第3回 ラウンドワウンドかフラットワウンドか

出張版 ベーシスト究極の選択 by テキスト:板谷直樹 イラスト:田渕正敏 2013年5月24日

130227_bass_web_03_fin

ベーシストなら弦の選択にもこだわりたいもの。“ラウンドワウンドかフラットワウンドか”、あなたならどちらを選びますか?

弦の種類を変えることによって、ベースの音色を簡単に、しかも安価に変えることができます。弦の材質にはニッケルやステンレスなどがあり、それぞれに特色がありますが、さらにラウンドワウンドかフラットワウンドかを選択することによって、大きな音色の変化をもたらすことができます。それらの違いや特徴をここで取り上げて考えてみましょう。

一般的なラウンドワウンド

ラウンドワウンドは芯線に対し細くて丸いワイヤーを巻き付けた弦で、ベースやギターに広く一般的に使われているものです。特徴は凹凸がありザラザラした感触。サステインに優れていて、音色はブライトで立ち上がりが速いと言えます。スラップのアタッキーなサムや抜けの良いプル、指弾きやピックにおいても倍音成分を多く含んだ音ですね。ほとんどのエレキベースの音はラウンドワウンドの弦から発せられていると言っても過言ではないでしょう。

味のあるフラットワウンド

一方、フラットワウンドは芯線に対して巻き弦が平らなタイプで、凹凸が無くツルツルしているのが特徴です。音色は高音が抑えられた丸い感じで、中域と低域が太い印象の音になります。現代的なブライトさではなく60~70年代風の音色、当時のファンクやモータウン系のサウンドが好きな人は、その音色を再現するためにフラットワウンドを張る人もいますね。また表面が平らなため、指板に傷を付けることが無く、フレットレスベースに使用されることが多いと言えます。
また、ブラックナイロン弦のように巻き線にナイロンを使用している特殊なものもあります。ナイロンで覆われているので弦アースが取れずにノイズの心配がありますが、エレアコベースのようなピエゾピックアップで音を拾うようなベースには問題無く使えそうです。ウッドベースの弦も同様にフラットワウンドになりますね。
さらに変わったものでは、ラウンドワウンドの表面を平らに研磨した“ハーフワウンド”という弦も存在します。
巻き線の内側はラウンド(丸い)外側を平ら(フラット)にしたもので、ラウンドワウンドとフラットワウンドの中間の音色を狙ったものと言えますね。

自分のベースの音色がどうも気に入らないというときは、ピックアップやサーキットに手を入れる前に、まずは弦の交換からはじめてみるのが手軽で良いかもしれませんね。それぞれの種類に特徴、弾き心地や感触があるので、実際に張って音を出して確かめてみましょう。音色もスタイルの一部ですから、じっくり時間をかけて吟味し、自分にぴったりのものを見つけられると良いですね。

板谷直樹(いたや なおき)

板谷直樹

札幌市出身 バークリー音楽大学卒。R&B、AOR、ポップに親しみ15歳よりベースをはじめ、当時からセッション系ミュージシャンに憧れて様々なジャンルを吸収しようと試みた。札幌での活動を経て渡米し、本場のジャズやラテンミュージックに触れ多大な影響を受けている。「最先端のグルーヴとメロディックなソロ」を追求し、アーティストのライブやレコーディングも多数。著書『ベース・ラインで迷わない本』『一生使えるベース基礎トレ本』『一生使えるベース基礎トレ本 スラップ強化編』『一生使えるアドリブ基礎トレ本 ベース編』『ベーシスト 究極の選択60』(すべて小社刊)



TUNECORE JAPAN