おつかい4:ちびっこタイポップ「Plub」

いしいのおつかいミュージック by いしいこうた 2013/08/07

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無邪気な少年「Plub(プラップと読むようです)」の笑顔に惹かれて購入したCD。
右手には得意げに掲げられたトランペット。きっと彼は神童と呼ばれるような天才トランペット奏者で、美しい演奏が収録されてるのではないかと期待していたのですが、全然違いました。

今回も「おつかい1おつかい2」と同じく、レコード会社の在庫一掃セールで7バーツ(およそ23円 -2013年7月現在)で購入した1枚。聴いてみると、子供が歌う陽気なポップスでした。
ジャケットの男の子の曲であることには違いなのだけれど、トランペットの要素はどこにもありません

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ちなみに裏面はこんな感じで、熱心にゲームボーイアドバンスで遊ぶ少年。オモテ面ではまるでやんちゃなマイルス・デイビスという雰囲気だったのに、やっぱりお子様でした。ネクタイもかわいいトゥイーティーの柄になってるし。

トラック名とそれをGoogle翻訳にかけたものは以下の通り。

  • アーティスト名:Plub
  • アルバム名:Jathapat Part 2
  • リリース年:2003年
  • 曲名:
    1. จะหกขะล้มละ(Kaのは6%に低下した)
    2. เด๊อน้องเด้อ(デ私は言った)
    3. สี่ภาษารัก(愛の言葉)
    4. หนุ่มดอยเต่า(ヤングタオ)
    5. Teddy bear(テディベア)
    6. ผมขอโทษ(謝るよ)
    7. แหล่กล่อมหลาน(働きかけ孫に感謝します)
    8. ลิงจั๊กจั๊ก(モンキージャグヘッドジャグヘッド)
    9. แมงมุมลาย Oh Yeah!(ストライプクモうんああ!)
    10. ลาวดวงเดือน 2546(2546年にラオスの月)
    11. ลงที่เด็ก(子供に)

1曲目と2曲目のタイトルは何言ってんだかよくわかりませんが、その他の曲名には「」や「子供」という単語が入ってたりするあたり、自身の子供という立ち位置を売りにして芸能界でうまいことやってそうですね。7曲目の「働きかけ孫に感謝します」は、歌手として活動している自分を見守る祖父母の気持ちを代弁して、「なんでこんなにかわいいのかよ~」みたいなことを自分で歌っているのでしょうか

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10曲目の「2546年」はタイでは一般的な仏歴で、西暦では2003年のことを指しています。

当時11歳の彼は、まだ声変わりもしておらず、かわいらしい歌声でポップな曲調にもマッチしています。その後アメリカの高校へと進学するのですが、この頃からすでに英語は堪能だったようで、3曲目「愛の言葉」では

(http://music.gmember.com/สี่ภาษารัก-พลับ-จุฑาภัทร/Song-0301448901)

いつも僕はあなたの側にいるよ
あなたは僕を心の底からいい気分にしてくれる
だってあなたが好きだから
そう、愛してる
いつもあなたのことを想っているよ

という歌詞を英語で華麗に歌い上げています。

タイ語の部分は残念ながらどんなことを歌っているのか分からないのですが、この一部分だけでも母性本能くすぐられるバラードであるということが伝わります。

5曲目「Teddy bear」は、なんとロックの王様エルヴィス・プレスリーのカバー。

ああ、君のテディベアになりたいな

なんて歌っちゃってますよ。11歳の男の子が。ちょっぴり危うさすら感じさせられます。

インターネットで検索をするとエルヴィスそっくりの衣裳を着て歌う姿も見られます(http://www.google.com/search?q=”plub+teddy+bear”)。

9曲目「ストライプクモうんああ!」は童謡をアレンジした曲。

http://music.gmember.com/แมงมุมลาย-Oh-Yeah-พลับ-จุฑาภัทร/Song-0301428902
(もととなった童謡:http://www.youtube.com/watch?v=fgsnHVjt_pM

軒先に巣を作ったクモが雨で地面に吹き飛ばされ、しぶしぶ軒先に戻って巣を作るもまた雨に吹き飛ばされて……というのが永遠とループをする内容で、アメリカの童謡「Itsy Bitsy Spider」がタイ語に訳されたものが元になっています。

ループする曲の構造や、歌いだしのメロディーが日本の童謡「やぎさんゆうびん」にどことなく似ているのですが、無関係みたいです。

10年前のリリース時には11歳だったPlubくん。YouTubeには、この時期と思われる彼がドイツのテレビ番組に取り上げられ、クラスメイトと英語で話したり、バイオリンを弾いたり、演技をしたりとそのマルチタレントぶりを発揮する映像がアップされています(http://www.youtube.com/watch?v=_UAPV906GOA)。

しかし、このアルバム『Jathapat Part 2』をリリース後は一時音楽活動を休止していました。そしてアメリカの高校を卒業後、2011年に『Love Status』というコンピレーションアルバムに参加するかたちで一時的に復帰します。

19歳になり、すこしぽっちゃりとしていた少年だったのが、スラっとした好青年へと成長しメディアに現したのもつかの間、また学業に専念する為にアメリカへと渡り、現在にいたるまで活動を休止中のようです。前述のYouTubeでも「where is plub now?」といったコメントが付く(そしてそれに「アメリカ○○州の○○高校にいるよ(※当時)」と返信が付く)など、彼の復帰を待つファンは多いようです。

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今回の参考資料

いしいこうた

いしいこうた

1988年生まれ。編集者。Webマガジンの編集などを経て2013年3月より意味もなくバンコクへ引っ越す。編著書に『GIF BOOK』(BNN新社)など。環ROY『ワンダフル』MVには5秒間タイっぽい映像を混ぜておきました。



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