左手の小技を駆使したヘヴィ・グルーヴ・リフ/MI Japan ベース・クリニック

MI JAPANベース・クリニック by 安井 義博 2012年4月20日

メタルやヘヴィロックのプレイヤーが奏でるリフは、どうしてあんなに重たく粘って聴こえるのか? 気になって真似てみても、同じニュアンスが出ずに悩んだ経験があるという人は多いはずだ。そんな疑問も、今回のセミナーを読めばスッキリ解決すること間違いなし!

INTRODUCTION

皆さんこんにちは、MI名古屋校の安井です。今回はハンマリング、プリング、スライドといった左手の小技を使った”ヘヴィ・グルーヴ・リフ”のトレーニングを紹介します。

その名のとおり、リフをヘヴィかつグルーヴィに弾くに当たって大切な要素は、うねるようなリズムと微妙なニュアンスづけです。ピッキングが走るとうねるリズムは生まれませんし、左手の動きが適当だと重さを出すことも難しいでしょう。

こういったニュアンスを表現できるようになるため、しっかりとトレーニングしましょう!

 

【MI×べーマガ】OPEN HOUSE / 安井 義博

EXERCISE:ヘヴィ・リフを重たく聴かせるポイントを伝授!

Ex-1:まずはストレッチで指慣らし

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本題に入る前に、まずはハンマリング、プリング、スライドを使った左手のストレッチを取り上げます。なお今回のセミナーはピック弾き、指弾きのどちらで弾いてもかまいません。

まずはクリックを用意して、あまり速くないテンポ(♩=60〜80)に設定し、8分音符のタイミングで鳴らしてください。そのうえでEx-1を弾いてみましょう。このとき、足は4分音符のタイミングでステップしてください。最初の1&2小節はスライド中心で上昇&下降、3&4小節はハンマリングとスライドで上昇、スライドとプリングで下降しています。

注意点としては、スライドやハンマリングなどを入れたときにリズムが跳ねたりしないようにすること。加えて、左手の親指をしっかりと安定させることです。親指が安定していないと指がネックからブレてしまい、結果としてリズムに悪影響が出ます。これらのポイントがしっくり馴染むまで、根気よく練習してください。

Ex-2:ハンマリングとプリングを使ったリフ

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それでは、実際にリフを弾いてみましょう。ここからは僕が所属するOUTRAGEや、パンテラの楽曲からフレーズを引用していきます。

Ex-2はハンマリングとプリングを使った、1小節完結のリフ・パターンです。手順は4弦開放を鳴らして3弦でハンマリング&プリング、そしてニュアンスづけのために4拍目にグリスを使います。このグリスは1拍目のEの開放につなげるイメージで、グルーヴィになるように追求してみましょう。

足は4分音符でステップしながら弾いてほしいのですが、このときに2拍目ウラと3拍目ウラのE音(3弦7フレット)が突っ込んだりもたったりして、跳ねないように注意してください。

グルーヴの感じ方としては、ウラの音符のときにつられないよう、しっかりと4分音符を感じて弾きましょう。

Ex-3:スライドを使ったリフ

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Ex-3はスライドを使った2小節パターンのリフ。小節をまたぐフレーズなので、運指がもつれないように注意しましょう。リズムにヘヴィな印象を出すために4分音符でノリつつ、細かなフレーズなので16分音符を感じることも大事です。

コツとしては体全体で4分を感じ、足は4分のオモテを強くした8分音符でステップして、アタマや指などで細かい16分を感じること。クリックは”カコッコ、カコッコ……”といったビートで鳴らすとわかりやすいと思います。グルーヴをつかむまではしっかりクリックに乗れるように意識して、シンコペーションやウラ拍にくるアクセントにつられないように気をつけてください。

また左手はかなりスライドが多いので、親指をしっかり安定させ、ムダな動きが出ないようにすることも大事です。ピック弾きのプレイヤーなら、体のノリに合わせてダウンで弾くと良いグルーヴになるでしょう。

Ex-4:ハンマリングとスライドを使ったリフ1

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Ex-4は、スライドとハンマリングを組み合わせたリフです。1小節は全音下からのスライドでE音を、その半音下がったところからまた全音スライドでE♯を鳴らし、2小節は同じ音程差をハンマリングで弾いています。このフレーズの場合は、左手の親指をしっかりと安定させることが特に大事です。遅いテンポから練習して、馴染んだらテンポを上げてみてほしいのですが(♩=100〜200の範囲)、テンポが速い場合にスライド後のブレーキが適当になると、フレーズがタイトでなくなってしまうので注意してください。

また4小節ラストのハンマリングから、1小節のスライドに戻るときにリズムが乱れないように気をつけましょう。グルーヴに関しては4分音符でリズムに乗りながら(それこそヘッド・バンギングしながら弾くのがいいと思います)、ピッキングのニュアンスで8分音符を出し、スライドやハンマリングの部分にアクセントをつけると勢いが生まれます。

Ex-5:ハンマリングとスライドを使ったリフ2

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最後もEx-4と同様に、ハンマリングとスライドを組み合わせた例です。ここでは特に、3&4小節の弦を移動しつつスライドで下降する部分でリフのニュアンスが崩れやすく、そうなると全体の印象も軽く聴こえてしまいます。攻略のコツとしては、どういうフィンガリングなら自分が一番スムーズに弾けるのかをしっかり確認して、最もしっくりくるパターンを見つけること。加えて、スライドで下降したときに押弦する力が足りないと、音がはっきり出ないので気をつけてください。

リズムの感じ方はEx-3と同じでOKですが、1&2小節の2拍目ウラから入るハンマリングのときに、リズムがよれないようにしましょう。まずは遅いテンポから始めて、慣れるまでじっくりと弾いてみてください。

最後に

どうでしょう、ヘヴィなグルーヴを感じることができましたか? これはすべての音楽に共通して言えることですが、フレーズの聴こえ方というのは微妙なニュアンス次第で変わってしまうもので、まずはしっかりとグルーヴを感じながら、そのうえで運指などの細かい部分を追求することがとても大切になります。

加えて今回は”ヘヴィ&グルーヴィに”というテーマなので、ピッキングも力強く、普段よりも大きなノリを感じられるように意識してください。これもまたドラムやギターといったほかのパートにも通じることで、バンド全員が同じグルーヴを感じることができていれば、アンサンブルもさらにカッコよくなるはずです。ここで学んだことを生かして、みなさんもヘヴィ&グルーヴィにベースをエンジョイしてください!

安井義博 プロフィールmi_bm_2012_04_instructor

日本屈指のヘヴィ・サウンドを奏でるバンド”OUTRAGE”のベーシスト。88年発表の『BLACK CLOUDS』でメジャーに進出して以来、10枚に及ぶオリジナル・アルバムをリリースしている。最新作は09年11月にリリースされた『OUTRAGE』で、2010年には長年の活動が評価され、愛知県芸術文化選奨の文化賞を受賞したことも話題となった。MIではファンキー・ベースの研究やHR/HMのベース・ライン、ピック弾きのトレーニングなど、多彩なレッスンを担当。本セミナーには「ヘヴィメタル・リフをかっこよく弾く!」以来、2度目の登場となる。

■本記事について

本記事は、『ベース・マガジン2012年4月号』掲載のページを転載したものです。

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