LOVE25:君と僕だけしか見えないんだ!

I LOVE YOUから始める英詩のレトリック by 中山美樹 2014/02/16

欧米の新旧ヒット・ソングから隠れた名曲まで、特に印象的な英詞を紹介するLOVEいっぱいのコラム『LOVEレト』。25回目はアメリカのオルタナ・バンド、ライフハウスの「You and Me」。これは2005年リリースの3枚目のアルバム『Lifehouse』からのファースト・シングルで、それまでの彼らの音を極限まで削ぎ落としたメローなラブソングとしてアメリカで大ヒットしたもの。

「You and Me」by LIFEHOUSE

 

Valentines Dayに贈る甘々のLOVEソングを考えて思い浮かんだのがこの曲。ストレートに「I don’t know why I can’t keep my eyes off of you」(どうしてか分からないけど 君から目を離せないんだ)と切々と歌うストレートな歌詞なの。Intro→verse→chorus→verse→chorus→bridge→verse→chorus→outroというtraditionalなポップ/ロックのフォーマットに則っていて、余計なことを一切していないから、派手さはないけど、スーッと心に染み込んでくるパワーを持っていると思うの。

What day is it? And in what month?(今日は何日? 何月?)
This clock never seemed so alive(毎日がこれまでにないくらい活き活きとしているのさ)

歌い出しから「夢中になっている」感バリバリね。「This clock never seemed so alive」は直訳すると「この時計がこんなに活気づいていたことなんて一度もない」だから、日本語らしくすると上の訳になるの。そして続くのが……

I can’t keep up and I can’t back down(前進も後戻りもできなくて)
I’ve been losing so much time(長いこと時間の感覚がないんだよ)

時間の感覚を忘れるくらい「君」に夢中になってしまった=君のことばかり考えているってこと。その理由が……

It’s you and me and all of the people with nothing to do, nothing to lose
([この世の中にいるのは]君と僕 そして目的も失うものもない他の人たち)
It’s you and me and all of the people
(君と僕 そして他の人たち)
I don’t know why I can’t keep my eyes off of you
(どうしてか分からないけど 君から目を離せないんだ)

「君と僕」以外は別の括りとすら言い切る「僕」。「I can’t quite figure out」(よく分からないけど)「Everything she does is beautiful」(彼女の一挙一動が美しくて)「Everything she does is right」(彼女の一挙一動が正しいのさ)。ここまでhead over heels(首ったけ)になるくらい愛する、そしてそれを言葉で伝えるって素敵なことでしょ?

 

Valentines Dayは性別関係なく愛する人に気持ちを伝える日。この特別な日に想いを伝え合って、素敵な時間を過ごした人がたくさんいたことを願うわ。Happy Valentines Day to everyone!!!

中山美樹(Miki Nakayama)

ミュージシャンの取材に特化した通訳/翻訳というマニアックな仕事を1980年代終わりから続けている。これまで取材通訳、電話取材、インタビュー翻訳をしたアーティストは数知れず。歌詞対訳したアルバムも数多く、近年は日本人アーティストから歌詞英訳の依頼もしばしば舞い込み、レコーディング時の発音指導も行っている。その愛情あふれる通訳/翻訳でミュージシャン、ライター、編集者からの信頼も厚く、取材現場やライブ会場で仲良しミュージシャンとハグする姿がしばしば目撃される。書籍『ミック・カーン自伝』(リットーミュージック刊)の翻訳も行っている。

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