LOVE1:ド直球「I LOVE YOU」の効果的な使い方

I LOVE YOUから始める英詩のレトリック by 中山美樹 2013/02/22

love

古今東西、幾多の愛の歌が生まれては消え……。じゃあ、世の中にはどんだけ愛の表現があるの?という疑問からスタートしたこの企画。欧米の新旧ヒット曲から隠れた名曲まで、特に印象的な愛の英詩に注目して、「こんな表現あるよ〜」とお伝えするLOVEてんこ盛りコラムの始まり♪

第1回はこのコラムのテーマ(と勝手に決めた)のこの曲、ポール・マッカートニー&ウイングスの「Silly Love Songs」。

Paul McCartney & Wings
「Silly Love Songs」

キーワードとなる「I love you」は普段使いの愛情表現で、みんなが一番よく知っている言葉だよね? まさにド直球。説明の必要なし(笑)。

でも、途中に出てくる「I can’t explain the feeling’s plain to me, so can’t you see?」は「この強い気持ちを自分でも説明できないから、君にも伝わらないのかな?」という歌詞。「be plain to〜」は明らかな、明白なという意味。「僕にははっきり分かっているこの気持ちだけど、上手く説明できないから……君も気付かないのかな?」と、恋心が伝わらないもどかしさを歌っているわけ。そして……えぇい、説明できないならハッキリ言っちまえ!とばかりの「I love you」。これで伝わらないなら打つ手はないよね(笑)。

LOVEという言葉だけが愛情を表す言葉にあらずなんだけど、ド直球の「I love you」であっても、それを際出立せる前振りがあってこそ効果を発揮することを教えてくれるのが、この「Silly Love Songs」ね。さすが Sir Paul McCartney、簡単な言葉で効果的にemotion(感情)を表すのが本当にお上手。難しい単語を羅列して自己満足にひたるんじゃなくて、分かりやすい言葉で感情を伝える……コレ、歌詞だけじゃなくて人生においても大事、大事!

ホント、おバカ(=silly)なラブソングが世間に蔓延したっていいじゃない。 NO LOVE, NO LIFEだもの♪ ねっ、そうでしょ?

中山美樹(Miki Nakayama)

ミュージシャンの取材に特化した通訳/翻訳というマニアックな仕事を1980年代終わりから続けている。これまで取材通訳、電話取材、インタビュー翻訳をしたアーティストは数知れず。歌詞対訳したアルバムも数多く、近年は日本人アーティストから歌詞英訳の依頼もしばしば舞い込み、レコーディング時の発音指導も行っている。その愛情あふれる通訳/翻訳でミュージシャン、ライター、編集者からの信頼も厚く、取材現場やライブ会場で仲良しミュージシャンとハグする姿がしばしば目撃される。書籍『ミック・カーン自伝』(リットーミュージック刊)の翻訳も行っている。

TUNECORE JAPAN