり、みんな仲良くリアルに中2病ということなんですね。「ファントム(亡霊、幻影という意味)」って言葉も超かっこいい~。闇の力感じる~。そんな単語がタイトルに冠されたのが、キュウソネコカミの「ファントムヴァイブレーション」です。

キュウソネコカミは2009年に関西学院大学で結成されたヤマサキ セイヤ (ボーカル/ギター)、ヨコタ シンノスケ (キーボード/ボーカル)、オカザワ カズマ (ギター)、カワクボ タクロウ (ベース)、ソゴウ タイスケ (ドラムス)からなる5人組バンドです。10月にはファースト・ミニ・アルバム『ウィーアーインディーズバンド!!』を発売しました。
軽快に世の中をディスるヤマサキのパンチの効いた歌詞、うねるリズム隊と切れ切れのギターにポップなシンセが映える楽曲。ライブ・パフォーマンスにも定評があり、毎回変わるセット・リストや曲以外の演出もあって、いつでも楽しめるロック・バンドです。世の中を斜めに見つつ、怒りや疑問や妬みや悲しみを笑える音楽に変換する力、それがキュウソネコカミの魅力なのです。

131218-kyuusonekokami

このMVですが、曲の内容と映像がリンクし、かつ効果的な演出がなされています。日本に居れば誰もが確実に脳に刷り込まれているテレビCMや、IT系のプレゼンテーションやまとめサイトなどのネット的エレメントが料理され、圧倒的再現力・既視感を持って目の前に現れてくるのです。
パロディの極意は単純な模倣ではなく、抽出したポイントをいかにスマートに表現するか、にあるのではないかと思いますが、その点がこの映像の「何度も観ちゃう」に見事につながっています。そして気がつくと、あのマリンバ・モチーフのメロディと、このフレーズが頭に取り憑いています。“スマホはもはや俺の臓器”。

あと、こういう社会風刺ネタのときタイトルに五七五を使ってしまうのはサラリーマン川柳のせいだと思います!!

TUNECORE JAPAN