アップライト・ベースに持ち替えよう!/MI Japan ベース・クリニック

MI JAPANベース・クリニック by 松原仁 2010年4月19日

第8回目を迎えたMI JAPAN講師陣による特別セミナーは、ちょっと視点を変えてアップライトにも挑戦したいと思います。なかなかとっつきにくいイメージがありますが、本当はとても柔軟で楽しい楽器。ぜひ、その魅力に触れてみてください。

INTRODUCTION

こんにちは、MI JAPAN東京校BIT科講師の松原仁です。今回は一風変わったミニ・レッスンをやろうと思い、エレキ・ベースとサイレント・アップライト・ベースを持ってきました。

一見ジャズやラテンに使われることが多く、とっつきにくい感じがアップライト・ベース。でも実は、ファンクやポップスをはじめ、どんなジャンルにも対応する素敵な楽器なのです。そこで! 今回のテーマは”エレキ・ベーシストがアップライト・ベースに持ち変えるための第一歩!!〜初心者編〜”といった内容にしたいと思います。

難しいことは最小限!! まずは触れて慣れて楽しむことが大切です。なので紹介する譜例は、弾いて楽しめるようなベース・ラインを用意しました。それをエレキとアップライトで弾き比べるとどう雰囲気が変わるかなどを、レッスンしていきたいと思います。

今はエレキを弾いているけど、いつかはアップライトに挑戦してみたいと思っている人、自分の視野を広げたい人、ジャズとかラテンとかイマイチよくわからない〜〜〜と思っている人、理由は何でもござれ、で大丈夫! これを期にアップライトにも興味を持ってくれたらと思います。では早速、トライしていきましょう。

▼対応動画 【MI×ベーマガ】OPEN HOUSE/松原仁#1「アップライト・ベース」

 

▼対応動画 【MI×ベーマガ】OPEN HOUSE/松原仁#2「アップライト・ベース」

Exercise:エレキとアップライト弾き比べ

 

◎ワン・グルーヴ・ファンク

■Ex-1a(対応動画#1/1:16から):まずは、エレキ・ベースで弾いてみます。

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Gmのワン・グルーヴ的なフレーズをゴージャスなトラックでお届けしてますので、ぜひ動画をご覧ください! どうでしょうか?

■Ex-1b(対応動画#1/1:50から):エレキ・ベースでも充分イカしたフレーズですが、これをアップライト・ベースで弾くと、このようになります。

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シャレたクールな感じになりましたね! 譜面と動画だけではアップライトの弾き方がイマイチ伝わらないと思うので、奏法を詳しく解説していきましょう。

まず構えなのですが、目線がちょうど”F(1F)”になるように楽器の高さを調節します。そして、左手はE弦(4弦)のF(1F)を人差指、G♭(2F)を中指、Gを小指(3F)で押弦していきます。同様にA弦(3弦)も、B♭(1F)を人差指、B(2F)を中指、C(3F)を小指で。D弦(2弦)は開放で弾きます。右手は人差指と中指の2フィンガーで弾くわけですが、2本の指の長さを弦に対して平行に合わせます。これだけです(笑)。

また1小節の3拍目アタマの16分音符を16分休符に変え、2小節3拍目をウッド・ベース特有の”ゥトゥ〜ン”という感じにしました。

◎明るいファンク・フレーズ

■Ex-2a(対応動画#1/3:22から):今度は明るい感じのファンクです。まずはエレキで弾いてみます。

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どうでしょう? なんかウキウキしてくるフレーズですね! Gが1小節、Dmが1小節の2小節でひと固まりにしてみました。譜例ではGのルートから7th、半音上のアプローチ・ノート、オクターヴ、5th、コードが変わってDmはm3rdのオクターヴ下から半音上のアプローチ・ノートを経て、アタマのGにつなげるというフレーズを繰り返します。

■Ex-2b(対応動画#1/4:24から):さてこれをアップライト・ベースで弾くと….

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今度はイキイキしてきました〜!

詳しく解説すると、1小節1拍目のE弦G音(4弦3F)を人差指で、D弦(2弦)D音を開放、2拍目のD弦F音(2弦3F)を人差指、中指でF♯(2弦4F)、小指でオクターヴのG(2弦5F)、3拍目A弦C音(3弦3F)を人差指、2小節1拍目のA弦D音(2弦5F)を小指、2拍目のウラ、F音(4弦1F)からF#音(4弦2F)を人差指と中指で押さえていきます。

フレーズでは、1小節1拍目の16分ウラのゴースト・ノートを実音Dに変えて、3&4拍目の音符を長めに、2小節2拍目アタマを8分休符、4拍目はゴースト・ノートを長めの音符に変えてやれ雰囲気が出ますね。まあ、これだけなんです(笑)。

◎歌モノ的コード進行で

■Ex-3a(対応動画#2/0:42から):はい、今度は歌モノにありそうなコード進行を抜粋して洒脱にまとめてみました。キーがG♭で、ハーフタイム・シャッフルと、少しばかり難しめの譜例に挑戦です! エレキではコード・トーンとアプローチ・ノートを交えて、少し多めに弾いています。

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■Ex-3b(対応動画#2/1:25から):さてこれをアップライトにすると……

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ん〜〜〜〜、斬新ですね!

譜例からもわかるように、アップライトは音に存在感があるので、細かい音符を減らして残せる箇所を長い音符に変えたりと、シンプルにまとめることでも充分に引き立ちますよ〜。

さて奏法ですが、1&2小節目はルートとm3rdと5thのみです。人差指と小指でピッチを取ります。3&4小節目は、上記に3音にプラスしてアプローチ・ノートのCとM3rd(4小節目では△7)のFの音に中指を使います。5&6小節目はさらに4thが出てきますが、人差指と小指でこと足りますね。7小節目は6thが登場。これも人差指と小指で大丈夫でしょう。残りの小節は気合いでエレキっぽく弾いてみましょう。

◎禁断の”薬指”

■Ex-4a(対応動画#2/4:11から):はい、この調子でもう最後です。これも歌モノのコード進行をつけてみました。

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ノリの良いグルーヴィな仕上がりになりましたね!

■Ex-4b(対応動画#2/5:11から):で、今回も【Ex3】と同様に細かい音を減らし、8分音符と4分音符の良いところを強調して弾いてみましょう。そして……このフレーズでは、アップライトにおいては”禁断”とも言われている、薬指を使ってみたいと思います。

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その部分を詳しく解説していきましょう。

まず[A]の、3小節3拍目のD音に薬指を使い、次のG音に小指をかぶせるように運指して、中指でF♯音、人差指でE音につなげます。そして8小節2拍目から4拍目にかけて出てくるF音を中指、F♯を小指、C♯を薬指、オクターヴ下のF♯を人差指につなげます。

[B]では、基本的に中指をE弦のG音中心にして、運指を展開していきます。禁断の薬指ポイントは4小節F♯音を小指、C♯音を薬指、中指でC音、人差指でB音へとつなげていく過程で使いました。

一般的にアップライトで薬指を使うとピッチが不安定になるなどの諸問題はありますが、常識だけにとらわれず、紹介した譜例で訓練してみてもいいかもしれません。何か、新しい発見につながるかもしれませんよ。

はい、以上を持ちまして、ミニレッスン終了となります。今回は一風変わった内容に挑戦してみましたが、いかがだったでしょうか? 私自身にも新しい発見があり、今後とも日々精進していきたいと思います。皆様ありがとうございました。最後に今回トラックを作ってくれたMI JAPAN東京校IAP科のnaminji先生、本当にありがとうございました。

松原仁(まつばらひとし)プロフィール

mi_bm_2010_04_instructor1974年生まれ、北海道出身。

14歳からエレキ・ベースを始め、20歳頃から札幌の繁華街ススキノでハコバンの演奏仕事を始める。のちに音楽教室(エレキ・ベース科講師) を始め、MIジャパン札幌校BIT科講師に就任。2006年に上京し、MIジャパン東京校BIT科講師に就任。

これまでにスコット・ヘンダーソン、市川右近、岩男潤子、北岡ひろし、きただにひろし、林夕紀子、松澤由美、plutrioなど多数のサポートをこなし、また自身のバンドCarinjuや、original frava でも活動中だ。

【Carinju】 http://www.carinwebsite.com/index.html
【original frava】 http://sound.jp/originalflava/x/index_pc.html

Special Thanks:MI JAPAN東京校IAP科 naminji(ナミンジ)

クオリティの高いサウンドを国内外に 発信し続け、”今”のジャパニーズ・トランス・シーンを牽引するPsychedelic Tranceアーティスト。09年1月にはビクターから発売されたpsy-tranceコンピ『PSYCHEDELIC RAVE #7 -DARK-』にも、名だたる海外勢とともに参加。今後のワールドワイドな活躍が期待される、現トランス界においての最重要アーティストであるとともに、 シーンの行方を占うAgitatorでもある。

http://www.myspace.com/naminji

■本記事について

本記事は、『ベース・マガジン2010年4月号』掲載のページを転載したものです。

→『ベース・マガジン2010年4月号』の詳細を見る

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