第37回:ベーシストにお薦めの映画紹介vol.32『ブルーサンダー』の巻

ベース大好き! by 板谷直樹 2016年7月6日

ベーシストでありながら、音楽だけではなく、ガジェットやクルマなど男子目線も含めて楽しく映画を紹介している板谷直樹氏のコラム。今回は、30年以上前のヘリ映画が登場です。まさかのマイケルにまでつながる人の縁、毎回勉強になります!

男子は小さい頃から乗り物が好きなはず。車や電車、船、飛行機、名前を覚えて言い当てるのが得意なものです。僕は飛行機は詳しくなかったけれど、ヘリコプターには惹きつけられました。大きな羽をブンブン回して垂直に離陸できるのが魅力。効果的にヘリが登場する映画「地獄の黙示録」や「バット21」なんかにも見入ったものです。その中でも主人公のように全面に出てくる映画「ブルーサンダー」(1983年、アメリカ作品)は外せない、ということで今回紹介したいと思います。

CG無しのヘリコプター・アクションが見もの

もう30年も前ですが劇場で観ました。あらすじはオリンピックのテロ対策に向けて開発された武装ヘリコプターを巡って、政府の陰謀を知ってしまった航空警察のマーフィー(ロイ・シャイダー)の孤独な闘いを描いたサスペンス。ロイ・シャイダーは「ジョーズ」の署長役や「フレンチコネクション」の刑事役で有名なので知っている人も多いはず。SFでは「2010年」にも出ていましたね。ダンディーでリアルな演技派の名優だと思います。

監督のジョン・バダムは77年に「サタデー・ナイト・フィーバー」で一躍有名になり、その後「ウォー・ゲーム」もヒットし成功を収めました。2000年代は「HEROES」「クリミナル・マインド FBI行動分析課」などテレビシリーズの製作が多いようです。

さて、何と言ってもヘリコプター・アクションが見ものの本作。空撮は当時CGは無いので実機を飛ばし、一部合成や模型も使っていますが、実写ならではの迫力映像が堪能できます。朝日を背にブルーサンダーが飛ぶシーンや、奥さんがハイウェイで職務質問中に道路の下から登場してくる場面はインパクト大。また夜の空撮シーンはLAの夜景がとても綺麗なのが印象的です。

ところで、マーフィーが腕時計のストップウォッチを使って時間を測る場面が何度か出てきますが、これは自身の精神状態を確認するかのような描写になっていて、彼のキャラクターを表す重要なものになっています。そこで毎回アップになるカシオのデジタルウォッチがとても気になりますね。同じものが欲しいと思ったひとも多いのではないでしょうか。

The Beepersという謎バンドのご機嫌なスラップ

音楽はアーサー・B・ルビンスタイン。ジョン・バダムとは9作品でタッグを組み、テレビ作品も多く手がけた作曲家。80年代の映画音楽の特徴には電子音とオーケストラの融合がありますが、本作でもヘリコプターの羽の音をシンセで表現するような印象的な楽曲が聴けます。ところで、作品中には無い楽曲がLP盤のサントラには収録されているのですが、演奏はThe Beepersという謎のバンド。調べてみたらアーサー・B・ルビンスタイン本人が参加しているバンドで、他メンバーにはアンソニー・マリネリとブライアン・バンクスがいて、この二人はシンセサイザー・デュオとして多数の映画音楽制作やマイケル・ジャクソンのスリラーに参加するなど、業界では名の知れた人物なんですね。彼らのような腕利きがバンドとしてサントラのボーナストラックに参加なんて、なかなかニクいことをするものです。

Blue Thunder

 

このThe Beepersの「Theme from Blue Thunder(Dance Version)」はもはや中古
でしか手に入りませんが、ご機嫌なスラップベースが入っているので是非聴いてみてほしいところです(もしかしたら動画サイトで聞けるかも……)。スライドによる粘りや、プルが最初に来て躍動感が増すようなパターンになっているので、コピーしてそれらを体感してみてください。音色はエキサイターで持ち上げられた、察するにフェンダーではないアクティブタイプのベースのようです。

告知

2016年7月10日に「ボーカリストとベーシストのためのワークショップ vol.8」が開催されます。板谷直樹(B)、小林貴子(Vo)の両氏が、フィジカル面のトレーニングから音楽的知識まで、ベーシストとボーカリストにとって共に役立つ強力な内容を凝縮して伝授。限定20名なので、お申し込みはお早めに!

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板谷直樹(いたや なおき)

板谷直樹

札幌市出身 バークリー音楽大学卒。R&B、AOR、ポップに親しみ15歳よりベースをはじめ、当時からセッション系ミュージシャンに憧れて様々なジャンルを吸収しようと試みた。札幌での活動を経て渡米し、本場のジャズやラテンミュージックに触れ多大な影響を受けている。「最先端のグルーヴとメロディックなソロ」を追求し、アーティストのライブやレコーディングも多数。著書『ベース・ラインで迷わない本』『一生使えるベース基礎トレ本』『一生使えるベース基礎トレ本 スラップ強化編』『一生使えるアドリブ基礎トレ本 ベース編』『ベーシスト 究極の選択60』(すべて小社刊)



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