第17回:ピクピクピクピク♪ピック弾きの達人たち

超絶スーパーテク大全 by やまもとげんたろう 2014/03/01

ベースには様々な奏法がありますが、なんとなく低く見られがちなのがピック弾きです。確かにスラップや2フィンガー(指弾き)と比べれば、ビギナーでもプレイしやすい奏法と言えますが、決して簡単なわけでも底が浅いわけでもありません。ピック弾きの不当なイメージを払拭するためにも、今回はピック弾きの達人をちょこっと紹介します。

 

まずはカルロス・ベナベン。去る2月26日にフラメンコ・ギターの巨匠パコ・デ・ルシアがお亡くなりになりましたが、その訃報を聞いてふと思い出したのがこの人です。彼は、パコが1981年に結成した自身のセクステットの一員で、チック・コリア(p)やマイルス・デイヴィス(tp)などとの共演歴もあるスペイン人ベーシスト。ジャズとフラメンコを橋渡ししたユニークなサウンドはもちろん、その華麗なピック弾き(&ラスゲアード)テクニックは注目です。

 

 

続いて、ジャズと言えばそれこそウッド・ベースにしろエレキ・ベースにしろ指弾きが大多数ですが、ピック弾きで孤高の存在となっているのが、スティーヴ・スワローです。長年のパートナーであるピアニスト、カーラ・ブレイとの活動が有名ですが、ゲイリー・バートン(vib)を始め多数のジャズ・ミュージシャンのサイドでも、印象的なピック弾きプレイを残しています。動画はジョン・スコフィールド(g)との共演。ホロウ・ボディのベースということもあって非常にアコースティックなウォーキング・ベースを聴かせてくれますが、独特なピッキング法にも注目です。

 

 

ロック方面でもひとり。ピック弾きのテクニシャンと言えば、やはりイエスのクリス・スクワイアははずせません。リッケンバッカーの低域と高域を独立出力した唯一無二のブリブリ・トーンは、アニメ『ジョジョの奇妙な冒険』のエンディングで聴いた人も多いでしょう。彼の場合、バンドの音楽性が音楽性だけに、変拍子も含んだテクニカルなプレイに注目なのはもちろんですが、意外とキャッチーなフレージング・センスも見過ごせません。しかしまあ、このゴリゴリ感はやはりピック弾きならではでしょう。

 

 

ピック弾きが下に見られる理由として、「ピック弾きはファンキーさやグルーヴィさが足りない」という声も聞きます。もちろんそれは大間違いで、ピック弾きでも充分ファンキーに、グルーヴィにプレイすることが可能です。その最たる例が、このキャロル・ケイ。彼女は60年代から様々なレコーディングに携わってきた伝説のセッション・ベーシストで、そのクレジット・リストにはビーチ・ボーイズやモータウン、サイモン&ガーファンクルなど錚々たる名前が並びます。この動画を観ても、まだピック弾きはグルーヴィじゃないなどと言えるでしょうか。

 

 

最後はちょっと風変わりなピック弾きベーシストをご紹介。動画は2000年代初頭に活躍した日本のガールズ・ロック・バンドStrawberry JAMのPVですが、このバンドのベーシスト“さち”さんは、なんとウッド・ベースをピック弾きという、前代未聞のプレイ・スタイルで注目を浴びました。ベースにはまだまだ多彩な表現方法があるもんです。ピック弾き“も”できるに越したことはありませんね。

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