Wata Igarashi―リズム・マシン&DAWを組み合わせたハイブリッドなDJ&ライブ・セット!

Live Machine Report by 伊藤大輔 2014/03/03

140226-wataigarashi-main

今回より始まったエレクトロ・ミュージック系のアーティストのライブ機材を紹介していく連載コラム、Live Machine Report。第一回で紹介するのは、年末に西新宿LouverでDasha RushとCio D’orを招聘して開催されたテクノ系イベント、S.S. vol.002 Year End Specialにて、アンダーグラウンドなテクノを主軸としたライヴ/DJセットを披露した、Wata Igarashiの機材を紹介します。

  • Artist:Wata Igarashi
  • Date:2013.12.28
  • Venue:Louver

今回使われていた機材

  • ACIDLAB Miami(リズム・マシン)
  • APPLE MacbookPro with ABLETON Live(コンピューター&DAWソフト)
  • KORG Kaoss Pad(エフェクター)、nanoKONTROL2(MIDIコントローラー)
  • BOSS Digital Reverb(リバーブ)
  • NATIVE INSTRUMENTS Audio8(オーディオ・インターフェース)
  • MACKIE 1402-VLZPRO(ミキサー)

140226-wataigarashi-1

こちらは機材全景の写真。コンピューターとアナログのマシンを併用するというハイブリッド・スタイル。ここでの注目したいのは写真手前のリズム・マシンACIDLAB Miami。ROLAND TR-808のクローン・モデルで、オリジナルよりもキックのディケイを伸ばせたり、ライブ向けの工夫が施されています。ちなみにWataがMiamiを購入したのは「TR-808のサウンドが好きだけど、ビンテージ・マシンはあまり持ち出したくないのと、MiamiはMIDIに対応しているのでライブで扱いやすいし、キックのディケイが長く設定できるのと、音のヌケがハンパなく良いから」だそう。なるほど、もちろんTR-808にはビンテージならではの魅力がありますが、現場での扱いやすさとなれば、クローン・モデルに軍配が上がるのも納得です。

140226-wataigarashi-2

WataはMiamiでビートを鳴らしつつも、その他の音は右手のAPPLE MacBookのABLETON Liveから出力していました。Miamiの手前にあるのがLiveのコンローラーとして使用しているKORG nanoKONTROL2で、Miamiの隣にはエフェクターの定番モデルKORG Kaoss Padが置かれていました。今回はDJ&ライブというセットでしたが、DJに関してはABLETON Liveで行っていたようです。

140226-wataigarashi-3

MACKIEの裏側に目をやるとBOSS Digital Reverb RV-3と、オーディオ・インターフェースNATIVE INSTRUMENTS Audio8を発見。RV-3はセンド/リターン用のエフェクトとして、ライブ中のダブ処理などに用いています。MiamiやLiveの音声はミキサーMACKIE 1402-VLZPRO(写真左上)に入力され、エフェクトのセンド/リターンやEQを用いて音色をコントロールするといったもの。ちなみにWataはABLETON Liveのみでライブを行う際にもMACKIEのミキサーを使用するようですが、その理由は”ライブ感”にあるよう。やっぱりコンピューターとMIDIコントロールだけではちょっと多少味気ない……というのも分かりますね。

要所にアナログを配した、理にかなったミニマル・セット

Wataが持ち込んだライブ・セットは要所にアナログ機材を配したミニマルな機材ですが、リズム・マシンにMiamiを使ったりとこだわりのあるセレクトでした。今回のセットはDJ&ライブ・セットでしたが、もしこれでDJをアナログでやろうと思ったらこの機材とあわせてレコード……となると、機材車が無いと運搬は難しいですよね? そういう意味でも都心のクラブでやるセットとしては機動性にも優れた、非常に理にかなった機材セレクトだと言えます。ライブではMiamiのビートを主体にしたミニマルな音像で、じわじわとフロアを盛り上げていました。808のクローンらしく張りがありつつも伸びのあるキックは、Louverのハンドメイド・スピーカーKannon Soundとの相性も良く、音量もちょうど良い塩梅。しっかりと音にハマって踊れるグルーブを巧みに作り出していました。同じ質感のキックで延々と踊れるのはリズム・マシンを使ったライブならでは。S.S. vol.002は年末の注目パーティーだったこともあり、フロアは早めの時間帯から大盛況で、Wataのライブセットに続くDasha Rush、Cio D’orも素晴らしいパフォーマンスを見せていました。

Wata Igarashi

140226-wataigarashi-ph

いがらし・わたる●作曲家、アレンジャー、ギタリスト、DJ。ロンドン~スペインで少年時代を過ごしたのちに15歳の頃にギタリストを手にし、パンク・バンドでの活動を経てジャズへと傾倒する。その後は作曲家としてキャリアを積み、トヨタやソニーなどのテレビCM音楽の制作などをはじめ、イベントやショー音楽などにも関わる。自身の活動としてはテクノ~エレクトロ・ミュージックのプロデューサー、アンダーグラウンドなテクノを中心としたパーティーDroneの主宰を務める。これまでにアナログやデジタルでの作品をリリースしており、Mike Parker、故Dave TwomeyとのスプリットEP『Mariana Wax 000』、近作では『Counter Pulse Series, Vol.8』などがある。

http://www.wataruigarashi.com/

 

140226-wataigarashi-jk

『Gynoid 100 Vol.1』
V.A.
Beatport

TUNECORE JAPAN