まだまだ知らないピックの世界、解剖! 形、厚さ、素材で選ぶ、自分に合ったピック探しのヒント

コラム by 西澤裕郎 2013/09/05

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こだわりの楽器を買ったら、ピックもそれに合ったものがほしくなりますよね。でも、「どのピックを選んだらいいのかわからない!!」「どれを使ってもそんなに変わらないんじゃない?」と思っている人もいるんじゃないでしょうか。そこで今回は、身近だけど意外と知らないピックの世界にご案内したいと思います。

そもそも世の中には、数えきれなくらいの種類のピックがあります。なんていったって、ドリンクチケットの代わりにピックを渡しているライヴハウスもあるくらいですからね。ということで、本稿では、形、厚さ、素材という3つの視点にわけて説明していきましょう。

ティアドロップ、おにぎり……
ピックにはどんな形がある?

まずは形から。ティアドロップ型、おにぎり(トライアングル)型、ジャズ型、サムピック型、マンドリン型などなど、形の種類を羅列しただけでも沢山の種類があることがわかります。一番オーソドックスなのは、ティアドロップ型と、おにぎり型です。
ティアドロップ型というのは、その名の通り、涙が落ちたときを模倣したような形をしたピックのこと。ピックの先端に向かうにつれてシャープになっていくので、弦へのひっかかり感は少なく、スムーズなピッキングが可能となっています。初心者にもオススメのピックです。

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おにぎり型は、三角形のおにぎりのような形をしています。そのため、3つの頂点のどこを使っても同じ感覚でピッキングができるすぐれもの。どこか一方が欠けてしまっても、他の先端を使えるというメリットもあり、こちらも初心者にオススメのピックです。

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ジャズ型は、ティアドロップの先を鋭くしたような形で、サイズがとっても小さいのも特徴的。ジャズ・ギタリストはもちろん、ハードロック、ヘヴィーメタル・ギタリストの愛用者も多いピックです。

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サムピック型は、親指にはめて使用するタイプのピックで、アコースティックギターや、エレキギターをフィンガーピッキングで演奏する際に使われることが多いピックになります。弾き語りのアーティストに多いかと思いきや、オルタナティブ・ロックをやっているギタリストでも使用している人をみかけることがあります。ちょっとおもしろいところでいくと、ミッキーマウスピック型なんかもありますし、さらにクイーンのギタリスト、ブライアン・メイは、イギリス6ペンス硬貨などの硬貨を使っていることで有名ですね。

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素早いストロークに向くのは?速弾きに強いのは?
ピックの厚さで変わります

続いては、ピックの厚さに注目してみましょう。厚さが変わると、弦を弾いたときのレスポンスが変わってきます。端的に言ってしまえば、薄ければレスポンスが遅く、硬ければ早くなります。厚さによって、大きく3つに分類するのが一般的です。0.5mm前後の厚さのものはThin、0.7mm前後の厚さのものはMedium、1.0mm前後の厚さのものはHardといった具合です。

薄いピックのメリットは、なんといっても軽い力で素早いストロークが可能ということ。そのかわり、ピックが割れやすく、大きな音が出づらいというデメリットがあげられます。
それに対して、厚いピックは、大きい音が出しやすいことと、ピックが割れにくいことがメリットです。強いアタック音が出せるというのもいいところ。ギターだと早弾やリフをメインに弾く人が使っていることが多いのも特徴的です。デメリットとしては、弦を押さえる左手に力が必要というのと、慣れないうちは落としがちというところ。

アコースティック・ギターを使っている人にとっては、ピックの厚みが音に影響するので注意して選びたいものです。アタック感のあるパーカッシブなサウンドが欲しい人は硬いピックを、繊細なタッチを求める人は薄くてやわらかいタイプがいいでしょう。
ちなみに、2.0mmという厚さ(!)のピックもあります。それくらい厚くなってくると、手を動かしたとおりにピックの先端も動いていきます。ということで、ピックの厚みは、求めるサウンドに大きな影響を与えるのです。

スタンダードなセルロイドから新素材まで……
ピックは何でできている?

そして最後は、素材です。厚みと同じく、素材を変えることで硬さや音色が変わってきます。要するに、同じ厚みのものでも素材が違えば硬さも違ってくるわけですね。弦をヒットするときの感触も変わってきます。いくつか例をあげてみましょう。セルロイド、プラスティック、ナイロン、べっ甲、ULTEM(ウルテム)、メタル素材、Derlin(デルリン)、アクリル、ポリカーボネート…… なかには石が素材になっているものなんかもあります。

上記にあげたなかの素材で、もっとも一般的なものはセルロイドです。柔軟性があって使いやすいということもあり、広く使われているピックです。他の素材も説明していきたいのですが、長短それぞれなので割愛させていただきます。例えば、べっ甲は自然素材のため品質にばらつきがあったり、ナイロンは硬めで磨耗に強いかわりにアタック感が弱いなど、それぞれなので、自分の相性にあったものを実際に手に取って探すのがよいでしょう。

ということで、ピックの世界について語ってまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
おまけやついで、なんて思っていたら大間違い。野球でいうところの、ピッチャーとキャッチャー、家庭でいうところのお父さんとお母さんのような関係。それが楽器と、その音色を高めるピックの関係なのです。あなたとともに過ごすピックをじっくりと探していくのがいいのではないでしょうか。

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こんな変わりダネピックも……

そして、そんなピック界に、新鋭が登場するこという噂が。実際にその情報を写真とともに手に入れました。本邦初公開!!

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じゃじゃ~ん。形をご覧ください。な、な、なんと「円形」!最初に説明した形について、一生懸命メモを取りながら読んでいたという勉強熱心なあなた、ごめんなさい!! そこに円形のピックも付け加えておいてくださいね!

なにを隠そう、このピックは、ギタリストの宮脇俊郎氏が考案した真ん丸ピックなんです。
宮脇氏によると「構想ウン年、試作しては失敗の繰り返し」だったとのこと。一見すると牛乳ビンのフタみたいですが(笑)、実はとっても役に立つピックなのです。記事内で触れましたが、硬貨をピックとして使っている事例もありますから、丸い形には可能性がたくさんあるのです(多分)。

▲宮脇俊郎氏

▲宮脇俊郎氏

それにしても、本当にピックとして作ってしまうとは!! これは、ブライアン・メイも絶対に使ってみたいのではないでしょうか!?

このピック、どうやったらゲットできるのか? それはリットーミュージックから11月頃発売になる新刊教則本と深~い関係があるのです。その使用法や効能、そしてどのようにして読者のみなさんの手元にお届けするのか……それは続報をお待ちください!!
奥が深いピックの世界。丸いピックとともに、もっと深い場所まで探っていってみませんか?

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