おつかい1:年齢不詳のタイ人女性5人組「BUDōKAN」

いしいのおつかいミュージック by いしいこうた 2013/04/25

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はじめまして!いしいこうたと申します。
これまで東京で書籍の編集などのお仕事をしていたのですが、この3月に特に理由もなくバンコクに引っ越してきました。まだこちらの生活に慣れないながらも、やっと身の回りの環境が整ってきたところです。
そこから、せっかくバンコクに住んでるんだからとお話を頂き、RandoMでこのような連載を始めることになりました。トンチンカンなことも多いと思いますが、温かい目で見守ってください。どうぞよろしくお願いします!

この連載「いしいのおつかいミュージック」は、タイのCDショップなどで目についたCDを、1,000円以内で購入しレビューするというものです。タイの音楽シーンについてまだまだまったく無知ですが、連載を進めるにつれて詳しくなっていければと思います。

さてさっそく第1回、紹介するのはこちらのCD。
レコード屋の在庫一掃セールで7バーツ(およそ22円 -2013年4月現在)で購入しました。

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女子と呼ぶべきかオバさんと呼ぶべきかわからない、年齢不詳な見た目をした女性5人が並ぶ右上に「BUDōKAN」の文字。

ん、ブドーカン?武道館?これがバンド名?
なんで再生紙のノートみたいな背景なの?
左上の、粘土にマッチをぶっ刺したみたいなものは何?
少し眺めるだけでいくつか疑問が沸いてくるジャケットですが、「BUDōKAN」というバンド名(?)から想像するにボーカルが日本語歌詞で歌うガールズ・バンドだったりするのでしょうか。

盤面のデザインは、しゃがみこんでメンバー同士で喋っている姿を切り取った1枚。日本でも、深夜のコンビニ前などで地元の高校生たちのこういう姿が見られるけれど、タバコをふかしたりしながらワルぶっている不良少女たちというよりは、奥様たちの井戸端会議のような、生活臭が漂ってきそうな雰囲気。おおかた近所のゴシップ情報でも交換し合っているのでしょう。

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また、ジャケットでは茶色がかった再生紙のノート風の背景だったのに対し、こちらは白色の紙の中綴じ製本のノートのよう。ケースからCDを取り出したとき、盤面の色が元々のもので、ジャケットは日焼けで黄ばんでしまったのか?と錯覚したけれど、そういうわけではなさそう。
ここにも粘土のようなものにマッチ棒を突き刺したオブジェが配置されている。……本当にこれは何なんだろう。バンドのシンボルマークなのでしょうか。

さて、どんな曲なのか聞いてみましょう。
MacにCDを挿入、iTunesでCDDBを取得すると以下の情報が出てきました。
まだまったくタイ語が読めず、意味が分からないのでGoogle翻訳で日本語にしたものも併せてコピペします。

  • アーティスト名:บูโดกัน(武道館)
  • アルバム名:เย้ เย(ああ、神様)
  • リリース年:2004年
  • 曲名:
    1. คนใจร้าย(つまり)
    2. เย้ เย(ああ、神様)
    3. บางคน(いくつかの)
    4. ร้องไห้ด้วยคน(誰かと泣く)
    5. น้องริวจิ(私はリュ·ジン)
    6. ไม่เห็นใคร(私は反対だ)
    7. Nightmare
    8. ไดโนเสาร์(恐竜)
    9. ใจ(心)
    10. อย่าจากบ้านไปนานๆ(家を参照してくださいしないでください。)
    11. เหนื่อยหรือเปล่า(疲れていたりしない)
    12. เป็นเพราะใจ(それがあるため)

あ、やっぱりアーティスト名は「武道館」なんだ。
このアルバムがリリースされた2004年というと、日本では大塚愛やORANGE RANGEがヒット曲を連発していた年。SMAPは「世界に一つだけの花」を歌っていた頃。
トラックリストを見るとなんだかメランコリックな曲名が並んでいるから、多分どれもバラードなのだろうけれど、8曲目の「ไดโนเสาร์(恐竜)」が放つ異質さ、気になります。10曲目「อย่าจากบ้านไปนานๆ(家を参照してくださいしないでください)」は、気になる男子に家を参照してほしいけれどちょっぴり恥ずかしい、そんな揺れ動く乙女の気持ちでも歌った曲なのでしょうね。

実際に聞いてみると、ラテン風のメロディーのものからエレキギターをかき鳴らしたロックなものなど、アルバム内で様々な曲調を展開しているけれど、ボーカルのしっとりとした歌声で全体的に落ち着いた印象。
収録曲のうち、3曲目「บางคน」はYouTubeにアップされているカラオケ映像を見つけることができ、誰がどのパートを担当しているのかこれでやっと確認できました。ボーカル以外には、ギター、ベース、ドラム、キーボードの編成です。

どんな内容を歌っているのか理解ができないのが残念ですが、ぽっちゃり系のボーカルがうつむき加減で、なにかを憂えるような表情で歌っている様子から、哀しげな雰囲気が伝わってきます。

ちょっと情報が少なすぎるのでGoogle様の力をお借りして調べると、なんでも「BUDōKAN」というバンド名は「いつか武道館でライブをやりたい」という目標が由来なのだとか。 また、ボーカルのインディラさんの右腕には「ぶどうかん」とひらがなでタトゥーが彫られているとのこと。ヤル気満々ですね。

最近はリリースがないみたいですが、目標を忘れずに活動を続けていれば、いつか武道館でライブをする日が来るかも。楽しみですね!

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今回の参考資料

いしいこうた

いしいこうた

1988年生まれ。編集者。Webマガジンの編集などを経て2013年3月より意味もなくバンコクへ引っ越す。編著書に『GIF BOOK』(BNN新社)など。環ROY『ワンダフル』MVには5秒間タイっぽい映像を混ぜておきました。



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