第1回:人はそれを「マシンガン」と呼ぶ

超絶スーパーテク大全 by 編集部 2013/03/26

類い希なテクニック、人間業とは思えないパフォーマンス、それらを総じて人は「超絶技巧」と呼ぶ。こと音楽業界においても、卓越した技術力や並外れたスピード奏法などをさして「超絶」と呼ぶわけだが、このコーナーではそんな「超絶」っぷりが表れた動画をプロ/アマ問わず、ガッツンガッツン紹介していきたい。

いろんなマシンガン・プレイ

一言で「超絶」と言っても、何がどう「超絶」なのかは、その時々で説明せねばならないだろう。誰々のギターはまるで○○のようだ、誰々のドラミングは○○奏法だ、などなど、人はさまざまな表現でその超絶ぶりを具体的に説明したりするわけだが、今回は、この○○によくある表現の1つとして「マシンガン」という言葉を当てはめてみたい。

例えば、ギターのプレイ、それこそピッキングにおいても、カッティングにおいても「マシンガンのようだ」という表現は実際にあるわけで、ギター以外、例えばドラムにおいても、「マシンガンのようなスネア連打」、「マシンガンのようなツーバス」などと言ったりもする。そう、「マシンガン」という言葉には、それなりの迫力と意味がありそうだ。ついでに、やたら便利そうでもある。

そこで、超絶系ギタリストのバイブルとも言える超人気教則本「地獄シリーズ」を手がける超絶系編集者のTAK鈴木氏に「マシンガン」という言葉で頭に浮かぶギタリストを聞いてみた。

鈴木「マシンガンという言葉に厳密な定義はないのですが、強いて言えば怒濤のような弦捌きという意味がこめられているように思います。まずマシンガン・ピッキングと言えば、ジョン・サイクスやザック・ワイルドあたりが浮かびますね。それからマシンガン・カッティングと言えば、”カッティングの鬼”と呼ばれるTMGEのアベフトシ。あと元ドクター・フィールグッドのウィルコ・ジョンソン。この2人はハズせないですね。」

タイガース・オブ・パンタンのギタリストとしてデビューした名手ジョン・サイクス。以降、シン・リジィ、ホワイトスネイク、ブルー・マーダー、とわたり歩き、現在はソロ・プレイヤーとして活動中。紹介した動画はブルー・マーダーの「ウィ・オール・フォール・ダウン」(1993年)。

オジー・オズボーンの「ミラクル・マン」(1988年)。オジー・オズボーン・バンドの新鋭ギタリストとしてデビューしたザック・ワイルド。今でこそ見た目も含めて貫禄たっぷりの野獣系ギタリストだが、動画の当時は、だいぶスリムな美しき野獣系だった。マシンガン・ピッキングもどこか麗しげなのは気のせいか。

カッティングの鬼こと、アベフトシ擁するTMGE(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)の代表曲「世界の終わり」(1996年)。日本屈指の骨太ロック・バンドだった彼らだが、ライヴではさらにその迫力が激化することでもお馴染み。アベフトシが「鬼」と評される所以は、彼の鬼気迫るマシンガンのようなカッティング・プレイによるもの。残念ながらアベは2009年に急逝したが、すさまじいマシンガン・カッティングは、今もさまざまな映像作品で確認することができる。

マシンガン・カッティングの開祖と言えば、ウィルコ・ジョンソン(1947年生)。

怒濤のようなカッティングが彼のギター・プレイの特徴だが、驚くことなかれ。ピックレス、そうつまり素手で弾くのがウィルコ流なのだ。大の親日家としても知られるウィルコだが、2013年1月、末期のすい臓がんであることを告白。しかし本人の意向で延命治療は行わずに現在も演奏活動を続けている。ギター・マガジン2013年3月号では、そんなウィルコの最新インタビューと奏法解説が収録されている。この動画もギター・マガジンの取材時に収録された”超”貴重な映像作品だ。

おまけ。やっぱり、男子にとって「マシンガン」っていうのは、ソソる言葉なんですね、世界的に。

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