第26回:ベーシストにお薦めの映画紹介vol.21 『マッドマックス』の巻

ベース大好き! by 板谷直樹 2015年5月19日

今回取り上げるのは、THE男な世紀末感あふれる1979年作。音楽監督はブライアン・メイだそうですが、超有名バンドマンとは同姓同名の別人とのこと! そのほか、吹き替えのことなども含め、毎回勉強になる板谷さんの映画紹介をお届けします〜。

今年の映画は大作の続編ラッシュと言っていいですね。これから夏にかけてミッション・インポッシブル、ターミネーターにジュラシック・パーク、そして年末には007や大目玉のスター・ウォーズも待っている。僕の大好きなマッドマックス新作も6月に公開だ!

というわけで今回は男の子なら皆大好きなはず、バイオレンス・アクションの名作『マッドマックス』のシリーズ第1作(1979年、オーストラリア作品)を紹介しましょう。

荒野、無法者、カーチェイス

冒頭のシーンでは「A FEW YEARS FROM NOW…」というテロップからはじまり、時代設定は数年後という近未来。どこまでも続く広大な荒野にまっすぐ伸びる道。そして薄曇りの空。明らかに今まで見てきたハリウッド映画とは画面から伝わる雰囲気が違います。

それもそのはず、この映画が撮られたのはオーストラリアなんですね。主演は今や知らない人はいないメル・ギブソン。監督はジョージ・ミラー。制作は低予算ながら大ヒットし、彼らがハリウッドへ進出するきっかけを掴んだ作品と言えるでしょう。

ストーリーはマックス(メル・ギブソン)という路上追跡専門の警官が、警官殺しの凶悪犯を追跡中に死亡させたことにより、仲間の暴走族から命を狙われることに。同僚や家族まで失ったマックスは特殊改造車を駆り暴走族へ怒りの復讐をしていく、というもの。主人公が無法者と対決する様は、どことなく西部劇のようなイメージを感じさせますね。

本編がスタートして12分間は息もつかせぬカー・アクションの連続。低アングルでスピード感があり、CGではない実写の時代ですからやはり迫力満点ですよ。台詞のある出演者は限定され、特別なセットは無く舞台のほとんどが荒野の道路。いかにもB級的なのですが、それが逆にどこの土地にいるか分からない感覚で、今見ても時代の古さを感じさせません。

また、登場する改造車やバイク達もこの作品の中心に位置する存在になっています。マックスの同僚グースが乗っているバイクはカワサキZ1000、黄赤青のボディを持つインターセプター(追跡用パトカー)はフォードのファルコン。そしてこの作品には無くてはならない黒いボディのV8インターセプターも、ファルコンをカリカ
リに改造したもので、ボンネットから突き出したスーパーチャージャーが強烈な印象を残しています。

これらの車やバイクが劇中でチェイスを繰り返し、登場人物のキャラクターと相まって熱狂的なファンを世界中に産んだわけですね。ネット上で「インターセプター」で検索すると実車のレプリカから模型まで、数え切れない画像やオフ会などの動画がヒットします。

金管と打楽器が印象的なサウンドトラック

ところで、DVDの音声にはアメリカ英語(吹き替え)とオーストラリア英語の2種類が入っているのですが、ここはぜひオーストラリア英語で見ることをお勧めします。吹き替えられたアメリカ英語版は背景の音が消されていたりして、あまり臨場感がないんですね。

そもそもなぜ2種類の音声が存在するのかというと、オーストラリア英語は訛りが強く、アメリカ公開に合わせて吹き替えられてしまったのですね。このことは当の出演者の間でも評判が良くないようです。

音楽はブライアン・メイ。オーストラリアの映画音楽作曲家で、ロックバンド、クイーンのギタリストと同姓同名ですが、全くの別人なので注意しましょう。1934年アデレード生まれで、1997年に63歳で亡くなっています。本作では金管と打楽器の使い方が印象的で、場面場面で効果的に緊張度を高めています。暴走族が出てくるシーンの音楽はホラー映画並みに怖いんですよ。

彼は『マッドマックス 2』でもスコアを書いているので、気になる人はぜひそちらも聴いてみてください。
さて、マッド・マックス最新作『怒りのデス・ロード』を見る前に、原点である本作を今一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

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板谷直樹(いたや なおき)

板谷直樹

札幌市出身 バークリー音楽大学卒。R&B、AOR、ポップに親しみ15歳よりベースをはじめ、当時からセッション系ミュージシャンに憧れて様々なジャンルを吸収しようと試みた。札幌での活動を経て渡米し、本場のジャズやラテンミュージックに触れ多大な影響を受けている。「最先端のグルーヴとメロディックなソロ」を追求し、アーティストのライブやレコーディングも多数。著書『ベース・ラインで迷わない本』『一生使えるベース基礎トレ本』『一生使えるベース基礎トレ本 スラップ強化編』『一生使えるアドリブ基礎トレ本 ベース編』『ベーシスト 究極の選択60』(すべて小社刊)



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