第6回 素手かグローブか

出張版 ベーシスト究極の選択 by テキスト:板谷直樹 イラスト:田渕正敏 2013年6月14日

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セッティング時に活躍するだけではなく、野外での本番でも役に立つグローブ。今回はベーシストにとっての素手とグローブについて考察します。

リハーサルやライブの当日は荷物運びから始まり、スタジオやライブ会場では楽器のセッティングも含めいろいろな準備が多いことと思います。自分の楽器やアンプを狭い階段を上ったり降りたりして運ぶ、なんてことはザラにあるのではないでしょうか? 特にドラマーは荷物が多いので、それを手伝うこともあるでしょう。そんなときに役立つちょっとしたアイテムが軍手やグローブです。

グローブが活躍する場面

これはキーボードプレイヤーを見ていて思ったことですが、彼らは重たいシンセを数台とそれに併せた機材の運搬が多く、ベーシストに比べてその量や重量も含めて大変な印象です。そして演奏するための指を大切にしていることもあり、かなりの確率で軍手や荷物運び専用のグローブを持参し使用していることが特徴と言えますね。
ベーシストの皆さんも、これを真似てみるのも良いかもしれません。重いハードケースに入った楽器運搬、大きなアンプの移動など、使える場面が多々あることでしょう。安価な軍手であれば滑り止めが付いたものがありますし、荷物運び専用のグローブは特に優れていて、手になじむ薄さや滑らない素材は、重たいものも軽くなったように感じたり、それほど力を入れる必要がないので疲れにくい、という利点があります。

素手になる場面

一方グローブを外し素手になる場面は、アンプやエフェクターの接続等、細かな結線が必要なときや、楽器そのものをセッティングする場合でしょう。譜面などを整理する段階ではもうグローブは必要ないでしょうが、紙で指を切ってしまわないよう気を付けておきたいところですね。たかが紙ですがあの痛みは侮れませんし、演奏にも影響しそうです。

ところで、やや特殊な状況かもしれませんが、秋から冬のような気温の低い季節に、野外の演奏を素手で行なうことは大変つらいものがあります。筆者はこの場合、薄手の手袋の第一関節部分が出るようにカットした特製のものをはめて対応するようにしています。右手はピッキングする人差し指と中指部分のみをカット、左手は押弦する人指し指から小指までの四カ所をカットします。寒い中無理をして素手での演奏は指が動かないだけでなく、関節を痛めてしまいかねないので注意が必要ですね。

本番前の荷物運び中に怪我をしたり、野外演奏中に指を痛めたりしても責任は自身にあると言えます。そのようなリスクを極力減らすためにも、万全を期しておくことは大切かもしれません。

板谷直樹(いたや なおき)

板谷直樹

札幌市出身 バークリー音楽大学卒。R&B、AOR、ポップに親しみ15歳よりベースをはじめ、当時からセッション系ミュージシャンに憧れて様々なジャンルを吸収しようと試みた。札幌での活動を経て渡米し、本場のジャズやラテンミュージックに触れ多大な影響を受けている。「最先端のグルーヴとメロディックなソロ」を追求し、アーティストのライブやレコーディングも多数。著書『ベース・ラインで迷わない本』『一生使えるベース基礎トレ本』『一生使えるベース基礎トレ本 スラップ強化編』『一生使えるアドリブ基礎トレ本 ベース編』『ベーシスト 究極の選択60』(すべて小社刊)



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