第33回:ベーシストにお薦めの映画紹介vol.28『フォクシー・ブラウン』の巻

ベース大好き! by 板谷直樹 2016年1月29日

ベーシスト板谷直樹さんのおすすめ映画コラム、今回は久々のブラック・ムービーが登場です。B級好みの板谷さんらしい愛情のこもった作品紹介、ぜひご高覧ください!

今回は黒人向けB級娯楽低予算映画、通称ブラックスプロイテーション・ムービーの『フォクシー・ブラウン』(1974年、アメリカ作品)のご紹介。以前取り上げた『コフィー』の続編ではないですが、シリーズ別バージョンとも言えるパム・グリア主演のアクションもので、クエンティン・タランティーノ監督の『ジャッキー・ブラウン』の原点となった作品です。ルパン3世の峰不二子が実写になって出てきたような本作、さっそく見ていきましょう。

オープニングからすっかりやられてしまうかも!?

どの映画もオープニングというのは印象深いものですが、この作品はご機嫌なファンクナンバーに合わせてフォクシー・ブラウン(パム・グリア)が一人踊っているところからはじまります。なぜか胸のアップシーンが数箇所、はたまた途中からカンフー・ダンス的になったりしてカッコイイ。しかも赤と緑にアニメーション処理され視覚効果もバッチリ。目を閉じたって彼女の長身ダイナマイト・ボディーの残像が浮かび上がります(笑)。うーむ、この時点ですっかりやられてしまう男性諸君も少なくないはず。

さて、物語はフォクシーの兄リンクが悪党2人組に追われているところからはじまります。電話で救援要請→フォクシー登場、車のボンネットの上に悪党を乗せて最後は海に落として撃退。「太陽にほえろ」や「西部警察」を連想させる、テレビドラマ風ゆる目のアクションに単純明解な物語展開。いいですねーこのB級感。悪党側の出演者は皆白人、対する正義の味方?(というか復讐)のフォクシー側は黒人という図式。時にお色気を使い拳銃やカンフーでバンバン倒していく様はさすがブラックスプロイテーション・ムービー。ここまで露骨に人種を区別して表現するのは現代では無理でしょうね。

残念ながら画質もあまりよくないし、夜の暗いシーンは何が映っているのかよくわからない場面もありますが、いわゆる昔のテレビドラマを見ている雰囲気、こうゆうのは味として捉えましょう。そして見ていて特に目を引くのがフォクシーやリンクの派手なシャツ、パンタロンやパンツ姿でしょうか。2人とも背が高く手足が長いのでとてもカッコよく似合っているんですよね。

 モータウンのSSWが音楽を担当!

監督と脚本は『コフィー』と同じジャック・ヒル。ミス・コロラド出身のパム・グリアを起用し『残酷女刑務所』『ビッグ・バード・ケイジ』など大衆B級モノで60~70年代に作品を残した人ですが、クエンティン・タランティーノの再評価により現代でも注目を集めている人物です。

音楽のウィリー・ハッチはモータウンレコードのシンガーソングライターで、マーヴィン・ゲイ、スモーキー・ロビンソン、マイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロスらのプロデュースでも活躍した人物。

FoxyBrown

譜面はフォクシーが恋人と過ごす場面で流れる「Give Me Some of That Good Old Love」風のベース・パターンを取り上げてみました。本作はこのようなファンキーベースのナンバーで彩られているので、是非音楽も楽しみながら鑑賞してみてください。

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板谷直樹(いたや なおき)

板谷直樹

札幌市出身 バークリー音楽大学卒。R&B、AOR、ポップに親しみ15歳よりベースをはじめ、当時からセッション系ミュージシャンに憧れて様々なジャンルを吸収しようと試みた。札幌での活動を経て渡米し、本場のジャズやラテンミュージックに触れ多大な影響を受けている。「最先端のグルーヴとメロディックなソロ」を追求し、アーティストのライブやレコーディングも多数。著書『ベース・ラインで迷わない本』『一生使えるベース基礎トレ本』『一生使えるベース基礎トレ本 スラップ強化編』『一生使えるアドリブ基礎トレ本 ベース編』『ベーシスト 究極の選択60』(すべて小社刊)



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