“初めて”からの6弦ベース入門/MI Japan ベース・クリニック

MI JAPANベース・クリニック by 小坪真吾 2012年10月25日

6弦ベースは難しい……本当にそうだろうか? 確かにテクニカルなプレイヤーに愛用者が多いのは事実だが、4弦と同じ”ベース”であることに変わりはない。ここで紹介する弾き方のツボを押さえて臨めば、より多彩で自由度の高い表現を可能にしてくれるはずだ!

INTRODUCTION

このセミナーにも3度目の登場になりました。MI名古屋校の小坪です。

今回は多弦ベース、そのなかでも特に6弦ベースに着目したレッスンをお届けしたいのですが……皆さんはこの楽器にどんなイメージを持っていますか?

多くの人が”弾きこなすのが難しい、上級者向けの楽器”だと感じていると思いますが、実際はそんなことはありません。弦が多かろうが少なかろうが、ベースはベースなのです。

今回はそんな苦手意識を克服して、6弦ベースという楽器をより身近に感じてもらうためのポイントを伝授していきたいと思います。

 

【MI×べーマガ】OPEN HOUSE/ 小坪真吾「”初めて”からの6弦ベース入門」

基礎篇:6弦への苦手意識を克服する!

1:演奏フォームのポイント

先にも言ったとおり、6弦も4弦もベースはベース。同じ楽器なのです。6弦だからと言って特別な弾き方をするというわけでもなく、演奏フォームにしても基本は4弦と同じです。ただ、6弦は弦の数が多い=ネックの幅が広いという違いがあるので、その点には注意が必要。

ポイントはふたつで、まず左手は指を立てて、写真1のように指の腹ではなく先端で弦を押さえるように心がけましょう。ネックの幅が広いからといって指が寝てしまうと、余計なノイズの原因になりやすいので注意してください。右手はなんといってもミュートで、フレーズに関係のない音やノイズが出ないようにすることです。

【写真1】左手は指を立てて先端の部分で押さえることが大事。腹で押弦すると、ノイズの原因になるので注意しよう。

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僕の場合は写真2のように親指を寝かせて添えることで、効率的にミュートできるようにしています。このあたりは4弦とは少々違った動きになりますが、慣れてしまえば問題ないでしょう。

【写真2】右手のミュートは、親指の側面を弦に触れることで行なう。4弦ではあまりないフォームなので慣れが必要だ。

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2:指板上の音の並びを把握する

あらゆる楽器を演奏するときに言えることですが、”どのポジションから、どの音程が発音されるか?”を理解しておくことは大切です。特に6弦ベースでここがあいまいだと、せっかくの広い音域を生かすことができません。図1のダイアグラムがレギュラー・チューニングの6弦で出せる音程で、これを最初に丸暗記してしまうことをオススメします。

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一見ややこしいですが、4弦ベースの低音域にB弦(ローB)、高音域にC弦(ハイC)が増えただけだとわかれば理解しやすいですよね。

ここでひとつ、指板上のポジションを把握するためのエクササイズを紹介します。Ex-1は1弦から6弦までを使った3オクターヴにわたるメジャー・スケールのフレーズですが、大切なのは運指を形で覚えずに”自分が今、どの音程を鳴らしているのか?”を常に意識しながら弾くこと。慣れてきたらキーをいろいろ変えてチャレンジしてみるのもいいでしょう。

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3:ミュートの注意点

最初に触れたとおり、多弦ベースの演奏において最も重要なことのひとつにミュートがあります。いかに必要な音だけを鳴らし、それ以外の音を鳴らさないようにするか、これが非常に深く、大切なポイントなのです。

そこで、ミュートのテクニックを鍛えるためのエクササイズにチャレンジしてみてください。Ex-2は前半にローB弦、後半にハイC弦を使います。

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このフレーズは休符を多用しているので、特に前半のB弦を弾くフレーズでは、両手を使ってしっかりとミュートしないと音が止まりきらないので注意しましょう。そして2小節から3小節にかけての弦移動フレーズでは、B弦からG弦(2弦)まで上昇しつつ、鳴らす必要のない弦のミュートに気を配らないといけません。この場合は左手をうまく使えるかがキモになります。

後半はC弦とG弦(1&2弦)をメインにしたフレーズですが、こういうシチュエーションでは右手の親指ミュートが役に立つのがわかってもらえると思います。”気づいたら関係ない音がずっと鳴っていた……”なんてことのないように気をつけましょう。

実践篇:6弦ベースを弾きこなせ!

それでは最後に、実践フレーズを弾いてみましょう。Ex-3は、6弦ベースの幅広い音域を活用したコード・プレイです。

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高音弦を弾くときにB弦開放の音を止めてしまわないように注意しながら、あいだの弦のミュートにも気をつけてください。

また多弦ベースの場合は、これだけ音程差があると弦の太さにもかなり差が出るので、どうしても音量差が出てしまいがちです。そういった音作りへの対策も大事で、コンプレッサーや空間系のエフェクターをかけるのも効果があります。

Ex-4は、すべての音をE弦とB弦(5&6弦)で演奏しています。

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余計な音が鳴らないようにミュートに注意しながら、とにかく実音と休符のメリハリをしっかりとつけるようにしましょう。太いB弦でのプリング・オフを多用するので、しっかり発音できるように押さえやすいフォームを工夫してみてください。

Ex-5は、6弦ベースならではの高音域を多用したコード&メロディ・フレーズです!

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ネック幅が広いため運指の感覚は4弦ベースと違いますが、ポジション移動で音が途切れることのなく、なめらかに弾けるようにしてください。

§

どうでしたか? 6弦ベースといっても、そんなに難しくないというのがわかってもらえたでしょうか? 個人的な意見を言えば、初めてのベースが6弦でも問題ないと思います。大切なのは”いかに弾き手がその楽器を使いこなせているか”ですから。皆さんも”自分にはまだ早い”なんて先入観は捨てて、どんどんチャレンジして、6弦ベースの世界を楽しんでください。

小坪真吾(こつぼしんご)プロフィール

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18歳でMI名古屋校に入学し、卒業後は様式美系HR/HMバンドRachel Mother Gooseに加入。東名阪を中心に全国でライヴ活動をするかたわら、発表会のバック・バンドなどの仕事もこなす。06年にはRachel Mother Gooseのアルバム『Signs』をリリースした。MI JAPANでは、スティーヴ・ハリスの奏法研究や基礎からの3フィンガー・トレーニングなどを担当。このセミナーには、2011年10月号以来3度目の登場だ。

本記事について

本記事は『ベース・マガジン2012年10月号』掲載のページを転載したものです。

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