佐久間正英による1晩1作曲×1000……「おやすみ音楽」通算1000夜記念ライブ「Goodnight_to_followers 1001夜」レポート

コラム by 編集部 2012/11/20

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毎晩1曲をネットにアップするという「おやすみ音楽」通算1000夜を達成。それを記念して「Goodnight_to_followers 1001夜」が、渋谷の Last Waltz by shiosaiで行われた。その模様をお届けしよう。

「偉大なプロ・ミュージシャンとは、どんな人か?」と言う質問に対し、みなさんはどう答えるだろうか。「センス」……これは主観的なので、フェアな判断ではない。「セールス」は、プロモーション方法などのウェイトも大きいので、やはりフェアではない。そこで、私は「長い期間、活動している」というのが、偉大なプロ・ミュージシャンの条件と考えている。「長期の活動=長い間、その演奏が必要とされてきた証拠」だからだ。実際、B.B.キング、ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトンなど、長年のキャリアを持っているアーティストは総じて偉大だ。そして、この条件を満たすひとりに佐久間正英がいる。

そんな彼が、近年、継続的に取り組んでいるのが「おやすみ音楽」だ(http://masahidesakuma.net/goodnight-to-followers.htmlで全曲試聴可能)。これは、おもにツイッター(https://twitter.com/masahidesakuma)のフォロワーに向け、毎晩、欠かさず1曲ずつ新曲を届ける企画である。毎晩1曲ということ自体がヘヴィだが、この企画にはもっと凄いことが隠れている。プロ・ミュージシャンは音楽を仕事にしている関係上、日中の大部分が音楽に費やされる。よって、寝る前ぐらいは「スイッチ・オフ」状態にしたいと思うだろう。しかし、「おやすみ音楽」を行なうと、それが許されない。つまり、寝る寸前まで仕事状態となるわけだ。それを毎晩続けることがどれほどハードかは説明するまでもないだろう。

さて、その「おやすみ音楽」が、 2012年11月14日、通算1000夜を達成した。それを記念し、ライブ・イベント「Goodnight_to_followers 1001夜」が、 11月15日に渋谷の Last Waltz by shiosaiで行われた(Ustreamで生放送もされた)。

このライブ・イベントの面白いところは、”基本的に”佐久間がひとりですべてを行なっている点だ。ギター、鍵盤楽器の演奏はもちろん、PAのコントロールも彼によるものである。なお、PAシステムはライブ・ハウスの機材ではなく、EXLIPSEのスピーカーを8個用意し、それをステージ上で佐久間がコントロールするという方法だ。

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ちなみに、「”基本的に”佐久間がひとりですべてを行なう」と書いた理由は、ゲスト・ミュージシャンが登場するためである。そのゲストは、佐久間がプロデュースしたアーティスト、dip in the pool、ゆあさみちる(blue et bleu)に加え、加茂フミヨシだ。 dip in the pool、ゆあさみちるが加わった曲ではボーカル曲、加茂が加わった曲は佐久間とのギター・デュオ形式で曲を披露してくれた。圧巻だったのは、加茂、佐久間の両名による「2012.09.25」という曲だ(http://soundcloud.com/masahidesakuma/2012-09-25mix)。この曲は、加茂が11拍子、佐久間が6拍子を演奏するポリリズムとなっている(つまり、「11拍子×6拍子=66拍」で1サイクルとなる)。ただでさえ難しい曲をゲスト・ミュージシャンとともに演奏するのは、かなりスリリングである。このように、精神面、リズム的にもスリルのある曲だが、呪文のようにくり返されるフレーズで独特の世界を作っていた点は見事だった。

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なお,ふたりが使用していたギター・アンプは,話題のKemper Ampである。今回のライブのように,幅広いサウンドを必要とする場合,重宝しそうなアンプだ。

このように,実験的な面も垣間見られる「おやすみ音楽」。今夜はどんな世界を見せてくれるのだろうか。そして、どのように発展していくのだろうか。今後が非常に楽しみである。

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