7thのコード・トーンを使ったエクササイズ/MI Japan ベース・クリニック

MI JAPANベース・クリニック by 澤 健太郎 2013年1月16日

“もう少し気の利いたベース・ラインを作りたい”……そんなときに役に立つのがコードの知識だ。基本の3和音に加えて、脱初心者を目指すならばワン・ステップ上の4和音、特に7th系コードを知っておくことは大きなメリットになる。今回は7th系コードを使いこなすための考え方とエクササイズを伝授しよう。

こんにちは! MI大阪校の澤 健太郎です。オリジナルのベース・ラインを考えるとき、みなさんはどのようにしていますか? ラインはそのときに鳴っているコードに則した音を使って考えるのがセオリーですが、その基礎となる“コード・トーン”の位置を指板上で把握していれば、ウォーキング・ベースやアドリブ・ソロを弾くときにも大きな助けになります。今回は通常の3和音にくらべて、ひと味違った響きを持つ7thコードを題材に、コード・トーンの位置を把握しつつ、フィンガー・トレーニングにもなる実用的なエクササイズを紹介します。

Chapter 1 まずはメジャー7thを把握する

メジャー7thコードとは?

最初に、コード・トーンの基本を説明しておきましょう。これはベースにとって最も重要なコードのルート音(R)に加えて、その3度上の音(3r d)、5度上の音(5th)で成り立っており、今回のテーマである7thコードの場合は、さらに7度上の音(7th)を足した4つの音で構成されています。ルートさえ弾いておけばベース・ラインをはずすことはありませんが、これ以外にもフレーズを彩るために使える音として、3rd、5th、7thの3つはいつでも弾けるようにしておきたいところです。

Chapter 1では、いくつかある7th系のなかからメジャー7thと呼ばれるコードを弾いてみましょう。このコードはフィンガリングの面でも比較的弾きやすいうえに、7th系のなかでも特に響きが美しいので、バラードなどで多用されています。構成音はルート+メジャー3度(M3rd)+完全5度(P5th)+メジャー7度(M7th)となります。

図1のダイアグラムを参考に、まずはルートをCに設定して、Cメジャー7thを1オクターヴの音域で弾いてみてください。コードが変わりルート音がほかのポジションに移っても、このフォームをそのまま当てはめることができるので便利ですね。コード・トーンを覚える手順としては、①まずはルート音を見つける、②ルートからの位置関係でM3rdとP5thを見つける、③M7thはルートの半音下の位置にあると覚えておく……というのがオススメです。

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“ルートを中指、M3rdを人差指、P5thを小指”というふうに形で固定して覚えてしまえば、あとは空いた指で適宜M7thを押さえればいいだけですね。

2オクターヴに音域を広げよう

1オクターヴのなかでコード・トーンの位置が把握できれば、これを2オクターヴに拡張するのはわりと簡単です。もちろん、音域がこれだけ広くなるとワン・ポジションでは弾ききれないので、左手のポジション・シフトが必要ですが、このときのポイントも前述の①〜③と同じです。左手をシフトしたら最優先でルートを見つけて、それを起点に3rd、5th、7thの位置を見つければいいのです(図2)。

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慣れないうちのオススメは、3弦3フレットのCから弾き始めて、そのままの形でP5thまで弾き、そこから2弦10フレットのCをめがけて移動しつつ、半音下の9フレットでM7thを弾く。続いて10フレットのCを弾いたら、再び形を追って1弦12フレットのP5thまで上がり、最後に1弦17フレットのCをめがけて半音下の16フレットでM7thを弾き、17フレットで2オクターヴ上のCに到達するという弾き方です。

さて、どうでしょう? ここまで覚えれば、だいぶ指板を自由に使えるようになったのではないでしょうか?

Chapter 2 7thを弾きこなすためのエクササイズ

2オクターヴにわたりメジャー7thのコード・トーンの位置を覚えることができたら、次のステップはこれをいつでも素早く弾けるようにしておくこと。つまり、コード・ネームを見た瞬間に指板上に散らばるコード・トーンを見つけられるのが理想です。そのために有効なエクササイズを紹介しますが、これは単純に運指のトレーニングとしても有効なので、時間が空いたときに弾く習慣をつけておくと良いでしょう。

Ex-1は“ルート→3rd→5th→7th、3rd→5th→7th→ルート、5th→7th→ルート→3rd、7th→ルート→3rd→5th”……といった具合に、2オクターヴ内のコード・トーンを4音ずつ弾きながら上昇していくフレーズです。指板が続く限り続けてもらってもいいのですが、とりあえず2オクターヴ上のルートに到達したら、今度は反対に指板を下ってみましょう。音域が広いのでシフトの頻度も高いですが、“ルートを見つけて、そこからの位置関係で3rd、5th、7thを割り出す”というポイントは変わりません。これを逆手に取ると、下りのときは5thを小指で弾くようにするのがスムーズな運指のコツだと言えますね。

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この考え方に慣れてきたら、今度はルート音をいろいろと動かして、違うポジションでメジャー7thコードに挑戦してみましょう。例えばEx-2は、ルートをGに移動したGメジャー7thですが……どうでしょう。うまく弾けましたか? 最初は難しいかもしれませんが、音を間違えないよう正確かつていねいに、ゆっくり遅めのテンポから弾き始め、徐々にテンポを上げていくようにしましょう。

Chapter 3 7th系コードをマスターせよ!

ここまではメジャー7thコードを中心に練習してきましたが、7th系のコードはほかにもあります。図3 〜5を見ながら、これらのコードでもChapter2のエクササイズに挑戦してみましょう。“コードが変わると運指がわからない! ”という人でも、簡単なルールさえ覚えてしまえば大丈夫です。

まずドミナント7th(図3)は、よく見るとメジャー7thの7度の音がマイナーになっただけ、つまりルートの1音下の位置になっているだけです。そのため、メジャー7thで覚えた運指を基本に“7度を弾くときだけはルートの1音下を押さえる”と気をつければOKですね。

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ドミナント7thが弾けたら、次はマイナー7thコード(図4)です。これは、さらに3度の音がマイナーになるので、3rdの位置をメジャー7thの半音ぶん下げるように気をつけます。7度はドミナントに引き続き、ルートの1音下になります。

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最後はマイナー7th(♭5)コード(図5)ですが、これは名前のとおりマイナー7thの5度がフラットしたものです。マイナー7thを弾くつもりで、5度の位置を半音ぶん下げるようにすればOKで、最終的にはこの4種類の7thコードを、すべてのルート音から弾けるようになるまで練習しましょう。

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どうでしたか? 頭を使うので慣れないうちは大変に思えるかもしれませんが、急ぐ必要はありません。時間をかけて、じっくりと取り組んでみてください。

澤 健太郎

131016-mi-bass-130118歳からベースを弾き始め、MIハリウッド校を卒業。ジャズやファンク、ロックなどをはじめ、多彩な音楽をバックグラウンドに持ち、エレキとウッド・ベースの両方を使いこなす。自身のバンド=Tribeckerでは3枚のアルバムをリリースしており、ほかにもSuaraをはじめ、さまざまなアーティストのツアー&レコーディング・サポート、CMや携帯ゲームの音楽制作なども手掛ける。ベース以外にもチェロ担当でオーケストラに参加するなど、ジャンルと楽器の垣根を越えて活動中だ。

http://www.tribecker.com/

本記事について

本記事は『ベース・マガジン2013年1月号』掲載のページを転載したものです。

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