第2回 ロングスケールかミディアムスケールか

出張版 ベーシスト究極の選択 by テキスト:板谷直樹 イラスト:田渕正敏 2013年5月17日

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ベーシストならではの選択あるある、第2回は“ロングスケールかミディアムスケールか”。あなたの演奏スタイルには、どちらが合うのでしょう?

ベースのナットからブリッジ部分までの弦長(スケール)の設定は、メーカーによってさまざまです。フェンダーベースが採用している一般的なサイズ(ロングスケール)よりも、長いものや短いものが存在するのは、それぞれに理由があり特徴もあるようです。それらの設定によってネックの長さは変わってきますし、演奏にも直接影響してくる部分なので、ここで比較して考えてみましょう。 

ロングとそれ以上

一般的なエレキベースの弦長は34インチで、ロングスケールと呼ばれています。近年ではこのロングスケールよりさらに長いエクストラロングスケールやスーパーロングスケールと呼ばれる35インチやそれ以上のものも存在していて、特に五弦や六弦ベースで採用されているようです。一般的に弦長が長くなれば、テンションがやや強くなる分、ピッチが安定したり、特にLow-B弦の鳴りやサステインを改善することができる、というのが採用される理由のようです。
ただし、ネックが長くなる分フレットの間隔も広くなり、手の小さい人や腕の短い人はローポジションでの演奏がしづらくなるかもしれません。また、通常のロングスケール弦では長さが合わず使用できないことがあったり、専用の弦も手に入りにくかったり、値段が高くなる、というような部分にも注意しておかなければいけません。

ミディアムとそれ以下

一方のミディアムスケールのベースには、33インチや32インチというサイズがあります。サイズダウンのベースはフレットの間隔が狭くなる分、手の小さい人や女性には扱いやすいかもしれませんね。さらに短いショートスケールというのもあり、フェンダー社のマスタングベースのように30インチというベースも存在します。
ただしスケールが短くなればなるほど、弦のテンションが弱くなるため、サステインやピッチの面では不利になる、ということが挙げられます。
またよくある間違った解釈に「フレット数が20しかないからミディアムスケールだ」というのがありますが、フレットの多い少ないとスケールには関係性が無いので注意しておきましょう。

一般的にミディアムスケールのベースは初心者向けの廉価なベースに多く見られます。しかし、速弾きを得意とするテクニカル系ベーシストの中には、楽な運指を好みミディアムスケールのベースを使っている人もいて、それを積極的に開発して売っているハイエンド向けのメーカーもありますね。反対にサウンド重視でエクストラロングスケールをメインに制作するカスタムメーカーも存在しています。
弾き心地やサウンドなどを実際に確かめて、自分のスタイルに合った楽器を選びたいものですね。

板谷直樹(いたや なおき)

板谷直樹

札幌市出身 バークリー音楽大学卒。R&B、AOR、ポップに親しみ15歳よりベースをはじめ、当時からセッション系ミュージシャンに憧れて様々なジャンルを吸収しようと試みた。札幌での活動を経て渡米し、本場のジャズやラテンミュージックに触れ多大な影響を受けている。「最先端のグルーヴとメロディックなソロ」を追求し、アーティストのライブやレコーディングも多数。著書『ベース・ラインで迷わない本』『一生使えるベース基礎トレ本』『一生使えるベース基礎トレ本 スラップ強化編』『一生使えるアドリブ基礎トレ本 ベース編』『ベーシスト 究極の選択60』(すべて小社刊)



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