第41回:ベーシストにお薦めの映画紹介vol.36『ソラリス』の巻

ベース大好き! by 板谷直樹 2016年12月20日

ベーシストの板谷直樹さんがお薦めの映画を紹介するという、3年続いたこの連載も、今回で一区切り。記念すべき最終回は、ソダーバーグ版のあの作品。あぁ、音楽って『ドライヴ』と同じ人だったんですね。最後まで勉強になる!

2013年の11月からスタートしたこの「ベーシストにお薦めの映画紹介」も今回が最後となりました。独断と偏見で選んだマニアックなものが多かったかもしれませんが、いかがだったでしょうか? 月1ペースで36本紹介、3年というのはあっと言う間で早いですね、、。で、来年からは新企画を予定しているので、そちらも楽しみにしていてください。というわけで記念すべきラストのお薦めはSF映画の金字塔と呼ばれる『惑星ソラリス』のリメイク版『ソラリス』(2002年/アメリカ作品)を紹介しましょう。

シリアスなジョージ・クルーニーが新鮮

ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムが1961年に発表した『ソラリスの陽のもとに』が原作となって、ソ連で『惑星ソラリス』として映画化されたのが1972年(アンドレイ・タルコフスキー監督)。それから30年の時を経てリメイクされたのが今回の『ソラリス』です。人間の愛や道徳、哲学的な部分にまで語りかけるようなストーリーは、普通想像するようなエイリアンや宇宙戦争物のSF映画ではありません。惑星ソラリス探査中の船員から救助要請があり、心理学者クリス・ケルヴィン(ジョージ・クルーニー)が救助に向かった先で冷凍室に遺体を発見します。他に残された船員2人に何が起きているのか聞こうとしますが、「話してやってもいいけれど、それで分かるとは思えない」と腑に落ちない対応。その後船内で少年を見かけますが、それは死んだ船員ジバリアンの息子マイケルだと言う。原因不明の現象は一体何なのか? そしてクリスの前に自殺したはずの妻が現れて、、。

監督は前回取り上げた『オーシャンズ11』のスティーブン・ソダーバーグ。89年には『セックスと嘘とビデオテープ』で史上最年少26歳でカンヌ国際映画祭パルム・ドール賞に輝いています。ジョージ・クルーニーとは共同で制作会社を立ち上げている仲でもありますね。他、マット・デイモンとタッグを組むことも多いようです。それにしても今作のジョージ・クルーニーは、他の作品のような色男とは全く違うシリアスな役を演じているのが新鮮でした。

クリフ・マルティネスの完成度が高いサントラ

音楽を担当しているのはクリフ・マルティネス。元々ドラマーでレッド・ホット・チリ・ペッパーズにも参加していた異色の作曲家です。レッチリには結成メンバーのジャック・アイアンズの後に加入しファーストとセカンドアルバムに参加しているんですね。映画音楽ではスティーブン・ソダーバーグ監督と組むことが多く『セックスと嘘とビデオテープ』『トラフィック』『コンテイジョン』なども彼の作品ですから、是非チェックしてみてください。本作では雰囲気を重視した良質なミニマル、アンビエント・ミュージックを聞かせていて、サントラのみでも完成度の高い作品になっていると感じました。

さて、クリスは果たして地球に戻ったのでしょうか?それともソラリスにとどまったまま、夢の続きを見ているのでしょうか? 答えは観る人それぞれの想像と判断に委ねられているようなラストです。

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板谷直樹(いたや なおき)

板谷直樹

札幌市出身 バークリー音楽大学卒。R&B、AOR、ポップに親しみ15歳よりベースをはじめ、当時からセッション系ミュージシャンに憧れて様々なジャンルを吸収しようと試みた。札幌での活動を経て渡米し、本場のジャズやラテンミュージックに触れ多大な影響を受けている。「最先端のグルーヴとメロディックなソロ」を追求し、アーティストのライブやレコーディングも多数。著書『ベース・ラインで迷わない本』『一生使えるベース基礎トレ本』『一生使えるベース基礎トレ本 スラップ強化編』『一生使えるアドリブ基礎トレ本 ベース編』『ベーシスト 究極の選択60』(すべて小社刊)



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