3日連続出演のSKINNEY LISTER、歴代の名曲で魅せたBjork/フジロック’13レポート

コラム by 土屋綾子 2013/08/30

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フジロック’13、2日目は昼間から雨模様。雨の勢いも強く、ほぼ1日中ポンチョに包まれていた。温存モードを取りつつ、LAMA、SKINNEY LISTER、Bjorkと周っていった。

ポンチョに包まれていると、自分が“守り&温存”モードになってしまって、移動するのも慎重になってきてしまう。雨と装備があるのでどうしても周囲との会話も減るので、集団でゆっくり黙々と歩いたり、落ち着ける場所でそれぞれがぼーっと佇んだり……。そんな状況とは対照的に元気なのは「もう結構雨に濡れちゃった人」。靴が浸水してしまった人、見るからにカッパの機能限界を超えた人の方が、ノリノリで踊って盛り上がっていたようにも思う(確かに体を温める必要がある。とにかく体調には十分気を付けて!!)。ちょっと楽しそうと思いつつ、無理せず会場をまわることにした。

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フジロックでも大忙しのお祭りバンド
SKINNEY LISTER

前夜祭のステージに突如現れた、踊り狂う花柄ワンピースの女性=ローナ・トーマス。フォーキーでありながら非常にタイトで高揚感を誘う演奏とあいまって、心をがっちりつかまれた人も多かったのでは? 今回イギリスから初来日を果たしたSKINNEY LISTER(スキニー・リスター)は、フジロックのステージだけで3度姿を現したが、筆者もご他聞に漏れず、再び彼らに会いにFIELD OF HEAVENへ行った。
ボーカル、ローナのワンピースの色は、今回は雨模様に合わせてかブルー(前夜祭は赤)。スカートは丈が短くて、このビジュアルがとてもかわいい。同じ形でいくつも持っているんだろうなぁ……絶妙なシルエット、見えそうで見えない感じがエロカワいい……(ついローナの話ばかりになってしまった)。
演奏されたイギリスのトラッド・ソングたちには、現地のパブに来た気分にさせられる。長く庶民に歌われてきた曲たちが、日本でもそのままの純度で受け入れられ、大合唱になる。お祭りが楽しいのは、どこでも一緒なのだ。
彼らはこの来日中(7月24日~29日の6日間)で、なんと15回もパフォーマンスを披露したという。取材対応で演奏込みのコメント映像も撮っているとのこと。来日前にその意気込みをYouTubeにアップしてくれた彼らだが、いくらなんでも元気すぎる……!

光と人の渦の中、見えた蜃気楼
LAMA

次はレッドマーキーへ、こちらも今年初登場となるLAMA(ラマ)。だが、その確固たる人気ぶりは会場からあふれる観客の数でうかがい知れる。フルカワミキと中村弘二が元スーパーカー、田淵ひさ子は元ナンバーガール、そして牛尾憲輔(agraph)は電気グルーヴのサポート・メンバーという、技術もセンスも併せ持った強力布陣で2010年に発足したLAMA。その活動はそのドリーム・チーム的な面子から、短期間な活動ではないかと思われていたが、2012年にアニメ『エウレカセブンAO』への楽曲提供、そして2枚目のアルバム『Modanica』リリースにより、コンスタントなものであるとの表明がなされた。そして、今回のフジロック。暑さにうだる会場に、フルカワミキとナカコーのボーカルが、蜃気楼のようにふわりと広がる。そうそう、この感じを味わいに来たんだ……じわじわと実感する。
ハイライトはラスト前、まばゆい光の中で演奏されたのは「Seven Swell」。1995年に発表された電気グルーヴのテクノ・アンセム「虹」を再構築した楽曲だ。そのサビが歌われると、観客のテンションは最高潮に達し、人の流れが激しい波を作る。その高揚のまま、ラストの「Dreamin」が終わり、メンバーが去ってもしばらく歓声と拍手が鳴り響いていた。

美しく、大きく、激しい。そしてやさしい”歌姫”
Bjork

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爆撃されたみたいな感動、と言ったらいいのか。美しさ、壮大さ、激しさ、それが音とビジュアルで迫ってきた、すばらしいステージを観た。Bjork(ビョーク)は小さな風船で形づくられた「DNAバルーンドレス」を身にまとい、アイスランドから女声コーラス隊「グラデュアレ・ノビリ(Graduale Nobili)」を率いて現れた。1曲目は新作『Biophilia』から「Cosmogony」、2曲目の「Hunter」をはさんで、再びBiophiliaからの曲が演奏される。「hidden place」などが演奏されると、観客から歓声があがった。Bjorkを長年愛する人、特に20代後半のファンにとっては、2000年前後のBjorkの楽曲は当時ティーンエイジャーだった自身の人生に鮮烈な影響を与えていると思う。「hyper ballad」のイントロで湧き上がった喜びの声は、それを表していた。さらに「Joga」で、あのアイスランドを思わせる風景が胎動するミュージック・ビデオがスクリーンに流された瞬間、声にならない感動がグリーンステージを支配した。
ステージ・パフォーマンスも圧巻だ。「Thunderbolt」では特注の巨大な「シンギング・テスラコイル」が現れてベース・ラインを奏でたり、グラデュアレ・ノビリはアンコールで、ただただ美しく「Oskasteinar」を歌い上げたり。
その中で、「アリガト!」と叫ぶBjorkのかわいらしい一面が、曲ごとに別世界に迷いこんだ心をやさしく元に戻してくれているような気にもなる。メンバー紹介の最後に「From Japan」と言って観客に向き合った姿にも、それを感じた。

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TUNECORE JAPAN