第6回:ベーシストにお薦めの映画紹介vol.1 『ダーティハリー4』の巻

ベース大好き! by 板谷直樹 2013年11月26日

“ベース大好き!”的映画案内、ナビゲーターに板谷直樹氏をお迎えしてスタートです。栄えある初回に選ばれたのは、あのアクション映画です!

こんにちは、ベーシストの板谷直樹です。皆さんは、音楽以外で好きなものって何でしょう? 僕も同じ質問を時々受けますが、自分の場合それは断然映画なんですね。小学生の頃(80年代ですけれど)、テレビでは月曜ロードショー、火曜洋画劇場、水曜ロードショー、木曜洋画劇場、金曜ロードショー、土曜はゴールデン洋画劇場、そして日曜洋画劇場と、週7日間何かしらの映画が放映されていたわけです。それをかじりつくように見ていた思い出がありますね。

やがてVHSが普及してレンタルビデオを利用したり、DVDが出てからはレンタルせずに買って何度も繰り返し観たり、もちろん映画館へも足を運んだり、と映画だけは普段から生活のそばにあるのです。

 イーストウッド自身が監督した『ダーティハリー4』

というわけで、ここでは個人的に面白いなと思う映画紹介とそれにまつわる音楽、ベースの話などもできたらいいなと思っています。

それでは、記念すべき1回目の映画コラム行ってみましょう。

『ダーティハリー4(原題Sudden Impact)』(1983年作品)です。サンフランシスコを舞台に凶悪犯罪に孤独に立ち向かうハリー・キャラハン刑事の役で、クリント・イーストウッドを一躍有名にしたアクション映画シリーズの第4弾。この4作目ではイーストウッド自身が監督もしているんですね。

ダーティハリーのもう1つの顔、主役と言っていいものに、狩猟用の強力な“44マグナム弾”を使うS&W M29という拳銃があります。刑事が警察用の武器として普通使うはずもないものですが、そこは映画。大目にみるとして、悪党に立ち向かうためのアイテムとして非常に大きな存在感を放っていることは確かです。

日本のドラマや漫画、例えば「太陽にほえろ」のブルース刑事やザ・ゴリラ~アクション刑事~の姿雄一の使用拳銃としても登場するのは、間違いなくこの映画の影響ではないでしょうか(ちなみにルパン三世の次元大介はS&W M19、シティーハンターの冴羽獠はコルトパイソン357で共に、357マグナム弾を使う銃。 44マグナムではありません)。

この映画の人気を支えているもう1つの特徴として、キャラハン刑事の組織や体制に反して正義と行動を貫くキャラクターも挙げられるでしょう。時に手段を選ばない捜査方法が問題視され、上司ともしばしば対立。皮肉たっぷりの台詞もあり、悪く言えば頑固でひねくれ者だけれど、腕は確かで心の底では信頼されているという設定ですね。近年の映画に登場する格好良すぎる刑事ではなく、派手さを抑えた渋めの男、人間味があってどこか憧れてしまう人物なのです。いつも着用しているツイードジャケットも印象的ですね。

 ラロ・シフリンの手によるテーマが堪らない!

さて、音楽のほうはダーティハリー全5作品のうち3作目を除いてラロ・シフリンが書いていますが、調べてみるとこの人は「猿の惑星」(TVシリーズ)や『燃えよドラゴン』、近年では『ミッションインポッシブル』(もともとは「スパイ大作戦」シリーズ)など、60年代から数多くのアクション作品を手がけているんですね。

『ダーティハリー4』でも印象に残る曲を書いていますが、何と言っても冒頭で流れてくるメインタイトル曲のファンキーなスラップは、ベーシストにとって堪らないハズ。音色は恐らくフェンダージャズベース。パトカーのサイレンや警察無線のSEもいいですね。コピーしてぜひ弾いてみるといいでしょう。

ところで、クリント・イーストウッドの息子、カイル・イーストウッドはミュージシャンでジャズベーシストなんですね。そちらもチェックして聴いてみると面白いかもしれません。

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板谷直樹(いたや なおき)

板谷直樹

札幌市出身 バークリー音楽大学卒。R&B、AOR、ポップに親しみ15歳よりベースをはじめ、当時からセッション系ミュージシャンに憧れて様々なジャンルを吸収しようと試みた。札幌での活動を経て渡米し、本場のジャズやラテンミュージックに触れ多大な影響を受けている。「最先端のグルーヴとメロディックなソロ」を追求し、アーティストのライブやレコーディングも多数。著書『ベース・ラインで迷わない本』『一生使えるベース基礎トレ本』『一生使えるベース基礎トレ本 スラップ強化編』『一生使えるアドリブ基礎トレ本 ベース編』『ベーシスト 究極の選択60』(すべて小社刊)



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