第1回 ウッドベースかエレキベースか

出張版 ベーシスト究極の選択 by テキスト:板谷直樹 イラスト:田渕正敏 2013年5月10日

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2013年3月11日発売の書籍『ベーシスト 究極の選択60』(板谷直樹著)は、プレベ or ジャズベ、4弦 or 5弦、アンプ録り or DI録り、長時間リハ or 短時間リハ、エフェクター or アンプ直、国内で学ぶ or 海外留学……といったベーシストが直面するリアルな悩みや疑問を、2択形式でズバズバ解決していく痛快な指南書です。その発売を記念して、RandoMでは書籍に掲載できなかった2択を連載で紹介していきます。
今回は、”ウッドベースかエレキベースか”という選択。さあ、あなたはどっち派ですか?

ジャズのみでなく、ポップスの歌もの系の現場でもウッドベースが要求されることがあります。一例を挙げるとアコースティック系やフォーク系のライブにおいて、パーカッションとギターとベース、というような小さな編成のときにリクエストされることが多いようです。ウッドベースが選ばれる理由については、ベーシストが考えているサウンド面以外の部分もあるようなので、ここでウッドベースとエレキベースの選択について取り上げて考えてみたいと思います。

ウッドベースが求められる場合

ウッドベースを使うライブでは、ハウリングや音抜けの部分で難しい場合もありますが、見た目のインパクトが大きく、その部分を要求してくるアーティストが多くいます。生楽器編成のライブ、例えばバイオリン、チェロ、アコースティックギターなどと一緒の編成で、ベーシストだけエレクトリックの楽器というよりは、ウッドベースを使った方が統一感はあるし、より雰囲気が出ると言えるのかもしれません。

もちろん見た目だけでなく、音色の深さはエレキベースとは異質なものです。特に弓のサウンドはウッドベースでしか出せない部分でもありますね。ただし運搬には車が必要だったり、ライブ中の駐車場を確保しておく必要があるので、この辺りの予算が問題なく出るかどうか? は確認しておかなければいけない部分ですね。

エレキベースで乗り切る現場

一方、例えばウッドベースで録音されたものをライブではエレキベースで弾いてしまう、ということがあります。この理由にはステージの広さ、楽器が置けるスペース、大きな音を出すとハウリングが起こる問題、先に述べた運搬費用の問題等に加え、ベーシスト自身がウッドベースのプレイヤーではない、ということも考えられるかもしれません。

ところでエレキベース専門のプレイヤーは「ウッド持ってますか?」という問いかけには、ついつい過敏に反応してしまうものです。持っていなかったり、「弾けないと違うベーシストに交代させられてしまうのでは?」という不安がよぎる人も少なくないでしょう。代替案としてはフレットレスベースやエレクトリックアップライトベースがありますし、フレッテッドのエレキベースでもウッドベースにひけを取らない表現で弾いているプレイヤーもいますから、そこは奏法次第でカバーできることをアピールし、そのような技術を身に付けていくことも大切ですね。

ちなみに”ウッドベース”という呼び名は和製英語であって、”コントラバス”や”ダブルベース”"アコースティックベース”が正式名ということも覚えておきましょう。

板谷直樹(いたや なおき)

板谷直樹

札幌市出身 バークリー音楽大学卒。R&B、AOR、ポップに親しみ15歳よりベースをはじめ、当時からセッション系ミュージシャンに憧れて様々なジャンルを吸収しようと試みた。札幌での活動を経て渡米し、本場のジャズやラテンミュージックに触れ多大な影響を受けている。「最先端のグルーヴとメロディックなソロ」を追求し、アーティストのライブやレコーディングも多数。著書『ベース・ラインで迷わない本』『一生使えるベース基礎トレ本』『一生使えるベース基礎トレ本 スラップ強化編』『一生使えるアドリブ基礎トレ本 ベース編』『ベーシスト 究極の選択60』(すべて小社刊)



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